【第1回】シニア起業で勝ち組になる秘訣〜定年前の心構え〜
- 50歳代がおかれている雇用環境を知る
- 定年後のために準備する必要性
- 働けるうちは働くべき
シニア起業支援家 白根陸夫です。この記事は平成7年(1995年)創業以来23年超、一貫して再就職支援のパイオニアとしての経験から、中高年齢者の定年後の「生きがい」「遣り甲斐」「望み通りの収入を生涯に渡り得る」の三拍子そろった仕事を自らで創造し、セルフ・マーケティングで市場を開拓し、充実した「生涯現役」を実現する方策を伝授するために著わしたものです。
新聞の経済欄を読むと不況業種において人件費削減による黒字化目的やM&A(合併や買収)にともなう重複機能統合によって生じる人余りを解決するために、退職者を期間限定で募集する会社の記事をよく目にします。大手企業であれば早期退職制度をどこでも制度化していますが実際にはほとんど、とくに高年齢層社員においては制度を利用して自主退職する人はまれです。今以上の年収を取れるところへの転職はないからです。
だが、会社はやらねばならぬことはやらねばなりません。人減らしに迫られればやむなく高給取りの中高年齢層を対象に期間限定で希望退職者を募集します。これがいわゆるリストラです。早期退職制度の条件に加えさらに加算退職金を上乗せして中高年齢社員に退職を迫ります。金額はさまざまです(800~1000~1500~2000万円あたりが多い)。
これだけでは辞める人はいません。そこで会社は退職する人の再就職を支援するため専門業者に支援サービスを依頼します。この業者を一般にアウトプレースメントとかOP業者といいます。加算金とOPの条件をもって必達目標である退職目標数完遂まで施策を継続していきます。OP業者の相場はサービス受け入れ一人当たり65~85万円です。
これまで不況業種向けであったこの施策はこれから高業績企業において積極的に推進されると考えます。理由は業績好調なうちに、高額な加算退職金を支払う力があるからこそ、この機に一挙に体質改善、M&A強力推進、利益創造力の高い企業を目指すからです。
中高年齢社員には「うちは定年まで大丈夫だ」などとのほほんと構えている者が多いのですが、知らぬは本人だけ。リストラはいつ起きても不思議ではありません。現実を直視しすべての中高年齢社員が「明日は我が身」と切迫感をもって有事即応の態勢で早急に対策を打たねばなりません。では何をしたらいいか。先手必勝の信念をもって、自己分析作業をしっかりと行うことです。
これによって、組織人としてこれまで20年~30年に渡り営々と習得(修得)してきた知見、経験、ノウハウ・スキル、成果、実績を「見える化」することができます。「見える化」とは具体的にレジメ(履歴書とキャリア式職務経歴書)をつくること。同時に自己分析の過程で生涯キャリアビジョン(天職)を確定させることができます。天職が定年後の仕事となります。売り込み先は中小・中堅企業とベンチャー企業のオーナー社長です(これらの企業の多くは資本と経営が分離していないので、出資者即経営者です。よってオーナー社長と呼ばれます)。いつ遭遇するかわかりません。否自分から進んでオーナー社長に会うチャンスをつくりださない限り進路は拓くことはできません。
そのときのために「事業案内」は必須です。
「見える化」のデータを体裁よく仕上げたものがあなたの「事業案内」です。この二つを揃えたうえ、時宜を待って「 生きがい、遣り甲斐、望み通りの収入を生涯に渡り得る 」の三拍子そろった仕事、すなわち「顧問、経営コンサルタント、エグゼクティブ・コーチ (注)」として、一気呵成に売り出すのです。決断と実行によって充実したセカンドキャリアをつかむことができるのです。
注:
これらの職業はクライアント(オーナー社長)と役務の業務委託契約を結ぶことによって「働く(収入を得る)」仕事です。経営者と従業員との間の雇用契約ではありません。年齢制限もありません。複数以上の会社と自由に契約して「生きがい、遣り甲斐」そして「望み通りの収入を生涯に渡り得る」ことのできる職業です。中高齢者にとっては理想の仕事と言えます。
高齢者とは何歳以上をいうかは統一的なものはありません。高年齢者、高齢者、中高年など類似の言葉がありますが、法令や行政においてもそれぞれで年齢を決めています。ここでは「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則」の年齢定義にもとづき、高年齢者は55歳以上(第1条)、中高年齢者は45歳以上(第2条)、さらに中高年齢失業者等の範囲を45歳以上65歳未満とする(第3条)を援用しています。
この記事は中高齢者が「生きがい、遣り甲斐、望み通りの収入を永続して得る仕事」をどうすれば創造できるかを著者の成功体験をもとに教えるものです。45歳から中高齢者です。いますぐ準備を始めて時宜を待ち、ここぞというとき一気呵成に行動を起こし、勝利する策を具体的に伝授します。著者が成功に至った過程を時系列的に実践すればだれでも成功すると信じています。
「成功は一番力のある者ではなく一番準備をした者」なのです。
さあ、あなたは今すぐ実践あるのみ。著者の決起は52歳、以後23年間成功の連続です。それまでの30年間のキャリア(仕事経験)を強みに「見える化」し売り出すことによって「キャリア支援のパイオニア」の地位を獲得することができました。中高齢者(以下、45歳から中高齢者という)の持つ力が嘱望される「旬」があります。それが65~85歳なのです。
「働けるうちは働く」をモットーとするあなたの準備は65歳までに完了していなければなりません。
第一の選択肢は、役職定年(55歳が多い)の直前に早期退職制度を利用し、会社都合退職金と早期退職加算金を受け取り退職、その3か月前から転職活動をし、退職の翌日、転職先に入社する。正社員の処遇を条件に入社、定年(60歳)と同時に役員に就任することを目標に一心不乱に働く。転職先で役員就任の目がなければ早めにつぎを探す。60歳まで攻め姿勢が勝利する。硬軟両様の態勢の5年間。途中、準備おさおさ怠りなく、商機を探り起業も可(注1)。
第二の選択肢は、定年後継続雇用制度を利用し、一年ごと更新で65歳まで繋ぐ。改正高齢者雇用安定法のおかげで自身が希望すれば継続雇用はされるがその条件は会社が握っています。提示されるあてがい扶持の条件に唯々諾々と従わざるを得ない、ひたすら忍従の五年間、耐えられますか? 昨日までの部下に今日からは頭を下げる身に、周囲の白い目も気になる。65歳以降、仕事は探しても探してもない。年齢不問の技能職がうらやましい毎日。楽は苦の種、苦は楽の種を実感しながら以降、長い下り坂人生を生きる。
■こうならないために、継続雇用の期限満了後の準備を早くから始めておき、65歳と同時に起業し生涯現役を貫く途があるのです。
第三の選択肢は、定年退職まで働く、定年後の準備は5年前から始め、この種まきの期間、休日等を利用してクラアント開拓(人脈づくり)に精を出す。退職と同時に起業する。退職金は温存し、できるだけ元手を掛けず、原価率の低い、利益率の高い事業を創造するために知恵を尽くす。
主体的に生きることによって定年まで充実した毎日を過ごすことができる。ほとんどの企業や組織の定年が60歳(注2)なのでこの年齢を超えた者を雇う場合は、全員非正規社員、契約期間は最長で年間契約(以下、年契と略す)、加齢とともに雇われる可能性は加速的に減少。年契で繋ぐよりも、一気に起業(自営業規模で可)した者が勝つ!
図 シニアで稼げる人の範囲
注1:この書で「起業」とは自営業開業を言う(法人化を意味するものではありません)。
注2:平成26年就労条件総合調査結果の概況:結果の概要(2 定年制等)
一律定年制における定年年齢の状況 1000人以上の企業60歳定年制92.2% (厚労省HP)
第二回はこちら
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