司法書士事務所の開業、費用について

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合格後のビジョンについて

司法書士試験に合格した後、「どうするか?」を考えていますか?   きっとほとんどの人が司法書士として仕事をしたいから合格を目指しているのだと思います。しかし、具体的に思い描いているでしょうか。司法書士として仕事をするにしても色々な形があると思います。是非受験生のうちから自分の理想とする司法書士としての活動の仕方を持ってください。   司法書士試験の合格は、皆さんの多くにとって目的ではなく目標であるはずです。ここで、話はそれますが簡単に目的と目標の違いを説明しますと、目的というのは最終のゴールです。目標は目的に向かうための通過点を指します。     だから司法書士受験生の多くにとって合格は通過点でしかなく、その先にあるはずの「司法書士としての自分」についてビジョンを持っておくことが大切なのです。目的をつきつめればキリがないですが・・・。   さて、晴れて司法書士試験に合格したら多くの方が遅かれ早かれ独立開業を目指すのではないでしょうか。     しかし、その誰もが気になることがあります。「お金」です。司法書士事務所を開業しようとすると一体いくらぐらい費用がかかるのか。   これから始まるであろう長い司法書士としての活動の中で、開業も一つの目標にすぎないのかもしれませんが、まとまったお金が必要なのであれば前もって計画立てて準備しておかなければなりませんからね。   さて、司法書士として活動するためにはもちろん試験に合格しなければなりませんが、合格の後には司法書士に登録し司法書士会に入会しなければなりません。司法書士会は司法書士業務を行うための強制加入団体です。   ここで、またまた横道にそれますが、憲法を勉強した人でピンときた人もいるはずです。勉強したのに思い出せない人はもう一度見直してください。有名な判例がありますよ。いわゆる「群馬県司法書士会事件」です。法人の権利能力に関する論点で、群馬県司法書士会が阪神淡路大震災の復興支援のためのお金を拠出した件についてそれが法人の目的の範囲内かどうかが争われた事件です。   判例の内容は勉強のために皆さんご自身で確認してください。ただ、司法書士会が強制加入団体であるという点が一つのポイントになっています。他にも同じく強制加入団体であるところの税理士会でも争いがあり、「南九州税理士会事件」が有名です。憲法を見直す時にはこの二つの事件は比較してください。そして、強制加入団体が関わる判例ではありませんが「八幡製鉄事件」も憲法の法人の人権共有主体性に関する重要判例ですのでチェックするのを忘れずに・・・。    

開業費用について

まず、司法書士登録には25,000円の費用がかかります。その他、それぞれの司法書士会への入会金や会費、その他諸経費がかかります。これに関しては司法書士会によって金額が違いますのでいくらかかる、とは一概に言えませんが、司法書士登録と司法書士会への入会で多く見積もって20万円ほどを予定しておいた方がよいのではないでしょうか。     その他、自宅とは別の場所に事務所を借りて開業する場合には、地域や物件に応じた事務所の敷金、礼金、家賃がかかりますし、デスクやキャビネットなどの事務用品。パソコンやプリンター、ファックスなどのOA機器も必要となってきます。その他、職印を作成するなど、こまごまと費用がかかります。     ここまで読まれた方で薄々感じていらっしゃる方もいると思いますが、司法書士としての登録料等は別として、純粋に事務所を開くための費用は結局やり方次第です。例えば、仲間と共同で事務所を開業するなどすればその分費用も分担できるでしょう。   最後にざっくりと用意しておきたい金額を提示するなら100万円~150万円といったところでしょう。ただし、その他にも当面の事務所の運営費や生活費も考えなければなりませんが・・・。   この金額を多いと見るか少ないと見るかは皆さん次第ですが、その後、事務所を経営していくことを考えると、経営者としての感覚も持ち、節約すべきところは節約する、費用をかけるべきところはかける、という工夫が大切なのではないでしょうか。    

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