税理士と会計士の違いを明確に教えて?

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税理士と会計士の違い

  税理士と公認会計士という二つの資格があります。さて、あなたはこの資格の違いをきちんと説明できるでしょうか。実は、多くの人がこれらを混同しており、きちんと説明できる人は少なくありません。 今回はこの二つの国家資格に関して、その明確な違いというものを分かりやすく解説いたしましょう。   まず、結論からお伝えします。この二つの一番分かりやすい違いは何かと言いますと…それは、誰の味方なのかという違いです。 税理士は、ここまで色々な記事を読まれて分かるとおり、会社の味方です。会社が少しでも税金を節約し、より多くの利益を上げるためのアドバイスというものを顧問の立場からしていきます。   これに対して、実は会計士というのは、会社の味方ではないのです。では、一体誰の味方でしょうか。それは、株主と、そして社会全体への味方です。  

会計士が行う監査について

「監査」という言葉があります。これは、「監査法人」ですとか、「会社に監査が入る」といった使われ方をします。この言葉の意味ですが、一言で言ってしまえば国に提出する売上や利益に関する会計簿が本当に正しいかどうかをチェックするという意味です。   例えばあなたが国で、税金をきちんと納めてもらいたいと思っていたとイメージしてみてください。税率は、利益の30%です。この時、あなたの治める国の大企業が、「今年は利益が10億円出ましたので、税金として3億円の税金を支払います。」と言ってきたとしましょう。さて、あなたはこの話をすぐに信用しますか?   それとも、本当は利益が10億円ではなくて100億円とかで、本来30億支払うべき税金を嘘の申告でごまかしていないかと疑いますか?   多くの国は、疑います。そして、チェックをしようと考えます。この時にチェックをすることが、「監査」とよばれるわけです。そうして実際に会社に訪問し、一つ一つの売上の領収書をチェックして、「本当に申告している内容に間違いはないか」を確かめるのです。   加えて、このような行為は国だけでなく、社会全体にとっても非常に重要なことです。なぜなら現在の会社の仕組みというというのは、「上場企業」という言葉があるとおり、たくさんの株主がいるからです。会社の株は、証券会社に行けば誰でも購入ができます。つまり、例えば数万円という金額で、世の中の大企業の株主へとあなたもなることができるのです。そしてこの時、多くの人がその株を買うかどうかの判断基準の一つとして、会社の毎年の利益を見ます。   ではもしこの時、多くの会社がウソの報告をしていたらどうなるでしょうか。   答えは簡単で、株式を買う人がほとんどいなくなってしまいます。なぜなら利益が出ている優良企業と紹介されても、実際は倒産寸前の赤字会社かもしれないので、そんなリスクは負いたくないとなるからです。 こうなると、会社は株の買い手がいなくなり資金調達が難しくなりますし、社会全体として誰も得しません。だからこそ、監査というものを行い一つ一つの会社が本当に正しい報告をしているのか確かめるのは、社会的にも意味があるのです。     そして、このような監査を行うのが会計士という存在になります。ですから、会計士は必ずしも企業の味方ではありません。企業が隠したいと思っている赤字もすべて暴き、世の中に対して報告をしなければいけないのです。これが、会計士が株主と、そして社会全体への味方であるというお話の理由です。  

税理士と会計士の比較

ちなみに、以上のような税理士と会計士を理解してもらったところで、最後に「どちらの資格の方が上か」というお話をしておきましょう。もちろん、どちらも偉いのは言うまでもありません。しかし、社会的に言えば…実は会計士の方が上なのだと覚えておいてください。   この理由を一番直感的に理解してもらうためには「会計士の資格を取れば税理士の資格は試験を受けずに取れる」という事実を押さえておいてもらえればそれで十分だと思います。   試験は、言うまでもなくどちらもとても難しいです。しかしその業務の性質上会計士は税務に関しても必ず精通していなければならないため、会計士は税理士業務を行うことも比較的簡単にできると認められており、だからこそ実は会計士の方が社会的には上位に存在しているのです。  

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