未経験からの士業転職

目次 [非表示]

士業の就職環境

 まず、企業は難関資格保有者を求めていません。一般企業ではいざ必要になれば顧問契約を交わし、毎月顧問料を支払ったり、都度対応してもらうことができます。常に社内に置いておく必要はそれほどありません。

 そのため、これらの資格を活かす仕事というのは、例えば、「法律事務所」や「司法書士事務所」、あるいはもう少し規模が大きい「弁護士法人」「税理士法人」で働くということになります。

年齢制限の壁

 これらの業界を転職という形で目指すならば年齢でいうと30歳~35歳というのが一般的な限度だということです。年齢が上がるほど入口が小さくなります。資格をとったはいいが活かすことができないケースも少なくありません。そのため、

1)実務経験を積んでから資格取得する場合
2)資格取得してから実務経験を積む場合

であれば、迷わず前者を選ぶべきです。実務経験を積んでから資格取得する場合、何が何でも士業の道にキャリアチェンジをしたいなら、まずは業界に入ってしまうことが優先です。資格を取らなければ業界に入れないというわけではありません。法律事務所、司法書士事務所、会計事務所などには資格を持たない事務員もいます。

 まず、業界に入ってしまって実務を学びながら資格を目指すのです。仕事終わりに予備校に通ったり、自分で勉強したりして資格取得を目指す。これが第一歩です。資格取得してから実務経験を積む場合、30歳までであれば、まず資格取得し、その後に業界に入ることも可能ですが、それ以上の年齢で取得した場合、そもそも実務経験を積む機会を得られない可能性があります。

いきなり開業できるか

 雇ってもらえなければ独立して開業するという道もあります。しかし、独立してもお客さんを獲得できるかは別問題です。黙っていてもお客さんがやってくるわけではありませんので「集客力」や「営業力」が必要です。

 お客さんが獲得できたら今度は「接客力」「コミュニケーション力」「専門性」がないと解約されてしまいます。事実、廃業する士業は後を絶ちません。開業から半年経っても1件しかお客さんを獲得できないような人もかなりいます。そういう人はお金を支払って代わりにお客さんを獲得してもらうサービスを利用します。

 独立となると資格を保有してさえいれば良いものではなく、経営感覚やビジネスセンスも必要なのです。これらの力はまずどこかの事務所で実務経験を通して身につけるものなので、いきなり独立というのは難しく現実的ではありません。

高齢で資格取得した場合の実務経験の積み方

 最後に、高齢で資格取得した場合はどうするのかというと、どこかの事務所に居候のような形で机を借りて、事務所が請けた仕事の中からあまりうまみのない仕事を回してもらって歩合制のような形で働き数年間の経験を積むことになります。

 未経験で30代以降で目指すのであればこのような形も視野に入れなければいけません。
資格取得で独立というのは聞こえがいいですが、一般のサラリーマンよりも確実に収入が上がるかといえば一概にそうとも言えないのが現実です。

 例外があるとすれば、「親子2代で士業」のようなパターンや「親類の事務所で修行」「後継者探しをしている事務所を引き継ぐ」などがカギとなります。

おすすめの関連記事

関連記事