行政書士で開業していい人、いけない人

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 今回は、行政書士として開業を目指す方に対して、行政書士で開業していい人、いけない人の条件に関するお話をしましょう。

 もちろんこれに関しては、例えば「強いメンタリティーを持っている」とか「人一倍努力家である」など色々なお話をすることができます。しかしそのような具体性の欠けるお話をいくらしたところで実際問題としてあまり参考にならないだろうと思いますので、今回は具体的なものを、それもたった一つだけ、条件として挙げてみようと思います。

 この具体的な条件とは一体なんでしょうか。それは、「社会人として会社に就職した経験があること」となります。ちなみに、就職経験と言っても三ヶ月だけとかはやはりやめた方がいいと思います。最低でも三年程度は見ておいていただいた方が無難でしょう。

 さて、それではなぜ就職経験が、行政書士の開業において重要なのでしょうか。これは一言で言ってしまえば、独立開業をした場合の行政書士には、行政書士としての能力以上に社会人としての総合力が求められるからということになります。

 独立を目指す行政書士に絶対欠かせないこととして「経営力」があります。これは行政書士として一流の能力を持っているだけでは独立開業が難しく、それ以外にも営業力であったり、財務や人事に関する能力など様々なものが必要だという意味です。そのために、就職が重要となるのです。

 何事も能力を高めるためには、実際にそれを経験してみること以上に効率的なものはありません。そのためもしあなたが営業力や財務、人事に関する能力を高めたいと思えば、やはり実際にその業務に携わってみるのが一番です。

 また二番目としては、そのような業務に就いている友人の話を聞き、その業務に一体どのような考え方、知識が必要かということを聞いておくことも挙げることができます。
 これらのことを考えてみた時、やはり就職というのは非常に勉強になります。

 例えば実際に営業職として会社に就職をしてみれば、お給料をもらいながら営業の勉強をすることができます。もしこれを開業してやろうと思った場合、契約が取れなければ給料は0円です。それどころか、交通費などの経費により赤字になることも十分ありえます。ところが会社に所属をしていれば、交通費ももちろん支給されるし、営業成績が振るわなかったとしても一定水準のお給料が約束されているのです。

 この他、財務や人事に関しても興味があればその業務に就くもよし、その時間が惜しければ同僚でそのような業務に就いている人と仲良くしてみてください。そして飲みにでも誘ってみれば、たくさんの「なるほど、そうだったのか!」というような話が聞けるはずです。

 若くして開業をあせる人の中には、実際に開業をしてみることが成長への一番の近道だと考える人が少なくありません。しかし、実際は必ずしもそうでなく、むしろ研修制度が整っている大手企業の方こそ手取り足取り教えてもらえて最も早く成長できると言っても過言ではありません。

 加えて、開業をした場合には早々に黒字へとできなければ、生活苦により業務自体を中断することも考えなくてはいけません。多くの人はこのような状況に直面し、アルバイトなどをしながら細々と営業を続けてしまうのです。当然ながら、アルバイトをしながらの副業的労働では、就職しての専業に比べて成長速度は落ちてしまいます。

 まずはとにかく就職を経験してみてください。これが、行政書士として開業をしていい人いけない人の具体的で簡単な条件なのです。

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