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いま弁護士開業するなら大田区・足立区・北区を狙え 【弁護士:北周士】

【第1回】弁護士のための開業・経営セミナーなどを多数開催する
北周士さんに、弁護士開業のアドバイスを聞く(全2回)

『弁護士 独立のすすめ』『弁護士 転ばぬ先の経営失敗談』の著者でもあり、今年9月で10年目を迎える北周士氏。現在の仕事は主に中小企業で、社長が20代後半から40代と若いクライアントの新しいビジネスの手助けをしている。「中小企業は社長がいかに実働をできるかが肝。あなたは社長業をやれ」がコンセプト。今年10年目を迎えるにあたり、あらためて弁護士の独立開業についてお聞きしました。
 
 
――北さんは弁護士さん向けの開業を応援されてますが、一番オススメな開業法はありますか?
 
北:今、仮に私が新人で独立するとしたら、士業の強みというのは経費が掛からない、仕入れが要らない、更に弁護士はなんだかんだで単価が高いので、最初は経費を可能な限り落としてスタートするのをおすすめします。
 
 パッと見のバリューも含めて共同経営がおすすめです。東京で始めるにしても、弁護士4人とかで四谷の坪1万のビルで12坪くらいなら、場代3万でやれてしまうんですよね。4人いれば4人がお互いの電話に出れるので、電気代とかいれても1人頭の負担が3万5千円とかで維持できます。
 
 そうすれば弁護士という仕事は絶対死なない。月に2つの新件をとれば生き残っていけます。その量なら事務スタッフもいらないですし、必要であれば秘書代行を使うなどして4人で割れば1人5千円とかですから、まずそういったスタイルで始めてみて仕事が増えるに従って規模を拡大していくというのがいいと思います。
 
 事務所に弁護士がいっぱいいると、お客さんに対するアピール力もありますし、お客さん的にも安心しやすい。お互いがお互いの集客が出来るので、誰かに引っかかった仕事で自分が出来ないものは、事務所内で回すことができます。共同受任でやればお互い楽ですから、複数人でなるべく経費を落として開業するというのを今すすめていますね。個性が強い人が多いので、最終的には分裂することが多いんですけどね。
 
――新人は大変そうなイメージあるんですが、これからどうしていったらいいですか?
 
北:弁護士はまともにやっていればまだまだレッドオーシャンというわけではないですし、まだ価格競争にいたっていないと思います。私自身は顧問料を上げていませんが、単発事件に関しては場合によっては上げています。もし大変だとすると、仕事を取るということだと思います。
 
 クライアントって大雑把に分けると、個人、中小企業、大企業、公(裁判所とか国とか自治体とか)。営業の手段は、紹介ベース、広告ベース(ホームページ等)、公権力系がある。営業は潜在顧客がいて、接触頻度があって、商品価値の3つの要素の合計。
 
 自分のクライアント層に対して有効な集客者と集客方法が決まっていても、集客手段が自分に向いていない場合、営業が苦痛になってしまいます。そうするとうまくいかないと思います。もしかしたら、続けやすい広告なり集客手段なりから逆算してエンドユーザーを設定したほうがよいのかもしれないですね。
 
 
――弁護士の先生は、開業する場所についてどれくらい考えているのでしょうか?
 
北:ほとんど考えてないですよ。いろんなところで言っていますが、弁護士ってどこに開業するかがめちゃくちゃ重要なんです。初期段階の成功のカギはフィールドなんです。地元客の存在とかアクセスの容易さとかネット対策のしやすさとかで、ハードルが全く変わるんです。
 
 普通の仕事ならそういうことをしっかり調べると思いますが、弁護士って裁判所に近いからとかなんとなくお客さん来やすそうだからとか、他のみなさんもいるところに出しちゃうんですよね。私もそうだったんですよ。私も自分自身の開業に関しては相当失敗してるんです。同じ轍を踏んでほしくないんです。
 
 しかも弁護士は地元の客が定着してくると、大きくなったから違う地域に進出しようというのは難しい。初期設定したフィールドから動けなくなってくるので、最初のフィールの設定はものすごく重要です。それをよく考えてほしい。
 
――専門性は必要ですか?
 
北:東京の場合、この方面に強いという形で専門性をだしたほうが仕事の絶対量がとれますね。専門性を前面に出して、「これが強いです」というとネット集客もしやすいですし、その分野について他の士業や同業者の方から紹介を受けやすいです。
 
 
――たとえば、都内で開業するならどこがいいと思いますか?
 
北:23区で企業が2万超えているのは6つしかなくて、大田区・足立区・新宿区・千代田区・中央区・港区。千代田区・中央区・港区・新宿区の4つの区は弁護士が死ぬほどいるんですよ。この4区で全国の3分の1いますので、企業狙いだったら、大田区か足立区が良いのではないかと思います。ただ、その2区に存在している企業は種類に偏りがありますから、狙っている企業の職種によっては有効ではないかもしれません。
 
 個人客なら北区です。北区は人口対弁護士比が2万1千対1とかなので、全国平均からしてもかなり高いんです。あくまで地元客の集客の可能性を上げるんだったらですけどね。あと家賃も安い。
 
 東京全体だと880人対1。ちなみに千代田区は8.7人対1人ですね。人口4万8千人しかいないのに弁護士が5500人います。ただ23区は経済圏として一体で、近くだから頼むということがそれほどないかもしれないですね。30分も電車に乗れば有名事務所にも行けてしまいますから。
 
――地方ならどこがいいですか?
 
北:地方だったら、少し外れた大き目の都市ということになります。やはり弁護士は県庁所在地や裁判所の支部の周りにめちゃくちゃ集中しているので、その周辺土地なんかはまだまだいけるかと思います。ただ、地方は仕事の絶対量が少ないので専門特化みたいのが難しいんですよ。
 
 そうするとストーリーというか、特定のだれだれのミカタですみたいなほうが集客しやすいですね。実際にあったとある先生の話ですが、メインからちょっと離れた10万人くらいの都市にそれまで弁護士が2人しかいなかったんですね。
 
 そこへ3人目として初めての女性がやってきたんですね。コンセプト「私は女性のミカタです。女性の方の相談しか受けません。女性の方はどうぞ」と。これで10万のうち5万は確保できる。3人なんだけど3分の1にならない。それは専門化とはまた違うんですよ。自分はこういう人のミカタですよというわかりやすいコンセプトがあると強いかな。
 
――北さんのコンセプトは?
 
北:「中小企業は社長がいかに実働できるかが肝。あなたは社長業をやれ」がコンセプトです。
 
 
――顧問契約をおすすめしていますか?
 
北:開業する地域とか、どこのクライアント層をターゲットにするか等によって必ずしもすすめない場合がありますね。費用対効果としては顧問契約は必ずしも良いものではないので、自分の事務所の経費を極端に抑えることが出来るのであれば、単発事件をそこそこ取るシステムのほうが負担が少ないです。
 
 東京って会社が多く、若い経営者も多い。考え方も多種多様に持ち合わせているので、いろいろな手段で仕事が取れるんですよ。「口コミ」でもいいし、「飲みにけーしょん」でもいいし、「ネット広告」でもいい。多様な集客が出来るのは、東京・横浜・大阪・福岡・名古屋くらいかな。
 
 地方に行くと会社が少なく、基本的に会社の権限を持っているのがご高齢の方なので、ご高齢の弁護士かご高齢の方を上手にコントロールできる人にしか会社関係の仕事が行かないんですよ。会社の仕事はJCかロータリークラブに入って酒飲んで、兄ちゃん面白いなといって仕事をもらう以外の手段がないんですよね。
 
――いま弁護士の数が増えて、おそらく単価も下がっていると思いますが、税理士さんのような感じでストックの売上作れるなら顧問取ったほうがいいと思うのですが?
 
北:もちろん安定のためには顧問取れるならとったほうがいいですね。積み上げ型のビジネスはすごく強いんですが、ある程度サービス上限を設定するなどしないと費用対効果が悪くなるという面がありますね。そして、あまり顧問契約増やしすぎると弁護士を増やさなければいけなくなります。
 
 弁護士ひとり雇うとなると、採用も大変だし固定費もあがってしまいます。人数の増加によって新人弁護士が安くなってきているので新人で月30~40万で雇えますが今後もこの方向性が維持されるとは限りませんし、仮に月平均5件5万の顧問だったら、顧問で維持するためには8社増やしてトントンなので、そこはバランスを取らないと厳しいかな。顧問が増えれば単発の事件も増えるので、顧問だけってことにはならないと思いますけどね。
 
・プロフィール
 
北・長谷見法律事務所 代表:北 周士(きた かねひと)
 
弁護士のための開業・経営セミナーなどを多数開催、独立開業に関する失敗事例研究会 代表/開業事例研究会 代表を務める。企業・個人を問わず「困難な状況に立ち向かう方を応援する」。主にこれから起業を発展させていこうとする若手経営者及び先代が育てた企業を引き継ごうという若手経営者の活動をサポート。著書に『弁護士 独立のすすめ』『弁護士 転ばぬ先の経営失敗談』がある。
 

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