ダブルライセンスは本当に必要ですか?

目次 [非表示]

 ダブルラインセスは本当に必要なのか、目指すべきなのか、という意見がよくあります。ダブルライセンスとは、複数の資格を持つことを意味していますが、例えば行政書士と社労士、行政書士と司法書士といったように、様々な資格を組み合わせることで、業務の幅を広げることができることを意味しています。

 ちなみに、ダブルライセンスのほうが間違いなく、仕事をしていく、顧客の幅を広げるというメリットがあるのは誰でもわかることだと思います。というのも、ある資格のみでは対応できない業務に手が出すことができますから、シングルライセンスでは提供できないサービスを顧客に提供することが可能になりますし、営業しやすさもあると思います。

 ただし、最近はダブルライセンスを取るべきといったマストハブ的な流れがあります。今回は、実際にダブルライセンスは必要なのかどうかについて考えていきたいと思います。

ダブルラインセンスのデメリットから考える。

 まずダブルライセンスのデメリットを考えてみましょう。金銭的なことになりますが、ダブルライセンスを取得し、その両方を業務に活用していくためには当然両方の単位会に所属する必要が出てきます。

 要するに、入会金と会費がダブルで(場合によってはダブル以上)必要となってくるというデメリットがあります。ただなんとなくダブルライセンスあったほうが業務の幅も広がりそうだし、便利そうといった理由でダブルライセンスにしてしまうと、こうした金銭的な部分で負担が増えることが考えられます。

 ところが、実は、税理士の場合は行政書士登録も無条件でできます。つまり、ダブルライセンスと同じ状況ができあがるわけです。とはいえ、いったん行政書士登録した税理士が登録を抹消することがあります。それには、行政書士登録していることが特段仕事に繋がることがないという理由です。そして、登録していることに、費用がかかってきますから、それが勿体ないということです。

 本当にダブルライセンスを持つことで、儲かるのであれば、わざわざ登録を取り消すなんてことは起こる訳ありません。これがダブルライセンスの最大のデメリットなわけです。

 一方の単位会に登録しないということももちろんできるわけですが、それで費用もシングルで済ませようと、ただ資格をもってるだけでは何の役にもたたないので、勉強した労力の無駄になるでしょう。つまり、ダブルライセンスのデメリットのもう一つがこれです。資格を取得し、維持する時間も相当必要になってきます。

 近年の傾向として、就職できない士資格所持者が増えていることから、資格試験の難易度をあげという傾向がみられます。そのため、士資格系は簡単に取れるものは少なくなってきています。行政書士の場合、試験勉強に必要な時間は平均500時間と言われています。また、社労士は1000時間と言われてます。

 それではこうした努力を積み上げて合格したとしても、士業の世界は資格をとってからやっとスタートできます。そこからは実務に関する勉強が必要になってきます。そして一回勉強したら終わりではなく、時代に合わせて、ニーズや情報も更新されていきますから、常に最新に保っている必要があるわけです。つまり、ダブルラインセンスとなれば、当然、この維持補強すべき知識は格段に増えるのです。

 結局、大切なのはどんなサービスを誰のために提供したいかを明確にしておくことです。それを実現させるために、もしダブルライセンスが必要なら、頑張ればいいだけです。

まとめ

 ダブルライセンスは無いよりはあったほうがいいというのは確かにその通りです。ただ、それを得るのにも努力が必要、それを維持するのにもかなりの努力が必要です。そのため、メリットは一体何かということをしっかりと考慮しつつ、投資効果なども見極め、本当に必要かどうかは自分自身で判断しましょう。



おすすめの関連記事


関連記事