クライアントの業績を上げるのが仕事! 顧客の8割を黒字にする菅原税理士のやり方

・父親の事務所から独立

 
まずは、簡単に自己紹介をお願いします。
 
もともと父親が税理士だったので、小さいころから税理士になりなさいと洗脳されて育ちました。ただ、勉強をはじめたのは高校を卒業してからですね。専門学校で勉強し、26歳で父親の税理士事務所に入社。29歳で税理士資格を取得しました。
 
その後、三重県の鈴鹿で、父親と一緒に税理士法人をつくったのが32歳の頃です。私が代表になりましたが私自身は3年間代表を務めて独立しました。今から5年ほど前の話です。
 
父親も世代交代というのは意識してくれていたとは思いますが、何十年もの経験で培われた事務所経営と、私が目指すこれからの事務所経営とはかみ合いませんでした。
 
独立した当時は、税理士業界でも噂になりましたね。「あそこは親子の縁が切れたみたいだ」と。実際に方針が合わなかったというのはありますが、私が独立してからのほうが父親とは仲はいいですね。毎年2回は一緒に旅行に行く仲です。
 
 
お父さんの事務所と菅原さんの事務所とでは、何が一番違いますか?
 
お客様の業績を上げることにこだわっているかどうかですね。黒字にならなければ僕たちの責任だ、というような勢いでやっています。事実、8割ほどのお客さんは黒字です。私たちは税理士事務所と思っていません。コンサルティング会社です。
 
税理士業界に入ってガッカリしたのは、税理士がお客様の業績にこだわっていなかったこと。中小企業の経営者から相談を受けている税理士が、業績を上げる役割を果たしていなかった。それなら、税務にこだわる必要はないな、と。
 
そう思うようになったきっかけは、船井総研の勉強会に参加したときです。船井総研の担当者が「税理士さんが中小企業の経営者にきちんとアドバイスをしないから、私たちのようなコンサルタントの仕事が成り立っているんです。本来は税理士さんが経営のアドバイスをすべきです。もっと経営の勉強をしてください」と言われて。
 
それからは、経営や経済についても勉強するようになりました。事業計画から徹底的に提案して、ガッツリ中に入り込んでいくようなイメージです。そのようなサポート体制が口コミになり、弊社に来られるお客様のほとんどは、税務申告の依頼ではなく、会社の業績を良くするための相談です。最近はセカンドオピニオンの依頼も増えてきています。
 
加えて、ワンストップにもこだわっています。社労士や司法書士が同じ事務所内にいること。しっかりと意思疎通をした上で、正しい提案をする。ただの提携ではなく、お客様のことを考えたワンストップのサービスを提供しています。チームでコンサルティングを行うことをコンセプトとしているため情報共有も欠かしません。
 
 

・税理士の枠を超えて

 
開業から5年が経過し、現状はいかがでしょうか?
 
スピード感としてはまだまだですね。今、12名でやっていますが、私だけが目立っている感じです。私は他のメンバーが私と同じぐらい表舞台で活躍してほしいと思っていますが、現状、他のメンバーをそのステージまでに上げていく難しさを痛感しています。
 
もちろん、素晴らしいメンバーに恵まれているとは思います。私ができない仕事をサポートしてくれるので、私が活躍できるのだと感謝しています。ただ、スピード感の問題で言えば、まだまだではないでしょうか。また、僕が表に出過ぎていたせいか、お客様から僕ばかり指名されてしまうのも問題だと感じています。
 
また、会社が東京、名古屋、三重にあるので、東京と地方での情報格差にも気をつけるべきだと考えています。メンバー間でクオリティに差が生じてしまうのも良くないことだと思いますし。
 
 
今後についてのお考えはありますか?
 
「税理士の枠を超える」というのが1つのテーマです。その上でワンストップにこだわりたいですね。あくまでもチームで対応する。大手事務所さんにもいろいろな士業の方がいますが、ほとんどは縦割りです。それでは総合力を発揮することができません。
 
そうではなく、弊社では完全にチームでサポートすることベースに動いていくつもりです。社内ではつねに「情報共有を怠るな」と言っています。
 
今いる司法書士は、もともと私のブログの読者でした。司法書士になる前から私のところで働きたいと言ってくれていて、他社で経験を積んで入社してくれました。
 
社内には社労士もいますが、私の考えを伝え、私の考えに賛同してくれなければ入らないほうがいいと伝えています。たとえば、福利厚生についての考え方とか。今後は新卒採用がメインになると思うので、イチから、私の考え方を伝えるようにしています。
 

・永続できる会社をつくるために

 
 
税理士業界の課題などはありますか?
 
食べていくために必要なのかもしれませんが、それでも、値段を下げ過ぎのような気がします。自分たちの価値を下げてしまっている。飛び込み営業をしている税理士もいますが、普通、そんな税理士に頼みたくないですよね。
 
作業をして、その手間賃を報酬としていただくという日本人独特の労働対価型ではなく、知識を提供しただけできちんとお金をもらえるようなビジネスを構築しなければならないと思います。
 
月額報酬が20万や30万で喜んでいてはいけません。先生と呼ばれる人たちが、会社の新入社員と同じぐらいの給料だったら先生じゃありません。食べていけるかどうかということばかり考えていてはダメなのです。
 
全てのお客様に黒字になってもらい、永続する会社をたくさんつくっていく。そういった強い想いのようなものが根っこにあるべきですよね。私自身、経営者の勉強会を主催しているので、人脈も増えてきました。すでに丸7年、来月で84回目になります。
 
勉強会に参加してくれている経営者に話を聞くと、「顧問税理士が全然アドバイスをくれない」と言っています。加えて、経営について学びたい方も多い。
 
結局、起業する人のほとんどは、経営についてあまり知りません。だから数年で廃業に追い込まれてしまう。しっかりと知識を身に付けてから起業すれば、結果は大きく変わります。ですので、将来的には経営の専門学校つくりたいと考えています。
 
そのように、税理士の価格もどんどん下がっている以上、通常業務だけをしていてはダメです。国から与えられた仕事をするのではなく、税務の知識を生かした付加価値のあるサービスを提供することが大切だと思います。
 
あとは、最新のツールなどにも敏感になるべきですよね。弊社ではチャットワークやMFクラウド、Google Appsなどのクラウドツールを使っていますが、未だに電話やファックスをメインに使っている税理士の方もいますから。それで、言った・言わないでもめている。
 
チャットならすべて記録が残ります。情報共有もスムーズです。業務の引き継ぎに関してもスムーズです。そのような工夫を重ねることで、結果的に顧客満足にもつながります。
 
 

・資格で仕事をしないこと

 
ありがとうございます。最後に、読者へのメッセージをお願いします。
 
まず、作業屋にならないことですね。ITを使えば、業務の幅が広がり、スピードも速くなります。プライベートではITを使っているのに、ビジネスで使わないのはおかしい。使えるものはどんどん使うべきですね。
 
あとは、どんどん新しいことにチャレンジしていくこと。ベテランが新しいものに鈍いと、若者が離れてしまいます。「こんな古い体質のところで働きたくない!」、と。
 
ですので、若者の感覚をもつことも大切です。時代から取り残されてしまわないように。士業はとくに、いつまでも古い体質を引きずってしまう傾向がありますから。
 
また、価値を下げ過ぎないことも大切です。年間に何件の受注をいくらでしたか、というのではなく、お客様の業績をどれだけ伸ばせたかという指標に切り替える。そもそも、単価を下げればいくらでも受注できるのですから。
 
その上で、本当に士業に求められていることは何なのかを考えてほしい。業界全体の価値を下げないためにもです。
 
少なくとも、資格で仕事をしないこと。資格はあくまでも武器です。弊社で言えば、お客様の業績をどうやって上げるかを考えて、そのために資格という武器を使用しているだけ。「税理士だからこの業務をやるべき」という感覚は、はじめからありません。
 
税理士も、はやく自由化するべきです。古い体質をどんどん捨てないと。自分たちの職域を侵されることにビクビクしていても仕方ないですから。むしろ、自由化によって競争原理がはたらけば、市場が活性化するのではないでしょうか。
 
結果的に、サービスの質が高くなり、質の低い人は淘汰される。それがお客様のためにもなる。そのような流れは必然だと思いますね。
 

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