<第2回>父親の士業事務所を事業承継!?その理由とは

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<第1回>40年続く士業事務所のスタートとは?

軌道に乗るまで10年


【ミカタ編集部】
順調にお客様が増えていってとても苦労したというよりは、40年間やっていく中で大変だったことは何でしょうか。

【所長】
そういう意味では今と違って会社にしても、組織が出来ていないことが中小は特に多かったので、まずは売上という企業もありました。今よりもはるかに脱税的に、そういう感覚はないにせよ結果的にそういうことになるような売上第一主義というようなこともありました。数字はよいのですが、会計はかなりいい加減という企業もありました。今は世の中が落ち着いてきて変わってきていると思います。そういう部分では非常に怖いという部分もありました。仕事を受けたはいいけれど、どうしようということがありました。いくらこれはまずいですと言っても平気でどんどん進めてしまったりする会社さんもありました。

勤めている時は局の査察にやられたり怖い目にあったりもしました。独立してからはそこまでの経験はしていないですが。

【ミカタ編集部】
事業を始めて軌道に乗り始めたと感じたのは何年目で、どれくらいたってからなのでしょうか。

【所長】そうですね。5年経過して10年過ぎでしょうか。なぜかと言いますと、TKCの仲間がいてまだお金も稼げない段階だったのですが、TKC関連でアメリカに10日間位研修に行きました。向こうの会計事務所で5万人位いる大きい会計事務所でした。ロサンゼルスでは一棟のビルの中に5000人位の会計士がいるというところでした。そういう所の見学をさせてもらいました。そこの方たちと意見交換をしました。さらに、アメリカへ行った仲間5人程と帰ってきた後に全国の大きい事務所を行脚しました。九州から北海道まで10事務所位見せていただきました。そのようなところから仲間が出来ていきました。そういう仲間と情報交換をすることが軌道にのったきっかけでした。

【ミカタ編集部】
たくさんの場所を見られて情報交換されたのですね。
10年で軌道に乗り、そこから30年位が経っていますが40年続くというのは相当難しいことだと思うのですが、出来ている秘訣や要因はどこにあるとお考えでしょうか。


【所長】
一つはやはり地域の人にいかに接触できるかだと思います。そして信用していただけるような対応をしなければなりません。仕事としては解釈の問題で塀の中に入るのかそうでないのかが変わるのですが、新聞で出てくる脱税などについては、「こちらに行くとこうなりますよ、今までたまたまよかっただけで分からないですよ」というような話をお客様にします。人間的にある程度信用していただき、対応するように心がけています。

【ミカタ編集部】
お客様に信用していただけるというのは、本当に大切ですよね。
40年間やっていく中でお客様自体が、事業承継などで廃業されていくこともあったり、うまくいく企業もあるかと思います。お客様のサポートをされてきてどういう所に違いがあるのでしょうか。

【所長】
やはり若い人たちというか、お客様も波長もありますし年齢もありますし、事業承継するか廃業するかという課題を抱えている企業は多いです。時代の流れもありますが、企業として30年同じ仕事でやっていくのは難しいとは思います。私たちがやっていたところで廃業するか、赤字もありましたが借入もあり清算できずやむを得ずやっているという所もありました。清算したり事業承継したりという企業も多かったです。新しいお客様は年齢的に合いませんので我々の時代は終わっているのかと(笑)

中小企業に関わる仕事がしたい


【ミカタ編集部】
そのような意味でも副所長が入ってきているというのは、事業承継されていくのかと想像したのですが、差支えない範囲でお話しいただけますでしょうか。

【所長】
息子は、正直仕事も違うので承継ということは考えていませんでした。
私は今まで、お世話になったところに恩返しながらやっていこうと考えていました。規模の拡大などは考えず気楽に目の届く範囲でやればいいと思っていました。そこでたまたま息子がやるという話になりました。その辺の詳細はあまりわからないですね。笑

【ミカタ編集部】
意図的に何かを考えていたということではないのですね。
副所長様に聞きますが、公認会計士を取られたというのは何か理由や実家で税理士事務所をやっていることが背景にあるのでしょうか。

【副所長】
そうですね。やはり働いている姿を見ていますので、そういう職業があるのかと考えていました。そこでサラリーマンになるのかそれ以外になりたいのかと考えたときに、それ以外の独立の道に行こうとは思いました。
決断のポイントとしては、前職の関係もあり、中小企業に関わる仕事がしたいというのが原点です。その時に一番よいのが税理士業かと考えそれでやろうと思いました。そして父親の事業をつぶすよりは引き継いでやっていこうと思いました。すでにお客さんもいるわけですから、その方たちに引き続きサービスを提供できればいいと考えました。

【ミカタ編集部】
今は新規開拓をされているということですが、どのような取組やお客様のサポートをされているのでしょうか。

【副所長】
今の私のお客様は若く、自分より年下ということも多いです。その方たちは何も管理系のことを知らずに独立していることが多いです。それでも売上を作って利益を出しているのですごいのですが、管理面は全くなので、コツコツと教えながらやっています。そして信用してもらって紹介していただくことが多いです。やはり若い人たちの周りには独立したい人が多いですからね。

【ミカタ編集部】
会計士や税理士の知り合いが多いのですが、それだけではなく実際にベンチャーの中でやっていた経験は他の方とは違う強みになっていると思うことはありますか?

【副所長】
実際の経理業務や銀行対応を経験したことは大きいです。外部からアドバイスをするのと、実際に中で担当するのではやはり立場が違います。また、細かい話なのですが銀行のネットバンキングの使い方、支払いまでの業務フローなど、一回触ってみないと分からないところが多いと思います。実作業の話は実際にやったことがないと分からないことが多いので、現場担当者レベルに視点に立って話ができる、その辺は強みかなと思います。

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