<第3回>仕事を通じて人生をどうしたいか

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第1回の対談記事(会員登録なしで読めます)
<第1回>行政書士の先生とのつながりで仕事を掴む

仕事を通じて自分の人生をどうしたいかが一番大事

【ミカタ編集部】
お話戻るのですが、ボイストレーニングの方では今何名くらい雇用されていますか?

【天野氏】
今は10人です。

【ミカタ編集部】
今後事務所を大きくしていく上でも、組織論は本質的に一緒だと思いますが、スタッフに継続してもらうために天野先生が意識的に取り組んでいることはありますか?

【天野氏】リクルートでも、「企業ありきではなく、仕事を通じて自分の人生をどうしたいかが一番大事」ということを伝えています。仕事を通じてどうしたいのか。ざっくり言えばお金持ちになりたいとか、海外旅行に行きたいとか、単純に家計の足しにしたいとか。あとはその人の年齢や立場によって考えも日々変わると思います。いずれにしても仕事を通じて実現したい人生をよく考えてもらいます。でも私も自分の夢や目標があるので、その重なる部分が多いから一緒に仕事をする、というスタンスでやっています。重なる部分が小さくなって辞めてしまうといったらショックだし、経営的にも痛いですが、ごまかして止めたところで本人が本当に幸せにはなりません。とにかく仕事を通じて自分の人生をどうしたいかを、特にそういう考えを持ったことがないパートさんにはよく言って考えてもらうようにしています。あなたにも目標がある、私にも夢がある、重なる部分があるから一緒にやりましょう、と。そういう方がスタッフも仕事に対して本当に意欲的になれるのです。本当の幸せを得られる。

お客様目線を大切にしたスナック経営

【ミカタ編集部】
内側から動機づけられるといいますか、それこそ「好きこそものの上手なれ」ですね。好きだからこそアイディアが出て来たり、そういうところにつながってきますね。実際に天野先生がお持ちの夢や目標を教えていただけますか?

【天野】
 中国に関しては日本一の事務所にしたいですし、本気で音痴を治すボイトレ教室を作りたいです。この先1、2年で言えば、会計事務所ももっとクライアントを増やし、ボイストレーニングもあと2、3校増やして、もう一つくらい新しいビジネスもやりたいと思っています。

【ミカタ編集部】 
新しいビジネスというのはどんなものを考えていますか?

【天野氏】 
今考えているのは、スナックか飲食店です。スナックが今のところ有力です。

【ミカタ編集部】 
天野先生が作るスナック、面白そうですね。

【天野氏】 
完全に100%自分が欲しいものになります。ふざけて言っているわけではなく、よくお金持ちが道楽で作る会員制のバー、採算度外視とかでもなく、本当に客目線で欲しいと思えるお店です。気持ち良く歌えて、寝る前にカロリーを気にせずにちょっと食べれる料理を揃えたり。いろいろ工夫して自分が欲しいスナックを作ろうと思っています。

【ミカタ編集部】 
スナック経営はすごく不思議ですよね。地元のスナックを見るとあまりお客さんがたくさん入っているイメージがありませんが、ずっとあるじゃないですか。きっとそこに通ってくださる常連さんがいるんですよね。結構一見さんお断りみたいな雰囲気もありますよね。

【天野氏】 
私も好きで結構行くのですが、本当に満足できるスナックがなくて、サービスが悪いとか、機材はいいものがあってもボリュームが小さかったり、スタッフの女の子の歌が下手だったり。ボイトレ教室の先生は、音痴が歌っていても指パッチンくらいでリズムを整えて歌
わせてくれます。ちょっとピアノを弾いてくれると気持ち良く歌えます。スタッフがそういうことができるスナックにすることも考えています。

【ミカタ編集部】 
ボイストレーニングでしっかり教えながら、歌に近いところでフォローに入るみたいなところですね。ありがとうございます。では、最後に天野先生からこの記事を呼んでいる方に、学びや成長につながるメッセージをいただきたいと思います。

【天野氏】
そんな偉そうなことは言えません。もっと大きい事務所はたくさんありますからね。やっぱりもうちょっと大きくなってからですよ。

人としてあるべき姿を大切に

【ミカタ編集部】 
中には開業したての方やこれから開業する方も見ていますし、開業して4,5年経っているけれどなかなか事務所がスケールしていかないという先生方もいらっしゃいますので、お願いします。

【天野氏】 私が経営をする上で気を付けていることが3つあります。一つはアジアです。このアジアの流れは乗らない手がありません。実際クライアントの四分の一くらいしか日系企業はありません。中国はこの2,3年で一気に大半を占めていますし、ミャンマーへのアウトバンドは、さらにそのインバウンドを上回るペースでクライアントが増えています。このアジアの流れは、好き嫌いではなく、絶対に乗らないといけないと思っています。もう一つはIT化です。よく言われるように、入力作業は付加価値がなくなっていくのでいかにコンサルをするかが大事です。今、業界的に見ると、入力の自動化にばかり焦点が行っていますが、年商数十億円、小さくても十億、二十億円の会社なら自動入力が当てはまるケースもあると思いますが、それ未満の中小企業が圧倒的に多いじゃないですか。ベンチャーですと。そういう会社は会計ソフトの自動の取り込み機能などはあまり当てはまりません。それよりも、毎月決まった資料を出してもらうとか、コンサルというか指導というか、その気にさせるというか、そういったことの方が圧倒的に大事です。当社の場合は、その入り口のコンサルの部分、毎月きちんと資料を出してもらうというところを私が全部やって、送られてきた資料は在宅のパートさんに送って入力に特化してもらっています。申告書は、大手でマネージャーまでやったパートナー税理士に任せています。彼は本当にプロの税理士なので、2~3時間あれば中小の申告書をチェックして、直して打ち出すところまでを一気にできます。私は入口のコンサルの部分と毎月の報告、入力はパートさん、申告書は本物の税理士、というのを徹底して分業しています。これをやると、ミャンマーとボイトレをやりながらでも、60件は担当できます。多分今後の社員も、一人で40件は担当できるはずです。会計業界は一般的には、一人の担当者が20件を持っていっぱいですが、そういうのも効率よく改善できると思っています。私はそういう形でIT化の流れに対抗するというか乗るというか、そこは気を付けています。

【ミカタ編集部】 
分業制はすごく大切ですよね。一人一人が得意分野をやることによって、一人で60件見ることができるのですね。

【天野氏】 
クラウドや自動読み込みの流れが強いですが、それにすごく違和感があって、少なくとも当社のクライアントにはそんなものが当てはまる会社はほぼないと思います。これでIT化の流れに乗れるのかと心配になります。

【ミカタ編集部】
むしろ超アナログ、みたいなところですか。アナログはアナログで、人とのコミュニケーションなどいいところがありますからね。良し悪しがありますね。

【天野氏】
三つ目に気にしているのが、人として自然な方向に世の中がどんどんなっていくということです。戦後や昭和の時代は企業ありき、会社第一で来ていたのが、今はそういったことがだんだんなくなっていて、大手でもテレワークを始めたり、違法残業やブラック企業が話題になったりしています。このように、私は、人として自然な方向に行く大きな流れがあると思っています。中国人や歌の先生は特にそうなのですが、若い世代はメールなんか使いません。「お世話になります。○○です。」なんてやりません。出来上がった仕組みを守るには日本式の仕事スタイルはいいのですが、そのひずみが今たくさん出てきていると思います。当社のスタッフはみんな在宅で、子育てや親の面倒を見ながら仕事をしています。人として自然に、というと、基本家にいて、たまにオフィスに来るくらいがちょうどよく、しかもオフィスに来る時間もその日の状況や調子に応じてバラバラで、といった形のほうが自然だと思います。私も調子が悪い日は家でゆっくり寝ていたり、気分が乗らない時は昼間からカラオケに行ったり。どんどんそういう、人として自然な方向にいくと思います。私もマネジメントの仕方、採用の仕方において、人としての優先順位を意識しています。私の中で、仕事をする上で大事なことは「家族への愛情」です。とにかく家族。今、日本だと、一生懸命仕事をして疲れて、普段営業をたくさんしているのに、週末になると奥さんとの会話が成り立たない人がたくさんいます。そんなものはおかしい。まずは全力で家族で、奥さんも幸せ、子どもも幸せ、余力があったら次に会社の同僚に気を使うべきで、さらに余力があれば仕事です。この順番が自然だと思います。人として。

【ミカタ編集部】
幸せになるために頑張っているはずなのに、身近なところを蔑ろにして外へ外へというのは逆に疲れてしまって本末転倒ですね。

【天野氏】
だからスタッフに対してモラハラ、セクハラ、鬱になるまで追い込むというのは考えられません。自分の子どもや好きな人をそんなに追い込まないですよね、絶対に。とにかく人としての順番が大事です。採用についても、能力よりも、人として好きになれるかどうかを重要な基準にしています。好きになれれば愛情も注げるので、とにかくその順番ですね。

【ミカタ編集部】
素晴らしいお話をありがとうございました。本日はCVC会計グループ代表の天野正康先生にお越しいただきました。

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