<第1回>顧客満足度を上げるために、経験と知識で勝負

精神科クリニックにて精神保健福祉士として依存症治療に携わり、当時の経験を活かしながら、講師業そして社労士として活躍されている秋葉原社会保険労務士事務所代表、脊尾大雅氏にお話を伺いました。

プロフィール 脊尾大雅

【経歴】
1976年生まれ
2001年 都内精神科クリニックにて、精神保健福祉士としてアルコール依存症の治療に携わる。
2007年 EAP専門会社 入社。契約法人従業員及び家族の相談、管理監督者、人事労務担当者へのコンサルテーション、企業での研修を実施。
EAP会社内では、衛生管理者や就業規則や各種規程整備を担当。衛生管理者としては、働きやすさ追求のためにハード面の整備に取り組み、雇用の整備として、短時間正社員制度の導入に携わる。また、本社EAP相談室長として社内の労務管理も行う。
2016年 秋葉原社会保険労務士事務所 開業
*2008年からは、EAP会社に所属しながら精神保健福祉士養成校講師を行う。

【著書】
「メンタルヘルス対策 はじめの一歩」出版(公益財団法人産業医学振興財団)
(共著)(2014)「新ストレスマネジメントハンドブック3 依存(アルコール、ギャンブル、ゲームなど)(2016)
近年は東京都医師会 『産業医の手引き第9版』(2017)にも執筆をしている。

対談スタート

社労士目指したきっかけ

【ミカタ編集部】 
こんにちは。本日は、秋葉原社会保険労務士事務所代表、脊尾大雅さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

【脊尾氏】 
よろしくお願いします。

【ミカタ編集部】 
早速ですが、脊尾さんのプロフィールを教えていただけますか?

【脊尾氏】
20代の時に精神科のクリニックで勤務をしておりまして、アルコールやギャンブルの依存症治療に携わっていました。30歳のときにEAPの機関に転職し、39歳のときに秋葉原社会保険労務士事務所を開業して今2期目です。

【ミカタ編集部】
社労士を目指されたきっかけはなんでしょうか。

【脊尾氏】
精神科勤務時の話からつながってくるのですが、精神科をはじめとし、医療機関は調子が悪くなるから通うものです。しかし、病気によっては病院に来た時点でもう遅いということもあるので、病気にならないためにはどうするかということを考えなければなりません。そこで予防的なことをやるためにEAPの機関に移り、実際に予防的なことをいろいろやりました。今ももっとできることはあるのだろうと思います。一方で、人との関わりや組織への関わりの中で、もっと根本的な、会社の在り方や枠組み、制度に直接的に着手をするという面では、カウンセラーやコンサルタントとしてでは限界があると感じました。効果がないわけではなく、部分的にはとてもよいと思いますが、私がやりたいことはトータルでどうなっていくかということだったので、社労士として就業規則や助成金などのツールを使って会社の外枠をどう整えていくかということも考えていく必要があると思いました。

【ミカタ編集部】
脊尾さんは講師業もされていると伺いましたが、どういった取り組みをしていらっしゃいますか?

【脊尾氏】
主に公開研修と企業研修の二つに分けて考えています。公開研修は、不特定多数の方がいらっしゃって一般的なことを理解してもらうものです。具体的には商工会議所や職能団体、例えば○○協会だとかの依頼が多いですね。そこでやることは企業で生かしやすいエッセンスを抽出していくので、人によっては過不足があります。もうちょっと深く聞きたいという人もいれば、わからないとか難しすぎるといったこともあります。公開研修はあくまで多くの人に広めていく、という目的です。企業研修は先ほど言ったように「外枠をどう作るか」というためにやっていくのですが、企業研修は価値が高いと思っています。理由は、企業の現状を反映した内容にできるということと、個別の対応よりは会社全体のメッセージも含めた目線合わせがしやすいことです。「うちの会社ではこの事案をこう考える」とか、そういうことができるので、企業研修は比較的行っていった方がいいと思います。その二つ(公開研修と企業研修)で、同じ講師と言っても立ち位置が違うという感じです。

【ミカタ編集部】
企業研修や公開研修をやろうと思ってもすぐにできるものではないと思いますが、どのようにして企業を見つけていったのですか?

【脊尾氏】
先ほど申し上げた公開研修が一つです。商工会議所や地域の集まりに加盟したりし、そこの方とつながって一回二回研修させていただき、参加者の方が「うちでやってほしい」と言ってくださる流れがあります。あとは同業の方や異業種の方がやっている勉強会などに行って同じようにやっていくことによって、うちのお客さんになったりすることもあります。

【ミカタ編集部】
先ほど商工会議所でも、ということをおっしゃっていましたが、それももともとつながりがあったのですか?

【脊尾氏】
商工会議所の会員になった後に縁があって研修担当の方と会ったので、「こういうのをやりたいのですが」とプレゼンしました。それに関しては依頼があったというよりも、依頼がもらえるようにこちらから売っていったということです。

【ミカタ編集部】
営業をかけたということですね。同じような研修やコンテンツを売っている社労士の先生は多いと思いますが、脊尾さんがそれだけ講師業をできているのはなぜでしょうか。

【脊尾氏】
私の得意分野はメンタルヘルスやハラスメント、コミュニケーションなど労使トラブルに関することがメインですが、その分野だけの話で行くと、対策はある程度出尽くした感じがします。しかしもう一個踏み込んでいって、現状をどう変えていくかということについて(私は)、頭で勉強したことよりも、体感的に自分が経験したことを学術的に裏付けていって、深めていっているというのが実際のところです。前職のEAP時代にやったカウンセリングの件数は1万件単位なので、そこで得たことを実際に言われている理論やエビデンスにつなげて裏付けていって、「だからこうなる、こうしていく」という道筋を作っていけます。引き出し勝負のところはあります。そこまでやるとお客様の満足度が高い気がしますし、個別のお客さんから依頼も来やすいです。

【ミカタ編集部】
先ほどインタビューの前にお話していた際にも、そこまでやるなら日本で一番になれるだろうとおっしゃっていましたが、最初からそのポジションを目指していらっしゃいましたか?

【脊尾氏】
やってきたことの質、幅を考えると、確実に前職のEAP機関は日本の中でトップなので、そこでやってきたことが弱いとは思えません。10年やっているという時点ですごくアドバンテージがあると思いますし、社労士になってトレーニングを受けたということも、専門性をより磨いたというのが近いのかもしれません。もともといい武器は持っていて、それを磨き上げたというのが、今話しながら少し思ったことです。



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