<第3回>「この人にはこれができる」を作る重要性

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第1回の対談記事(会員登録なしで読めます)
<第1回>登録半年で開業、そしてネット分野専門に

第2回の対談記事
<第2回>従業員離職ゼロにする採用と教育

創業は元事務所の同期と

【ミカタ編集部】 
そういった弁護士のネットワークは一つの集客チャネルであったりもすると思いますが、繋がり作りという面で意識的にされていることはありますか?
 

【中澤氏】
集客をウェブに頼っているだけでは安定しないので紹介を増やしていこうと考えています。面識のない弁護士にいきなり案件を流すというのは、弁護士の業界的にはあまりないので、なるべくいろんなところに顔を出して挨拶ついでに自分のやっていることをアピールしています。
 
【ミカタ編集部】 
中澤さんはこれが強いというのがわかりやすいので、紹介も得やすいのだろうと思います。あとは最初二人で創業されたということですが、僕たちの会社も友達4人で立ち上げて、トラブルを乗り越えて7,8年やっています。今までお二人の関係は問題なくやっていらっしゃるのですか?

 
【中澤氏】
心配されますが、特に問題なくやっています。
 
【ミカタ編集部】 
その方とはどういった関係だったのですか?

 
【中澤氏】
最初に入った事務所の同期です。
 
【ミカタ編集部】 
では友達のような関係だったのでしょうか。

 
【中澤氏】
友達ではないですね。
 
【ミカタ編集部】 
なぜ一緒にやろうと思ったのですか?

 
【中澤氏】
何人か一緒に事務所を辞めたのですが、みんな人に使われるのは向いていないという話になり、最初は3~4人くらいでやる話があったのですが、ビジョンの違いがあって最終的に二人になりました。
 
【ミカタ編集部】 
何人かで始めてばらけて行く方がいる中で、最初から二人で始めて問題なく7年間やられていることが面白く珍しいなと思います。なにか心がけていらっしゃることはありますか?

 
【中澤氏】
あまりないです。お互い能力に信頼があるというのが大きいと思います。
 
【ミカタ編集部】 
経営上の意思決定はどうされていますか?

 
【中澤氏】
今は、一人アソシエイトからパートナーに昇格させた者がいるので、3人パートナー体制でやっています。月一でパートナー会議を行い、そこで正式な意思決定を行なっています。実質的には各自が拒否権を持っている感じで、誰も拒否しなければそのまま進んでいます。士業はプレイングマネージャーから抜けきれないことが多く、経営やバックヤード業務は後回しになりがちなので、やるといった人の意見はよっぽどでない限り進めてゆく方向が良いと思います。やらないよりは何かやるのが良いということです。
 
【ミカタ編集部】 
暗黙のルールになっているのですね。それでも絶対やる、と言って揉めたりはしないんですか?

 
【中澤氏】
反対があっても押し切る時はありますが、意見が分かれてどうのこうのというのはないです。すり合わせができています。
 
【ミカタ編集部】 
一人で立ち上げられる方と、二人三人で立ち上げられる方といらっしゃいますが、二人でスタートしてよかったと思う点があれば教えてください。

 
【中澤氏】
組織化して分業しても、トップでなければできない仕事があります。それを二人で分割できるのは楽ですね。あとは独立して事務所を作ると、とても寂しいのです。事務局を採用しても、弁護士同士で話さないとわからないこともあるので、話しながら進められるのは、特に経験がない時には安心感になります。間違いに気づくきっかけにもなります。私は、独立しようとしている人から相談を受けることも多いですが、、その時は法律実務について雑談できる人を作ったほうがいいと言っています。一人で独立する人も、何かしらリアルタイムで、LINEでもいいので仕事の話を雑談のようにできる環境をつくると楽ですね。
 
【ミカタ編集部】 
悩んで閉じこもってしまうとなにも解決しません。中澤さんたちはお互いの支え合いで困難を乗り越えていけたのですね。これまでとても順調に進んできていると思いますが、何か困難に直面したことはありますか?

 
【中澤氏】
結局、売上が思うように伸びないということですね。売り上げが伸びれば何とでもなると思います。幸い案件でトラブルはないです。 

 

一つの業務で専門性を持つこと


【ミカタ編集部】 
このメディアは、これから開業したい方や開業してから成長していきたい方が見ていらっしゃいます。そういう方にご自身の経験から伝えたいことやシェアしたいことはありますか?
 
【中澤氏】
経験がない状態で事務所を作りましたので、いろいろと辛かった認識があります。士業のクライアントは常に、「経験豊富」な「一流」の「先生」に依頼したいと思っています。独立したばかりのころは、そのような期待に応えられなことも多いともいます。ですので、とにかくなにか一つの領域を決めて、ある程度できる分野を作ることをしないと案件が来ないかなと思います。一つ決めて、それをやってから他にいく、という形でやり始めたほうがいいと思います。
 
【ミカタ編集部】 
成功率が高くなる要因はなんなのでしょうか。一点突破ですか?

 
【中澤氏】
上のレベルまでできるから先の見通しができるところもありますし、上に行かなければわからない感覚もあると思います。そして、この感覚は他の分野にも応用できるはずです。なにより、「この人はこれができるよね」ということがあると案件を紹介してもらえます。
 
【ミカタ編集部】 
一つの業務で専門性を持っていると、他の業務でも他の先生がいろいろ教えてくれます。こちらも教えることができるし、教えてもらうこともできますよね。

 
【中澤氏】
「専門」というと、他を切り捨てるイメージがあり、若手の弁護士などは一つの領域に特化せず、まずはいろいろな分野をやりたいと言う人が多いのですが、実際は逆です。専門分野を確立するとネットワークは広がります。そして、広がったネットワークの中には自分がまだ未熟な分野について自分より詳しい人がいくらでもいます。そのような先輩方に教えてもらえるようになると成長がすごく早い。とにかく、まずは教えてもらえる価値のある人間になるということですね。
 
【ミカタ編集部】 
最後に、このメディアを見られている方にメッセージがあればお願いします。

 
【中澤氏】
独立して起業するのに、私はこれしかできないと思ってやってきましたが、向き不向きがありますよね。勤め人として優秀でない人が逆に向いていることもあります。やってみないと向き不向きはわかりませんね。

【ミカタ編集部】 
今後ネット関係の業務ができる人を増やしたいとおっしゃっていましたが、詳しくお話しいただいてもいいですか?

 
【中澤氏】
ネットの問題に対処できる人がもう少しいないとまずいと思っています。自由に物が言えるところがネットのいいところだと思いますが、その結果いろいろ問題も生じて、傷つく人もいます。そういったときにきちんと事後的な対処ができるからこそ自由が保たれる。ネットを変な事前規制型の不自由なメディアしないようにこの分野に取り組む人が増えてくれたらいいと思います。
 
【ミカタ編集部】 
本日は弁護士法人戸田総合法律事務所代表の中澤佑一先生にお越しいただきました。ありがとうございました。 


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