起業を成功させるためのヒント/シニア起業へのエール

ポイント
  1. 知、行、徳、熱なくして成功なし
  2. 仮説のPDCAをフル回転
  3. スケールアップは「他人資本」の活用次第

起業を成功させるためのエール

日本では年間約30万人が起業している。しかし、10年後の生存率を仮に10%だとすると、27万人の起業家が当初の目的を達成しないままに終わっていることになる。

10%の起業家が持ち合わせて、90%の起業家が持ち合わせていないもの…生存の可否を分けるものは何だろうか?

長年、金融機関に勤め、多くの中小企業経営者と接してきた経験から、「事業を継続できる人・できない人」というのが感覚的ながらも見えてくるものがある。

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【知、行、徳、熱なくして成功なし】

事業を継続できる経営者の資質について、いくつかのパターンを示してみよう。

「知」があるか
自らの専門的な知識や業界情報のみならず、社会全般にわたっての知識や情報を持っているか?

「行動力」があるか
自らの事業に関することに率先して“首を突っ込む”行動力がなければならない。体を移動させる"行動力”だけではなく、“考える行動力”も旺盛でなければならない。

「徳」があるか
“徳”といっても、難しいことを学べというのではない。「この人なら安心して付き合える」という感情を相手に抱かせる行動パターンを持っているかどうかである。

・約束は必ず守る
・相手の心情を理解しながら話をしっかり聞く(対面する)
・笑顔を絶やさない
などが一例となる。

「熱」があるか
起業する際に描いた事業理念(事業を通じて成し遂げたいこと)をやり抜く熱意は十分か?この熱量は必ず相手に伝わる。本気度”が相手の心を動かす原動力である

【“仮説”のPDCAをフル回転】

事業は“仮説”から始まる仮説はそれだけでは事業にとっての“真実”ではない

あなたが作った商品やサービス()が社会にとって本当に必要なのか?誰が求めているのか?既存の商品・サービスと代替が可能なのか?…など、仮説が正しいかどうかを具体的に社会に問わなければならない()。そして社会の反応を評価して()、商品やサービスを社会に受け入れやすいものに改良していく()。

このP→D→C→Aをいかに早く多く回せるか?で事業の成功度が違ってくる。

【スケールアップは“他人資本”の活用次第】

事業を続けていく上で、経理面(財務)の知識は必須である。事業を“お金”の視点から見極められなければ、事業は続けられない。いくらあなたの商品やサービスが社会に認められ、必要とされるものであっても、事業でお金がなくなれば商品やサービスを社会に提供できなくなり、事業は終わってしまう。お金の出入り損益財産状況がどうなっているか、どうもっていけばいいのか、といった知識が経営には求められる。

財務の視点から言えば、企業の財産(資産)は、自己資本(自ら用意した資金と利益の蓄積)と他人資本(他人から借入した資金と支払を待ってもらえる信用)で成り立っている。事業を大きくしようとするとき(=資産を増やす)、自己資本は大抵すぐに増やせない。そんなときは他人からの資金(信用)が必要となる。逆に言えば、他人資本を活用すれば事業をより拡大できるのである。(レバレッジド効果と呼ばれる)

一方で、気を付けておくべきことは、他人資本を取り入れるとそこには必ずいつか支払わなければならない約束(債務履行期限)が生じる。この約束が守れるように資金をしっかり管理しなければ、債務不履行が発生し事業は終わってしまうという大きなリスクが潜んでいる、ということである。

このことをよく理解して、積極的に他人資本を取り入れる(リスクテイクする)ことが、事業のスケールアップに不可欠な要素である。

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【最後は人間力】

起業が成功するためのポイントをいくつか挙げてみたが、行きつくところは経営者の“人間力”である

・自身の社会的課題に対する“想い”がどれだけ強く、熱いか?
・世の中の“困っている人”を幸せにしたい!との“想い”がどれだけ深いか?
・諦めない、やり遂げる“覚悟”がどれだけ固いか?
・どれだけ多くの人を“愛し、愛される”か?

他人から思わず手を差し伸べられる“人間力”があるかどうか、で起業の成否は分かれる。シニアの皆さんは、これまで勤めてこられた企業の中でどのような人間関係を構築されてきたのだろうか?社会の中でどのようなコミュニティを形成されてきたのだろうか?

肩書や名声だけでない“素の自分”が周囲からどれだけ認められ、仲間づくりができただろうか?この仲間が多ければ、あなたの起業はきっと成功するだろう。自信をもって起業に進んでいただきたい!

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著者プロフィール

西田 隆行

中小企業診断士。1980年大学卒業後信用金庫に勤務。中小企業や小規模事業者へ資金繰りや財務のコンサルティングを行っている。また地域の中核企業、老舗企業の再生に深く関与。「事業を継続するための財務戦略」をメインテーマに活動している。2017年12月から、日本最大の起業・開業・独立者向けポータルサイト「助っ人」(www.suke10.com)の編集チームで、主に「銀行とのつきあい方、資金調達、事業承継」をテーマとしたコラムを担当している。