意匠登録は商標登録と、どう違う?そこに係る侵害とは何か

ポイント
  1. 意匠登録とは何なのか?基礎的な知識の解説
  2. 商標登録との違い
  3. 意匠権・商標権に関する侵害について

商標登録は、なんとなく知っているが、意匠登録(いしょうとうろく)は聞いた事がないと言う方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?

更に、商標登録侵害する場合や、意匠登録侵害する場合と言うものがあります。

今回は、意匠登録とは一体何なのか?また、商標登録とはどのような違いがあるのか?

そして、そこに係る侵害とは何か?を総合的にまとめて解説させて頂きたいと思います。

意匠登録と、商標登録の違いについて

まず始めに、意匠登録と、商標登録の違いについて、それぞれ解説をさせて頂きます。

先にご理解頂きたい事としては、意匠登録と、商標登録と言うものは全くの別物であると言う事です。

例えば、商標登録の中に、普段あまり聞きなれない意匠登録が存在していると言うわけではなく、それぞれで独立した登録の形態となります。

ですので、意匠登録であれば意匠法と言う法律によって保護される事となり、商標登録であれば商標法と言う法律によって保護されるカテゴリーに分かれる事となります。

まずは、こちらをしっかりと頭に入れておきましょう!

◆意匠権について

先に意匠権から解説をさせて頂きたいと思います。

意匠権と言うのは、デザインを保護する制度となっており、私たちが常日頃、生活の為の買い物として、着る物を買ったり、家電製品や自動車の購入等をする場合には、その物の値段や、その商品等を使うとどのように便利であるか?等の機能についてだけ考えて購入するのではなく、その物自体のデザインについても購入をするかどうか?を決める重要なポイントとなるのではないでしょうか?

そのデザインを保護する制度が「意匠権」と言う事になります。

ですから、例えば、洋服を購入するとして、その機能性や、着心地等は気に入ったけど、描かれていたプリントのデザインが全く好みでは無かったと言う場合、購入をするか悩まれるのではないでしょうか?

このように、デザインと言うのは、デザイナー等が大きな労力を費やす事によって、商品が生み出されるわけですから、そこにはデザイナーが生み出した価値と言うものがあります。

それを簡単に真似されてしまい、同じような商品が売られる事になれば、経済的にも価値としては大損害を受ける事となってしまうのです。

そこで重要となるのが「意匠権」と言う法律によってデザインを保護し、同じような商品や、真似された商品を作り出させない為の権利を設けていると言う事になるのです。

◆商標権について

上記では意匠権について解説させて頂きましたが、では商標権と言うのは一体どのような権利なのでしょうか?

商標権と言うのは、意匠権がデザインに対する権利であるのとは違い、商品自体のイメージや、サービスを目印にしているものを保護する制度となっております。

商標権は役務と言うサービスや、商品の中から、その物自体のブランドや、イメージ等を表している目印となります。

この目印を保護する為の制度が「商標権」なのです。

勿論の事ながら、商標法と言う法律によって守られている制度ですから、登録をした商標を勝手に使用する事はできませんし、もし使用した場合には使用停止の請求を行う事が可能となっております。

また、悪質な場合に至っては、刑事罰となる場合もある為、注意が必要です。

意匠権の特徴について

では、より詳しくご理解頂く為に、意匠権について、その特徴を合わせ、もっと深く見て行きたいと思います!

まず、意匠権には登録要件と言うものがあり、それは大きく分けて4つに分類されております。

◆工業的利用性

工業用の利用が出来る品物として利用できる物であり、一品もの等のデザインについては対象外となります。

◆新規性

まだ発表されていないか、発表されてから6ヶ月以内のデザインに限られています。

◆創作の非容易性

誰でも思いついてしまえるような簡単なデザインではない事が求められます。

◆先願性

簡単に言うと、早い者勝ちと言う意味であり、すでに意匠権として登録されている物と同じデザインや類似したデザインに関しては、出願しようとしても意匠権を取得できません。

意匠権とは、デザインを保護する制度だと申し上げましたが、これの対象となるのは、量産をする事ができる工業製品となります。

ですから、植物や石等の自然の物や、彫刻や絵画等の芸術的な物については「量産をする事ができる工業製品」には該当しませんので、意匠権の保護をする対象には含まれません。

更に、意匠権において、保護される対象となるものは視覚を通じる物だけとなるのです。

つまり、目を通して見る事ができる物と言う事になります。

ただし、具体的な意味を持つ事になる文字に関しては、保護対象ではありません

デザインを保護すると言う意味で、もっとわかりやすくイメージして頂く為に、例を上げておきましょう。

皆さんは、本田技研工業株式会社をご存知でしょうか?

多くの方が、「HONDA」や、「ホンダ」と言えば・・と推測できると思います。

HONDAでは、多くのバイク等が販売されておりますが、その中に「スーパーカブ」と言うオートバイがあるのを皆さんの中でも知っている!と言う方は結構いらっしゃると思います。

このスーパーカブなのですが、HONDAは意匠権を取得する事によって、同じような模倣品を排除しています。

確かに、スーパーカブは、特徴的な見た目から、そのデザインを気に入って購入される方も結構いらっしゃると思います。

このデザインを保護する為に、意匠権と言う法律制度を利用していると言う事になります。

実際に、HONDAのスーパーカブに似たデザインのバイクを製造し、販売した企業が意匠権を元にして訴訟を起こされてしまい、7億と言う高額の賠償命令が裁判所から下された実例もあるのです

また、意匠権については、商標権と同様に、特許庁に登録をする必要があります。

意匠権の有効期限について

意匠権にも、登録をしてから有効期限と言う期限が存在しております。

その期間は、登録をしてから20年とされています。

また、その20が経過してから、更新をすると言う事はできませんから、意匠権として登録された物が20年と言う年を経過すれば、そのデザインについては誰でも使って良いと言う事になるのです。

逆を言うと、登録さえすれば、20年間は、独占的に使用する事が可能だと言う事になります。

意匠権の国際登録制度について

実は、平成275月より、「国際登録制度」と言う意匠権の新しい制度を利用できるようになりました。

通常ですと、意匠権の登録は、その国ごとに登録手続きを行いますが、複数の国を一括して登録する事ができるようになったのです。

この制度が利用できるようになる以前では、日本で登録した意匠権については、日本だけでしか効力を発揮せず、他の国には効力をもたらせる事が不可能でした。

しかし、この国際登録制度をきっかけに、複数の国に関しても一括で意匠権の登録をする事が出来るようになったのです

この国際登録制度については、日本で手続きをする事が可能となっております。

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