第4章:「なんだ女か…」それって悪いことばかりじゃないし、女性としてまだまだできることがある〜メンターからの手紙 亀石倫子氏〜

ポイント(この記事は3分で読み終わります)
  1. 女だからとバカにされたけど
  2. 自分が果たすべき役割について考える
  3. どんな50代を過ごしたいか

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女だからとバカにされたけど

弁護士は、やはり圧倒的に男性ばかりの業界です。いまでこそ女性も珍しくなくなってきましたが、それでも割合でいうと2割もいないくらい。

刑事弁護となるともっと女性の数は減ります。そして被疑者、被告人も男性のほうが圧倒的に多いし、検察官や刑事裁判官も、男性が多い。
そんな中で、女性だから「バカにされてる」と感じることはよくあります。

たとえば、警察署に被疑者に会いに行くと、最初は弁護士とも思ってもらえなくて。入り口で「身分証明書出してください」と言われるところから始まり(笑)、初めて会う被疑者とアクリル板越しに対面したとき、明らかにがっかりしたような顔をされます。「ああなんだ、女か」と…。

やっぱりスーツ着て、バッジつけて、それなりにベテラン風の男性が来るのと、女性がくるのとではどっちが頼りになりそうかって印象が違うでしょうし。

だから、バカにされてるなって感じるのはしょっちゅうで、それはまあ当たり前だと思ってるんですよ。

だけど、私は自分が女性であることを呪ってはいない。いいことも悪いこともあって、結果的にプラスマイナスゼロかなって思ってるんですよね。

刑事弁護士として過ごした6年間、アクリル板越しにたくさんの被疑者・被告人とやりとりしてきて、「なんだ女か」というマイナスなところからスタートするのが常でしたけど、最終的には強い信頼関係を築くことができたケースがほとんどだった。

本当に一生懸命仕事したから、マイナスの期待値を上回れたからかもしれない。そりゃ、バカにされて、腹立つこと、がっかりすること、くやしいこともありますけど、でもマイナスからスタートするっていうのは、悪いことばかりじゃないと思っています。逆に、男性だって、男であることでマイナスもあればプラスもあるだろうし。

だから、むしろ私は、自分が女性であることをあまり重視していないというか…。そういう意味でも、プラスマイナスゼロだなという感覚ですね。

自分が果たすべき役割について考える

ただ、女性として仕事するうえで、自分はどういう役割を果たすのがいいだろうかっていうのは結構考えたりします。

女性だからこそできること…例えばチームで役割分担を考えるときに、そのなかで私しか女性がいないとなれば積極的にその役割を果たそうと思っています。

私は、いろんなメディアから取材を受けたり、コメントを求められたりすることもあります。GPS捜査の裁判で違法判決を得たことについてだったり、それ以外の刑事裁判についての意見だったり。

私はそのとき、GPS裁判っていうのは私一人の手柄でもなんでもなく、チームのみんなで勝ち取ったものだし、むしろ理論的な部分は、仲間の弁護士がすごく力を発揮してくれたので、私だけがメディアに出て注目されることに最初はすごく抵抗があったんですね。

みんな「お前ひとりで勝ち取った判決じゃないだろ」と気分悪いんじゃないかって。誰よりも私自身がそう思っていたし。

だけど、弁護団のみんなとコミュニケーションとりながらわかってきたのは、なんでメディアが私に聞きに来るかって、きっと女だからなんだということ。



難しそうなことを、かっちりスーツ着た男性弁護士が語るのって「いかにも」ですが、そこで女である私が語ることによって「ん?この女の人は何言ってんだろう」と、注目してもらえるかもしれない。だからメディアは私に取材するんですよね。

それに気付いたとき、女性である私が出てコメントしたほうがひとりでも多くの人に届くなら、そっちのほうがいいんじゃないかって思ったんです。

弁護団の仲間も理解してくれています。男性社会だからこそ、女性であることを活かせるメリットもあると思うんですよね。

どんな50代を過ごしたいか

私は2015年に独立して、「法律事務所エクラうめだ」を立ち上げました。

いま扱っているのは家事事件が多いのですが、かつて人生の底辺である地獄を味わって、そして刑事事件の弁護人というハードな日々を経ての今は、すごく環境にも恵まれているし、やりがいもあって、充実しています。

でも、まだまだ自分には余力がある、とも感じているんです。というのも、私には子どもがいないから。

多くの女性が出産して育児に専念するであろう20〜30代は、私は地獄の受験勉強時代、そして刑事弁護人としてのハードな日々でした。

だから、子どもを産むタイミングがなかった…。まあ本当にほしいと思ったら産めたのかもしれないけど、私は子どもを産んで育てるよりも、仕事へのやりがいや生きがいを求めちゃったから。

私は今44歳で、世の中の多くの40代の女性っていうと、子育てが大変だったり、母としてのいろんな役割を社会のなかで果たしたりしなきゃいけないじゃないですか。その上、仕事もして。

でも私は母としての役割がない、そう考えると、まだまだ余力があると感じるんですよ。だから、社会のなかで自分がもっとなにかできることがあるんじゃないかっていつも思うんですね。

いつの時代も次の10年のことを考えていました。20代のときはどんな30代送りたいかって考えたし、30代のときはどんな40代になりたいかって。

今は、どんな50代にしたいかってことを考え始めているんです。やっぱり、いい50代にするためには、残された40代の6年間をどう過ごすのかってすごく大事です。

そして、弁護士の仕事っていうのはとても幅広く、いろんな可能性があると思います。
分野にとらわれず、弁護士としてのこれまでの経験が生かせるようなことってなんだろうということを、すごく考えています。

(続く)

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著者プロフィール

ikekayo(池田佳世子)

関西を拠点に活動するライター。 その人のもつ無形の価値に輪郭を描く仕事をしています。