フランチャイズ本部の起業ストーリー〜ケアペッツ〜

ポイント
  1. きっかけは飼っている猫が年を取り、ペットの看護の重要性がわかったから
  2. 動物看護師さんへの新たな道を拓くためへのフランチャイズ
  3. ニーズを見極めることで大きな利益に

ペットブームが続く昨今、ペットを飼う人の数は年々増加している。その中でじわじわと問題になっているのが、飼い主の高齢化とペット自身の高齢化だ。

犬や猫も歳をとれば徘徊や失禁などの認知症症状を発症する。その時、飼い主はしっかりとサポートすることができるだろうか。

また、飼い主が高齢になり、散歩や餌やり、動物病院への通院などが難しくなる場合もあるという。

株式会社CAREPETS(ケアペッツ)では、専属の動物看護師が愛犬・愛猫の介護・看護・ペットシッターなどのホームケアサービスを提供している。日本初となるこのサービスは現在フランチャイズ展開で拡大し、今後の日本のペット業界にどのような影響を与えるのか。ご自身も9頭の犬猫を飼っているという代表取締役の藤田英明さんにお話を伺った。

飼っていた猫が高齢に。身を持って知ったペットの看護の重要性


株式会社CAREPETS代表取締役の藤田英明さん

ーはじめに、会社を作られたきっかけっていうのは何ですか?ー

藤田)僕は元々、犬や猫がものすごい好きなんです。昔から怪我してたり、風邪ひいてたり、猫エイズとかになっていたりしている野良猫を拾って来ては、動物病院へ連れてって、完治したらもう一回解き放つみたなことをずっとやってたんですよ。
でも、どうしても完治しない子とか、あとは殺処分されちゃう犬猫って結構いて、それを家で引き取ったりしているうちに、10頭くらいの犬猫を飼うことになったんです。

今は、ペットフードも良質なものが多くて、人間もそうですけど、医療面もどんどんどんどん進歩してって、お薬も良くなってくるわけです。そうするとペットも長生きになっていくんです。
僕が飼っていた黒猫のクロちゃんは、僕が12歳の時に拾った子なんですけど、29歳まで長生きしたんです。人間でいったら165歳ぐらいですね。

ーえ!?猫ちゃんってそんなに長生きするんですか?

でも、27、28歳くらいの時から、段々認知症みたいになってしまって、徘徊というか同じ所をクルクル回りだしちゃったり、ご飯をいくらあげても、またほしいみたいに来たり。あとは、トイレがわからなくなってしまって、そこら辺で用を足しちゃったりするようになってしまって。人間の高齢者が認知症になるのとまったく一緒の現象が猫にもおこったんです。

犬も同じで、特にたれ耳の子なんかは、どうしても湿気がこもるので、耳の病気になりやすいこともあって、歳をとると耳が遠くなってしまうんです。
うちで飼ってるビーグルもそうで、前まではご飯をあげる時に袋の音が聞こえたら、わーって走ってきていたのに、今は聞こえないみたいで全然気つかないんですよ。「ご飯だよー」と言っても、わからなくて、トントンって触ってあげないとわかんないです。

ー人間のお年寄りと同じですね。

本当にそうなんです!
犬も猫もやっぱり高齢犬、高齢猫になってくると、他にもいろいろな病気にもなりやすくなります。そうすると人間の高齢者と一緒で、ある程度医療知識とか介護の知識とかある人が家族に代わってお世話をすることが必要だなと思って、検索したんですけど、これが全然ないんですよ。動物病院や、元気な子の世話をするペットシッターはあるんですけど、医療知識をきちんと持っている人達のサービスというのが全くなかったんです。

ー確かに言われてみればその通りですよね!そこからどうやって事業にしていったんですか?

お客さんのニーズがあるのかどうか。そのニーズに応えるために働いてくれる人がいるのかどうか。この2つが最大のボトルネックになってくると思ったので、まずは市場調査からはじめました。

「動物看護師さんが、ご自宅に行って、犬や猫、その他ペットの、介護看護・ペットシッターのサービスを提供します。」というのをチラシやホームページで周知して、反応をみたのと、同じような内容を求人サイトに載せてどれくらいの応募が来るかどうかを試しました。そしたら、お客さんも採用希望の方も無茶苦茶来たんですよ。やっぱり困っている人いたんだなと確信しました。


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ーこれだけペットを飼っている人が多いのに、そういうサービスないのっておかしいですもんね。お客さんが集まるのはわかるんですが、求人にもそこまで反響があったのが驚きです!

動物看護師さんて、ほとんどの人が動物病院で働いているんですよ。動物病院は全国に約1万2000箇所くらいあって、平均すると一つの病院にだいたい3人位の動物看護師さんが雇用されているんです。

そうすると、だいたい3万6000人分位の雇用の受け皿があるんですけど、実はその動物看護師っていう資格自体も、ピンキリというか、大学院で学ぶ人もいれば、2日位講習受けたら取れる資格もあって、能力の幅が広いんです。本当にバラバラで、それらを全部ひっくるめると、約70万人位の人が動物看護に関わる資格をどれかしら持っているということがわかりました。

実は動物看護師さんは、動物に対しても看護や処置をどこまでやっていいのか、どこからをやっちゃいけないのかというのが決まってないらしいんですよ。全て各獣医師の判断に任されているっていう状況なんです。

動物を押さえるなどのアシスタント業務しかダメですよという獣医師から、オペもやっていいんだよという獣医師まで、バラバラなんです。動物看護師の資格取る時にオペなんか習わないんですけど、簡単なオペをやらされちゃって、結局上手くいかなくて殺しちゃって、みたいなトラウマを持った子が、結構いて。

動物は好きなんだけど、もう動物業界で働けない…でも、ペットシッターだったら働けますみたいな人が結構いるんですよ。

ーそういう方たちが、採用の時にたくさんいらっしゃったんですね。初めて知ることばかりでしたが…怖いですね…。

あくまで法律的に言ったらペットは物という扱いなんで。そのあたりはもう時代に合ってないと思いますけどね。まあ、そのお陰で求人に応募がたくさん来たんですけどね。結構集客も出来るし、人の採用も出来るんで、これをフランチャイズパッケージにして、全国に展開しよういうことで2016年の8月にケアペッツを設立しました。

<約2年で店舗数は108店へ!急成長の秘訣に迫る>

ー8月に会社をつくられて、第一号のフランチャイズ加盟店ができたのはいつ頃ですか?

8月末ですね。知り合いも多いこともあってすぐに決まりました。後は、今まで開発されて来なかったマーケットなので、ブルーオーシャン的なマーケットなので、そこに興味を持つ事業者が多かったんですよ。

ー展開がとても早いですね!今は何店舗くらいあるんですか?

108店ですね。

ーえ!?開業から2年前ですよね!ここまでの急成長って、何か秘訣があるんですか?

ペットのマーケットって全体でいうと1兆5,000億円くらいのマーケットなんです。そのマーケットの中でまだ開発されていない部分ていうのがあって、その一つが、動物の介護・看護の領域だったんです。

あとはもう一つはやっぱり、人材の面ですね。求人をしていてすごくいいと思ったのが、就職したいですって応募してくる動物看護師さんは、100%動物が好きなんですよ。
そういう人材って、コミットメントが強く、本当によく働いてくれるんです。

この辺りは強みですね。

ー確かに、本気でその仕事をしたい人を採用できるのって一番いいですよね。
人材の確保というのは、各加盟店ごとに行なっているんですか?

やっている加盟店もあるんですけど、基本的には本部で一括で行なっています。求人をサイトに載せると結構募集があるので。

ーそれがすごいですよね!フランチャイズの取材をしてると、やっぱりどこも口を揃えて人材不足というお話をされるんですよ。最初から本部が人を派遣しますみたいな形にしてたんですか?

最初は各加盟店でやってくれればいいかなと思っていたんですが、とにかく採用希望者がたくさん来るので、本部でやろうかということになりました。○○店オープンって求人サイトに出すと本当にすごい来るんですよ。もう面接したくないです!ってくらい(笑)

ー人材の部分では全く苦労はされていないんですね。
では、事業を拡大や店舗を運営していく上で、大変な部分や課題はありますか

正直、あんまり大変なことってなくて。ケアペッツは実質、無店舗型にちかいので、その損益分岐点が何かっていったら、店長の給料なんですよ。それさえクリアできれば、もう黒字っていう事業なんで。

一応、開業の際には動物取扱業っていうのが必要になります。それを取るためには、どっこかに事務所機能がないといけないんですが、それは自宅でもいいし、自社の一スペースでもいいので、何か大々的に準備をするということも必要ないんですよ。

ー人材さえ確保出来ていれば、すぐに始められるんですね。

一つ、難点というか改善が必要かなと思うのは、動物看護師さんが、動物のことは大好きで、対応もしっかりできるんですけど、人とのコミュニケーション能力が高いか否かは別なんですよね。

動物も好きで飼い主さんとのコミュニケーション能力が高いスタッフだと、リピート率も高いんですけど、それができない人も結構いるので、そこは課題ですかね…。一応研修はやるんですけど、やっぱり、才能もありますから。

ー利用されている方からはどのような声が上がっていますか?

高齢者の人とかだと、もうずっとワンちゃんの散歩に行けてなかったからこれを知って、やっと散歩に行かせてあげられたなんて人もいますね。

あとは、おもしろいとこだと、奥さんはアメリカ、旦那さんはサウジアラビアで働いてて、たまに日本に帰ってきて、一緒の時間を過ごして、またそれぞれ国に帰るっていう生活をしていいるお客さんが、日本で猫飼ってるんですよ。その猫ちゃんの世話はずっとうちのペットシッターがやってるという。この事業を初めて見て、世の中色々な人がいるんだなと思いましたね。

ーリピート率っていうのも高いんですか?

90%位ですね。中には、末期のガンの子もいて、飼い主さん仕事どうしても休めないけど、ひとりで死なせたくはない、そばにいてあげてほしいみたいな人は、飼い主さんが仕事の間中そばについていてくれっていうのもあるんです。

ー色々な要望にお応えできるような体制ということですね。そのあたりは他の業者のペットシッターさんには難しいですよね。

やっぱり、安心感が違いますよね。さっき話した猫のクロちゃんなんて、29年も一緒にいると、もう本当に家族なんですよね。

ーフランチャイズに加盟される方っていうのは、どういう層の方が多いんですか?

年齢や性別もあんまり関係なくて、根本的には動物好きな人しか来ないですね。あとは結構法人の方も多いですね。6、7割くらいは法人ですね。

ーお話聞く限り、個人の方でも始めやすそうですよね。

そうなんですよ!個人でも始めやすいですよ。本当は動物看護師さんにも始めてほしいと思っているんですよ。動物看護師さんて給料がとても安いんですよ。動物病院は最低賃金くらいの給料で何から何までやるんですよ。

受付や書類の整理、掃除、外来対応、さらに動物を散歩連れて行ったりとか、ご飯あげたりのお世話をして、オペが入ったらそれを手伝ったり、本当に全部やるんですね。でも、それで最低賃金以下なんですよ。

ただ、そういう人ってなかなか独立しないんですよね…。これは人間の高齢者介護職とかもそうなんですけど、介護をしている人って、意外独立心がないですよ。優しいけど独立心はない人が多いんです。

ー好きなだけじゃなかなかやっていけないですよね…。そういう人が独立してやっていけたらベストですよね!
本日はありがとうございました。次回はもう一つの事業「わおん・にゃおん」についてお話をうかがわせていただきます!

ケアペッツのもう一つの事業「わおん」「にゃおん」の記事はこちらから

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