フランチャイズ本部の起業ストーリー~象の耳~

ポイント(この記事は7分で読み終わります)
  1. 30歳で無職に…一人旅で訪れたアメリカ・オレゴン州での運命の出会い
  2. 念願のフランチャイズ展開も震災で大打撃…地道に勝ち取った復活までの道
  3. フランチャイズと何が違うの?「象の耳」独自の加盟システム特約店とは?

東京都用賀に店舗を構えるあげ焼きパン専門店「象の耳」。唯一無二の新製法で作られたあげ焼きパンは油っぽさはなく、外はサクサクなかはふわふわ。味のバラエティーも豊かだ。

象の耳では現在特約店の募集を行なっている。特約店になれば自身で象の耳をアレンジして販売することが可能になるという。特約店とはフランチャイズとどのように違うのか?会社の成り立ちとともに、現在の形態に到るまでのストーリーを代表の小泉さんにうかがった。

30歳で無職に…一人旅で訪れたアメリカ・オレゴン州での運命の出会い

ー今、起業をされてどれくらいですか?

小泉)法人成りしたのは2007年3月1日なので、11年ぐらいですかね。自分はもともとバンドでボーカルをやっていたんですけど、それだけでは食べていけなくて、フリーターをしていたんです。昼に塗料の配達をやって、夜はスナックみたいなところで働いていたんですけど、両方ともお店が潰れてしまって、無職になったんです。

その時ちょうど30歳だったんですけど、バンド活動をこの先も続けていくかどうしようか悩んでいた時期でもあったので、無職になった時はかなり落ち込みました。

でも落ち込んでいても仕方がないので、逆に無職になったことをプラスに使おうと考えて、昔からいきたかったアメリカへの一人旅をすることにしました。フリーターをやっている時って長期の休みがなかなか取れなかったので、これはチャンスだと。

ーいきなりヘビーですね!一人旅はどれくらいされたんですか?

1月くらいですね。当時、友人がいたオレゴン州にいったのですが、そこに日本で見たことない揚げパンが売ってたんですね。薄くて平べったくてとにかく大きい。それが、「エレファントイヤー」っていう揚げパンだったんです。


オレゴン州のエレファントイヤー

日本で揚げパンっていうと自分はカレーパンとドーナツと、あとは給食に出てくるコッペパンを油に浸したのくらいしか知らなかったので、衝撃的でしたね。

注文してから、店員のお兄さんが生地の塊を薄く伸ばして、1分半くらい揚げたものにシナモンシュガーをパーっとまぶして、紙皿に乗せて、はいって渡されるんですけど、見たことなかったので、うわー珍しいなーと思って食べたんですよ。

食べてみると、なんかアメリカっぽい雑な味がして、冷めたらあんまり美味しくなくなっちゃうし…でも、そのサイズとエレファントイヤーっていう名前がイパクトが強くて。その後、LA→オレゴン→シアトル→NYと周って日本に帰ってきたんです。

ー運命的な出会いをしたんですね!

日本に戻って、なんとなくオレゴン州で食べた揚げパンをまた食べたいなぁと思って、ネットで検索したんです。そしたら、誰も日本でやってないっていうか、そもそも売ってないことが分かりました。ということは、これを始めたら自分が日本で初の食べ物を売ることができると思ったんです。

ちょうどその時、移動販売車でメロンパンがすごく流行ってる時期だったので、店舗を構えなくても移動販売車だったらそこまでお金かけなくてもできるなあと思って、エレファントイヤーを「象の耳」として売り出すことにしました。

ーなるほど!でも一度食べただけの物を再現するのって難しくないですか?

はい。まずは生地作りが大変でしたね。そもそもの作り方がわからなかったので、1番近そうなパンを学ぼうと、パンの作り方の本を買って、作って見たのですが、全然作れななくて…。

どうにもならなかったので、キャッシングをしてもう1回アメリカのオレゴン州に修行に行ったんですけど、現地の人たちもエレファントイヤーの生地を仕入れて伸ばして売ってるだけだったので、誰も材料や作り方を知らなかったんですよ!仕方ないので、試行錯誤を重ねて自分で生地を作って、結局その2年後、エレファントイヤーの現地とほぼ同じようなものを作るようになりました。ちょっと改良して、日本人向けのものを作って、やっと移動販売がスタートしました。

ー開店まで結構時間がかかったんですね!

最初はお祭りで出店できたんですが、その時は珍しがってもらってみんなに買ってもらえたんですよ。でも、普通の日に営業してみると全然売れなくて…朝早く起きて作った生地は、余って捨てることになるし、売り上げがガソリン代とその日食べたご飯代にもならないような日々が続きました。

これじゃまずいと思って、そこからどうやったら売れるのかっていう研究を始めました。見栄えを良くしようとか看板のキャッチコピーだとか、暇なのでとにかく自分の店を客観視して対策を考えました。

あとは、この商品の何が悪いか、油っぽいとか考えてはしょっちゅう生地の改良をしていたんですよ。

ー研究の賜物ですね!

研究の成果もあってか、結構週末は行列ができるようになったんですよ。でも今度は、一つ作るまでに時間がかかりすぎるという問題が出てきました。

当時はアメリカと同じ要領でやっていたので、注文を受けたら生地を伸ばし、お客さんの目の前で揚げてお渡しすると言うやり方をしていたんです。でもこれだと5つとか注文されると、10分とか20分とかかかっちゃって、待ちきれなくて帰っちゃう人が続出しまして…これは何とかしなければと思いました。

ーなるほど。そこはどうやって改善されたんですか?

ここは企業秘密です(笑)この企業秘密のおかげで問題が一気に解決しました!

ー企業秘密…気になります!

あげパン特有の油っこさは最後に高温で焼く事で解消出来ました。そのおかげで、時間をかけずに誰でも調理することが可能になって、お客さんへの提供時間も早くなりました。そこで、開業当初から考えていたフランチャイズ展開も視野に入れるようになりました。

そのためには会社を作ろうと動き始めたのですが、ここで問題になったのが資金の問題です。自分で資金を貯めるにしては数年かかる金額だったので…1年かけてなんとか出資者を見つけて、会社を作ったのが2007年の3月1日です。

象の耳についてはこちらをご覧ください。

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