<第2回>「理念ソング」で音楽をビジネスの領域に

ポイント(この記事は5分で読み終わります)
  1. ソロ活動で理念ソングを制作
  2. 音楽の力でビジネスの場を変えたい
  3. 今後は再びプレイヤーとして店舗運営に携わりたい

<第1回>社労士バンドで専門知識を広めた5年間

(聞き役:助っ人編集部)

ソロ活動で理念ソングを制作

ー いつごろから社労士バンドとは別にソロ活動をすることになって、そのきっかけは何かあったのでしょうか?

浜村氏)2011年に社労士バンドのボーカルになって、その3年目くらいからソロ活動を始めました。「理念ソング」という、会社の理念を社歌にのせて社員に伝えたり外にPRする活動です。社労士バンドを通じて、自分たちの歌を聴いてくださった方がメッセージを受け取って感動してくれたり、共感できたり、その場が一つになったりといった音楽の力を改めて感じました。私はお客様の会社の社員さんを元気にしたいと思って社労士として独立しました。

しかし、規則や書類を作ることは、自分の考えていた社労士像とは少し遠いと感じていました。ライブで経験しているような、人の心を動かすサービスをお客様に提案できないかと思い、人材育成の分野に事業の軸足を移すようになり、力を注いでいた音楽面でも「理念ソング」という、会社のための歌を作ることにしました。

ー 理念ソングを制作する上で、どのようなことを実感していますか?

歌を作る過程で社員さんにインタビューをさせてもらうのですが、会社や仕事に対する思いを聞き出して歌にしていく中で社員さんが変わっていく、一番は社長が変わるということを実感しています。大抵の会社はホームページに経営理念のページは必ずあり、理念を掲げていない会社の方が少ないと思います。しかし実際どこまで浸透しているかは別です。

実際日々の活動の中でどれだけ従業員に伝えているか、それに即したことをやっているかというと、できている会社もあればかい離してしまっている会社もあれば、創業当初から理念の変わってしまっている会社もあります。私は理念ソング作りによって、社長が何を目指していて何を大切にしているのかということをアウトプットする機会を一緒に提供しています。社員は改めて「社長はこんなことを考えているんだ」と気づくことができます。

歌を作って言葉にしてしまったらやるしかないので、そういうきっかけづくりになっています。音楽を使った組織改革コンサルティングのようなやりがいがありました。

音楽の力でビジネスの場を変えたい

ー その時をきっかけに、個人事務所から法人化させたということですね。今社労士のお仕事と理念ソングという、事業としては2つのことをなさっているのですね。理念ソングが入ったことによって、実際にお客様の会社はどのように変わっていったのでしょうか。

若い社員さんが多い会社が多いのですが、プライベートと仕事を分けている方が多く、会社で見せない顔があります。しかし「みんなで歌うよ」となった時に、普段見せていない顔が強制的に出させられる瞬間が出てきて、メンタルブロックが外れます。今までプライベートでしか出せなかった顔が出せる職場になるので、社員さんが一つになることができますね。

中でも社長が一番変わります。まずは社長にインタビューさせてもらうのですが、理念、ビジョンについて伺うと、何も出てこない人はいません。しかしそれを歌にしていく過程で文字にしていくとなれば、コミットしなければならないし、会社と社員のことを改めて考えることになります。社員と一緒に歌を作ったということで、「社員を大事にしよう」と改めて思ってくださいます。本当に家族なんだなと思います。「ありがとうございます」という言葉が一番嬉しいですね。

ー 実際に従業員満足度が上がるなど、そういうところに貢献しているのですね。

社歌を作っても翌日には業務のことで頭がいっぱいですし、一日中鳴り響いているわけではないので、歌の力はかなり限定的です。ただ、社歌制作を一つのきっかけとして意識が変わるということです。なかなか人の意識を変えることは難しいと思っています。

「人のモチベーションを上げたり、考え方を変えたりすることはできない」という前提でいろんなことをやっているのですが、歌の力ならそれができてしまうかも、というところにやりがいを感じています。歌は嫌でも耳に入ってきてしまうので、意識が変わってしまう。音楽の力を職場などビジネスの領域にガツンと持って来たら、何かが変わるのではないかと思ってやっています。

ー 歌や音楽は受け入れやすいですし、リズム感がありますからね。バンドや理念ソングといったものを形にしている、根底にある思いはどのようなものなのでしょうか。

一つは音楽が好きという純粋な思いです。そして、自分の思っていることを伝えたい、分かち合いたいという欲求はとても強いと思います。人生のステージによって、伝えたいことは変わります。今で言えば、昨年子どもが初めて生まれて、改めて「家族はとても大事だ」と思っています。大事なことについて「今、自分はこう思っています」と伝え、いい影響を他人に発信したいという思いはすごくあります。

多くの皆さんにもあるのではないでしょうか。SNSの普及もあり、個人が自由に発信できる中で、誰に何を伝えるかというのはとても大事なことです。「伝えたい、共感したい」という欲求が、理屈抜きに僕の根底にあります。得意なことというより、やりたいことですね。だから音楽でステージに立って歌ってみんなに共感してもらうというのは、すごく嬉しいことでした。

ー どんなことでも伝えることは大事ですよね。

はい。そもそも社労士の資格を取ったのも「伝えたい」が根底にあったように思います。前述のペガサスクラブを知る前は、自分が勤めている“チェーン店”に対してあまりかっこいいイメージがありませんでした。回転寿司と回らないお寿司屋さんだったら後者がいいし、デートのディナーでチェーン店に誘ったら彼女は嫌がるだろうなと思っていました。たまたま入ったお店がチェーン店だと、それだけでサービスのクオリティーが低いような色眼鏡で見ていました。そして自分はそういう業界に就職してしまった、という意識がすごくあり、自分の仕事に誇りを持てませんでした。

しかしペガサスクラブの存在を知り、「日本人の日常の暮らしを豊かにする」というチェーンストアの理念とビジョンを知ったことで、自分の仕事に対する考えがガラッと変わりました。それは同僚や上司の多くも興味関心を持っていないことだったので、社内・社外関わらずもっと多くの人に知ってほしいと思いました。話を聞いてもらえる立場になるひとつの手段として国家資格を取った面があります。僕にとって社労士資格は、ひとつの発言のフィルターです。社会人2年目くらい、ドラッグストアの店員だった頃から、今でも言いたいことは変わっていないんです。「チェーンストアで働くことはかっこいい」ということを訴えたいと思ってきました。自分の「伝える力」をアップさせるために取り組んできたことが多いかもしれません。

今後は再びプレイヤーとして店舗運営に携わりたい

ー それと大好きな音楽をかけあわせているのですね。素晴らしいですね。今後の浜村先生の目標やビジョンをお聞きしてもよろしいですか?

今すぐにではありませんが、また店舗運営にプレーヤーとして関わりたいと思っています。チェーンストア産業づくりという一大プロジェクトのいち歯車として機能したい。そこにどう行き着くかを今模索しています。自由に情報発信をしたり、多くの経営者や同志に会うためには、現状はフリーランスがいいと思っています。世の中どう変わっていくかわかりませんが、現状はやはり会社員だと、自分の仕事について、外部に対する情報発信や行動に制限があるでしょう。

でも、自分が代表であることや自分の看板にこだわって、小さくまとまりたくありません。社労士という肩書にもこだわっていません。今でも業務の99%は社労士資格を使わない研修やコンサルティング業務です。この先はどうしようか。例えば、フランチャイズチェーンのオーナーとして店頭に立つでもいいし、わくわくして次のステップを探しています。もちろん、音楽はライフワークとして続けます。

ー 支援する側からまたプレーヤーになりたいのですね。

僕の関わりたい業界はチェーンストア業界です。今は士業・コンサルとして業界を支援する側ですが、支援する側ではなく、される側が主役です。もともとは11年間、ドラッグストアの店長という、業界ど真ん中にいましたが、このままど真ん中にいても可能性の広がりが少ないと思い、何かの力を持つために一度外に出ました。

しかしずっと外野でいいのかなと考えると、どこかのタイミングで、コンサルからプレーヤーに戻りたいと思っています。チェーンストア企業の大組織の中で、いかに活躍できるか。ベストな戻り方を今考えています。組織に属する働き方も、どんどん自由な方向へ変わっていくでしょうしね。

ー ありがとうございます。最後にこの記事を読んでいる読者の方へ、ご自身の経験の中から成長や学びにつながるメッセージをいただけたらと思います。

偉そうなことは言えませんが、人の目を気にしないということです。他人と違うことをするといろいろ言われます。社労士バンドも理念ソングもそうでした。でも突き抜けてしまえば何も言われなくなります。さらに、突き抜けて同じことをずっとやっていればいいですが、また違うことをやりたくなってしまうこともあります。今度は一貫性がないと言われたりします。でも人の目を気にしない、自分の目も気にしない。

理念ソングを始めてから、あたり前のように「あなたの理念はなんですか」と聞き返されます。そこで立ち止まって考えた時に、チェーンストアの理念に触れたことを思い出したんです。なんで社労士やっているんだろう、なんで歌でこんなことをしたいと思っているんだろう、と考えて、ペガサスクラブの理念とビジョンに触れて仕事観が変わったことが今につながっているということを再認識しました。今僕には二つの思いがあります。

ひとつは、チェーンストア業界に関わっていたいという思い、もう一つは、理念とビジョンを知ったことで自分が変わったという経験を業界関係なく多くの若い人に経験してほしいから、理念ソングをやっていたいという思い。なので、ミュージシャンが本業ではないけれど、理念ソングの事業は長く続けていきたいと思っています。

ー 社会保険労務士の浜村友和さんにお越しいただきました。本日はありがとうございました。

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