税理士業務+αでAIの流れに勝つ 〜相続の分野で人の思いを汲み取る和やか税理士〜

ポイント
  1. AIは人の気持ちは汲み取れない
  2. 地道な活動にお客さん獲得の秘訣がある
  3. 一つの柱だけでなく、もう一本プラスしてそこを太くする

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大塚英司

【経歴】埼玉県所沢市出身、東日本税理士法人、EY税理士法人を経て、税理士法人トゥモローズ代表社員就任。
相続に関する案件は、最新情報を駆使しながらクライアント目線を貫き徹底的な最適化を実現する。

【マイブーム】子育て奮闘中、とんかつの食べ歩き

第一回:AIは人間の思いを汲み取れない

ーこんにちは。本日は税理士法人トゥモローズ代表の大塚英司先生にお越しいただきました。本日はよろしくお願いします。はじめに大塚先生のプロフィールをお伺いしたいと思います。税理士を目指したきっかけや、開業に至る軌跡を教えていただけますか?

大塚 まず税理士を目指したきっかけですが、私が大学を卒業する頃は就職氷河期と言われる時期でした。私は附属だったので、高校大学と熱中して勉強した経験がありませんでした。それもあってなにか専門性を身に付けたいと思い、税理士を選びました。大学卒業後も専門学校に通いながら税理士資格取得のために勉強していました。ある程度目処が立ったところで、当時バイトをしていた税理士法人からBIG4と呼ばれる大手事務所に転職し、そこで6〜7年経験を積みました。税理士になったからには独立したいという思いがあったので、当時の税理士法人の同僚とともに税理士法人トゥモローズを立ち上げました。

ートゥモローズという名前にはどんな思いがあるのですか?

大塚 よく聞かれますが、親しいコピーライターの友人に案をあげていただいた中で二人がピンときたものです。相続を専門特化としていく中で、相続人、被相続人の将来に、何かお役に立てることができるのではないかという意味が込められています。ロゴは、青とグレーの輪で括られていますが、いろいろな意味があります。聞かれた時にその都度、ぱっと思い浮かぶことを申し上げていますが、相続人と被相続人という意味であったり、先代と後継者という意味であったり、共同代表二人という意味もあります。
 

ーそういう素敵な思いが込められているのですね。ちなみに、税理士さんの業界はAIによって仕事が奪われていくとも言われていますが、大塚先生はどのように見通しを立てていらっしゃいますか?

大塚 税理士業務、会計業務・税務業務というのはAIに取って代わられる業務の筆頭に上がってくる仕事です。大きく分けて記帳代行、税務申告についてはAIがいずれ行うようになる仕事です。例えば今10人でやっている入力業務が3人、5人で済むようになると思います。現に今も、マネーフォワードやクラウドのサービスで会計の業務が終わっています。ここから先、申告まで一つのボタンで済むようになると思います。日本の企業の95%を占める中小企業に対応している形ですので、この流れは確実に止められないと思います。ここまで言うと税理士業務に将来性はないと感じてしまうかと思いますが、逆にAIに取って代わられない仕事もあります。例えば、相続税の申告の中でも、被相続人様や相続人様の思いを汲み取ることは、AIでは出来ないことだと思っています。そういうところで差別化を図っていきたいと思います。

ー人にしかできないところをもっと特化してやっていけるのではないかということですね。

大塚 そうですね。自動化されにくい職業になっていく必要があると思います。

ミカタ編集部 大塚先生は開業されて3年目ですが、独立されてからの成功談、失敗談をお聞かせいただけますか?

大塚 まだまだ自分たちが成功しているとは思っていませんが、立てている目標は達成していっています。昨年8月にも、目標としていた移転を済ませ、新しい事務所に移り、従業員も少しづつ増やしています。ホームページについては戦略的に使っていきたいと思っていました。相続税のホームページはある程度しっかり作り、ブランディングをしてお客様を取っていこうというところです。まだまだ発展段階ではありますが、徐々に芽が出てきています。あとはアナログ的な、対人の営業ですが、できるだけ外に出るように心がけています。異業種交流会であったり、自己紹介の場には積極的に出るようにしています。

ーアナログな関わりは、お客さんに対しても、採用という意味でも大事だと思いますが、大塚先生が相手の社長さんやお客さんと接する時に意識されていることはありますか?

大塚 必要最低限のビジネスマナーは常に心がけています。気を抜くとそれを飛び越えてしまうので。懐に入れた時はいいのですが、失礼のないようにしなければいけません。

ー飛び超えるとどうなるんですか?

大塚 あまり年齢の離れたクライアント様に自分たちの世代の感覚で接すると、自分は気づかなくても失礼にあたることがあります。特に相続だと、上の年齢の方がいらっしゃることがあるので、気をつけています。

第二回:一つ一つの記事がブランディングに

ー代表が大塚先生ともう一人いらっしゃいますが、二人の間でバチバチすることはありませんか?

大塚 喧嘩はありません。基本的に二人とも自己主張はあるのですが、お互いの意見は聞くので、喧嘩になったことは一度もないです。また、実務で飛び抜けているのは共同代表の方で、尊敬していますので、意見は出しつつもお互いに尊重できたらと思っています。作業の役割分担は決めていますので、自分の役割は責任を持って果たします。一人だと力が抜けてしまうこともありますが、二人だからこそ牽制しあって進めることができています。

ーそういうところが共同代表でやる利点ですね。

大塚 申告書一つ作っても、一人だとミスが出てしまうことがあります。AIではないので。二人だと訂正しあえるところがいいです。

ーちなみに、今までで一番やらかしたことはなんでしょうか?

大塚 危なかったのは、申告期限ギリギリになってしまったことくらいですね。間に合ってはいるのでやらかしてはいないのですが、前倒しでやるべきでした。あとは、私はお酒に弱いので、お客様と飲んで気を抜くとうたた寝しかけるところですね。お酒に弱いところです。

ーちなみに、独立された際、事務所の方向性やお客さんの獲得について準備していたことはありますか?

大塚 法人名とロゴとホームページです。あとは事務所の場所です。パンフレットはホームページの派生だったので。

ーお客さんを獲得しないと売上が立ちませんが、最初どう獲得されたのでしょうか。他にもたくさん税理士がいる中で、選ばれるためになにをされましたか?

大塚 最初ホームページの問い合わせはあまり多くなかったので、一つ一つコンテンツを積み上げて行きました。アナログの部分では交流会で少しずつ種を撒いたり、テレアポもしていました。

ーテレアポはあまりお聞きしませんね…!

大塚 税理士だからテレアポしてよかった部分もあります。「税理士の大塚です。社長さんいらっしゃいますか。」と言うと、取り次いでもらえたので。あとはほかの士業の先生たちにも、「独立したのでよろしくお願いします。」という電話はしやすかったですね。

ーちなみに大塚先生はメディアやセミナーのお仕事もされていますが、どこから取ってきているのですか?

大塚 もともとの知り合いの紹介もありますし、ホームページの記事を見てもらってからの依頼もあります。書籍や税務の専門書のお仕事はもともと共同代表の繋がりからの発展が大きいです。書籍を書いたらそこから発展してセミナーとか。

ー先日も大きなセミナーをやっていらっしゃいましたが、それも人伝いですか?

大塚 そうですね。外部の社団などに税理士として助言を行なったりしていますので、そういった関係からの依頼でセミナーを開催することがあります。

ー人伝いで交流会に参加して、セミナーをやったりメディアでコメントしたりしているのですね。そういうことをしていると、新しい依頼も来やすいですか?

大塚 一つの発信力ではないですが、一つの記事が一つのブランディングにはなります。それを積み上げていって、見てくださる方がまたご依頼下さいます。

ーなるほど。少しテーマが変わりますが、今後税理士の業界にAIが入ってくることを踏まえ、税理士業界ではどんな人が求められると思いますか?事務作業はAIがやるようになると思いますが。


大塚 人と人の部分、コンサルの部分をやらなければやっていけません。節税できて当たり前ですが、節税の部分をAIでないところでいかに提案していけるかです。税理士業務+何か、を武器にして今後やっていかなければならないと思います。

ーちなみに大塚先生の事務所では今後人も募集されるということですが、どんな人に来てもらいたいですか?

大塚 もちろん一般事務や税務会計の事務が出来る方に越したことはありませんが、共同代表と一致しているのは、性格のいい人に来てもらいたいなというところです。今二人で和やかに仕事をしているので、その雰囲気に馴染んでもらえる人がいいです。日本橋で老舗が多くて、時折おやつにどら焼きを買って食べたりしています。


ーそんな大塚先生の事務所の、今後のビジョンをお聞かせください。


大塚  AIが台頭してくる中で、AIにできないことを伸ばしていく必要があります。相続税申告はもうすでにレッドオーシャンになっていて、ここの部分にもAIは出てくると思います。もちろん一つの柱として相続税申告は伸ばして行きたいところですが、別の柱として手続きなどの相続周辺業務を太い柱にして行きたいと思っています。


ーでは、最後にこの記事を読んでいる方に、学びや成長につながるメッセージをいただけたらと思います。


大塚 税理士を目指されてる方や税理士業務に携わられている方にとっては、今後もっと厳しい状況になってくると思います。若手も減ってきていますし、税理士会の力も弱くなることが予想されます。税理士の仕事は税金の仕事ですが、対人の仕事の部分も大きいと思います。独立してさらに、その部分に醍醐味を感じるようになりました。対人のスキルを上げることで、仕事がもっと楽しくなっていくのではないかと思います。

ー本日は税理士法人トゥモローズ代表、大塚英司先生にお越しいただきました。ありがとうございました。

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