第5章:世界は発見と学びと魅力に溢れている。だから、もっとちゃんと見て、聴いて、自分の足で色んな人に出会いに行って〜メンターからの手紙 中川悠氏〜

ポイント
  1. ハッピーを作る探求者でありたい
  2. もっと出会って。もっと話して
  3. 世界は魅力に溢れている

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ハッピーを作る探求者でありたい

僕にとって「怒り」はモチベーションです。

例えば今は障害者雇用に対して怒りや疑問があります。
正直に言って、いまの社会の仕組みで、障害者が働けるわけないじゃん、と思い始めていて。

今の、生産性向上ばかりを叫ぶ社会で、企業は障害者雇用を「雇用人数をクリアする」ということでしか考えていなかったり、障害のある人々を現場でケアする体制もできていなかったり、機械化がどんどん進むこんな状況で「ダイバーシティ」なんて無理じゃん、と。

そんなふうに、いろんなものが削ぎ落とされて「利便性」だけが追い求められている世界。
そこで企業が障害者への理解を深める土壌の上で、あえて障害者が働ける隙間なんて、やっぱりないんですよ。

そんな状況を僕は斜めから見て、どういう別なハッピーを作れるのかを、ずっと考えています。

人間の脳の仕組みで、ひらめきって、一回、脳全体に電流が走ってからそれが戻ってきて生まれるんですって。だから、そのときに脳にたくさんインプットがないと、ひらめきも少ないってことが証明されたと、テレビのドキュメンタリー番組で見たんです。
それでいくと、今のこの縦割りの社会で、単一の仕事をし、狭い経験値で生きるしかない人たちは、多くのインプットは望めないということになります。

じゃあ僕らが、取材をするとか、様々なプロジェクトを進めるとかする中で、いろんな世界を見てきたのであれば情報の多い僕らこそが「繋ぎ手」になって、縦割りになった世界をつないでいくしかないと思った。
その方法がもっと上手になれば、たくさんの人がハッピーになれると思うんです。

僕が一生かけてやっていくのは、生きづらい障害者や、生きづらい子供や大人が少しでも「よかった、未来に向けて生き延びれた」と思えるようなモデルを作って、提案していくこと。
その探求者であること。
それが僕の存在意義だし、それができたらとてもハッピーです。

もっと出会って。もっと話して

今、僕は大学で学生にも教えていますが、今までの授業でも、人口減少をテーマに、人口が減っていくグラフとかを見せて「これからどうする?」と考えさせたら、彼らの表情はすっごく暗くなってしまったんです。
「教師」とか「銀行員」とか、職業に関する印象を書くワークをしたら、みんなネガティブなものが3、ポジティブなものが1くらいの割合で書けてしまうし、いろんなネガティブな情報だけで頭でっかちになってるんですよね。

メディアも、高齢者福祉とか障害者福祉というと、すごく悲壮感いっぱいに打ち出したりする。ぜんぜんそうじゃなくて、実際はみんなすごく楽しくあっけらかんとやっていることだってたくさんあるのに、メディアは課題や問題の部分ばかりを切り出して報道する傾向にあるんです。

僕はそれにもすごく怒っているけど、そういう打ち出し方をしたほうが、寄付金も注目も集まりやすいし、視聴率も上がるという側面も事実としてあるとも思っています。

それでも学生たちに一番言いたいのは、「そんな社会でも、明るくハッピーに生きてる大人がいるよ!」ということ。
そこは僕らが頑張って示していくしかないし、そういう大人が目の前に現れた学生はすごく幸せだと思う。

講義の一環で、学生を地域の高齢者に会わせてお話を聞かせたりするんです。
80歳超えた4人くらいのおじいちゃんたちと4人の学生を会わせて対話させたんですけど、年齢を重ねている方の人生って、ドラマティックで厚みがあって、学生が想像している社会の大きさを簡単に超えていってね、やっぱりそれだけで質問をする学生の人生って少なからず変わるんですよ。

そういうときは、すごく感動をもらえます。
ちゃんと対話をしたり、ふだん出会わない人に会うとやっぱり世界は広がるから、選択肢も増える。
だから、まずは出会いなさい、話しなさい、ってことは伝えています。そういうことが、ほんとに学生にとっては少し先輩である僕たち自身を作ってきたって思うから。

世界は魅力に溢れている

僕は、大きな未来に対する期待というのがあまりないんです。絵空事では言えるかもしれないですけど、やっぱり難しいこともいっぱいあるし…。

でも、ソーシャルビジネスをしているとか、これからやりたいと思っている人に対しては、もっとより多くの人たちがハッピーになるモデルを作って欲しいと思いますね。
全然困ってない人に対しての支援もあったりするのが現状ですし。

だから「ちゃんと見なさい」「ちゃんと聞きなさい」「ちゃんと調べなさい」と。学生にもそう伝えています。
じゃないとほんとのハッピーは作れませんよっていうのは必ず言います。
世の中はそれだけの魅力に溢れているし、それだけの学びに溢れているし、まだまだ僕らも知らないことがいっぱいある。
それらを知れば知るほど、誰かのハッピーをつくる取り組みの成功率が上がると僕は今でも信じているんです。
だから、若者はそんな狭い世界に留まってるんじゃなくて、どんどんどんどん出会い続けなさい、って言いたい。

さいごに_メンターからの手紙_中川さん-13

僕も、ソーシャルビジネスの第一人者では全然ない。「こんな世界があったのか!」って、いまでもいっぱい発見がある。
だから、もっと違うところに行きたいし、もっといろんな人に会いたいと思っているんです。

(了)

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著者プロフィール

ikekayo(池田佳世子)

ikekayo(池田佳世子)

関西を拠点に活動するライター。 その人のもつ無形の価値に輪郭を描く仕事をしています。