地域での起業には様々な可能性が眠っている!農林水産省が仕掛ける農山漁村ローカルビジネス支援事業「INACOME Pitch Day」レポート

2月23日東京渋谷区にあるイベントスペース「100BANCHI」で、農林水産省が仕掛ける農山漁村ローカルビジネス支援事業「INACOME Pitch Day」が行なわれた。

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「INACOME 」とは、農山漁村地域の高齢化や人口減少の問題を抱える地域を活性化するために、地域の資源を活用した新たなビジネスの立ち上げを支援するプログラムだ。「INACOME 」という言葉には「田舎+come」と「地方にIncomeをもたらし、起業家自身もIncomeを得られる様な継続的なビジネスを支援したい」という思いが込められている。

INACOME Pitch Dayでは、「地方にはビジネスの種がたくさん眠っている」をテーマに160を超える応募の中から選ばれた10組のファイナリストによるビジネスプランが発表された。

地域の課題を解決するために考え抜かれたプランは、発表者の実体験から生まれたもので、その地で活動をしていなければ気づけない新しいビジネスの可能性を提示してくれた。

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農林水産大臣の吉川貴盛氏はビデオメッセージで、「今回のイベントでイノベーションが起き新たな活力が生まれると考えている。新たなビジネスを立ち上げるみなさんの創意工夫を応援している」と述べた。

レベルの高いビジネスプランが発表される中、酒井裕司さん(長野県飯島町)の「わらしべ長者プロジェクト」が優秀賞を獲得した。
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最優秀賞を受賞した合同会社 南信州米俵保存会の酒井裕司さん

「わらしべ長者プロジェクト」は、いままで捨てられていた稲わらをわら細工に活用し付加価値をつけ、地域に産業と雇用の創出をすることを目的としたプロジェクト。「農業人口の減少や耕作放棄地が増大している飯島町をなんとかしたい!」との思いから、お米の町である飯島らしい町おこしをしようと、稲作をテーマにした町おこしを考え生まれた。
 

わら細工を作成するために必要な稲わらを農家から買い取ることで、農家はコメだけではなく、稲わらでも収入を得ることができる。また、職人の育成を行うことで失われつつある伝統を後世に残すことができ、雇用の創出にもつながる。さらに、わら細工が売れることで地域経済が活性化する。まさに、「わらしべ長者」のように産業が循環し、稲わらで地域が元気になる仕組みだ。

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わら細工は、昨今の猫ブームにともない需要が拡大している「猫つぐら」や、現在は職人の減少のため、その多くが外国産になってしまっている「しめ飾り」など多くの可能性が眠っているという。

受賞の理由として、事業として今後具体的に何をすべきか、すでに目的の半分くらいが達成できており今後何を行うべきか明確で具体的だった点と、既存の価値を再評価し、地域を蘇らせているところなどがあげられた。

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優秀賞を受賞した酒井さんは、「飯島町には13年前に移住し、最初は縁もゆかりもない町だった。自分はもともと農家ではなく、まったく違う分野から7年前にわら細工職人になった。いろんな人に失敗すると言われたが、今では、町の未来を担う存在になっている。日本はお米の国。いい使い方をすれば神さまが来てくれる。今は寝食を忘れて地域のために活動している。これからも地域のために頑張っていきたい。」と語った。

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最後に「うちで作るしめ飾りには効果があるので買ってください」と笑いを誘った。

主催者の農林水産省大臣官房政策課長の信夫 隆生氏は、「どのプランも発表者の人生経験が反映されていて、興味深いものが多かった。地域の課題を見つけ、それを解決することでイノベーションが生まれ、その結果地域が活性化していく。今後もイノベーティブな人を増やしていきたい。」とイベントを締めくくった。

主催者は今後もこのようなイベントを開催し、地方で活躍する起業家の支援を行なっていくという。今回、優秀賞の受賞にはいたらなかった参加者たちの発表も素晴らしく、今後の活躍に期待が集まった。

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「INACOME Pitch Day」の参加者たち

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著者プロフィール

桃井美里

桃井美里

2018年から、日本最大の起業・開業・独立者向けポータルサイト「助っ人」(www.suke10.com)の編集チームで、コラムを担当。 こども写真館「スタジオマリオ」の店長を経て「助っ人」編集部へ。 イラストや写真を用いて、難しく考えられがちな『起業』をもっと身近に感じることのできるコンテンツの発信に取り組む。 フリーでナレーター・MC・イラストレーターとしても活動中。
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