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「地方での起業は都会での起業よりも稼ぎやすい」「いやいや地方での起業は難易度が高すぎてオススメできない」など地方での起業には様々な情報が飛び交っています。では実際に地方での起業は稼ぎやすいのでしょうか、それとも稼ぎにくいのでしょうか。
今回は地方の起業の稼ぎやすさおよび起業時するときのメリットとデメリットについて紹介をします。
そもそも地方起業は稼げるのか?
そもそも地方起業は稼げるのでしょうか。結論から言えば「ピンからキリまで」といえます。地方で起業したものの事業がうまくいかず最終的には都会で帰ったというケースがあれば、起業に成功してかなりの額を稼ぐことができたというケースまで様々です。
「物価の安い地方だから稼いだとしてもごく僅かでは」と思えるかもしれませんが、そんな事はありません。例えば2009年に長野県の東御市御牧原で「わざわざ」というパン屋をつくった平田はる香さん。起業初年度は年商が200万円ほどでしたが、2017年には年商が1億7千万にも達しています。
地方起業では稼ごうと思えばいくらでも稼ぐことができるといえるでしょう。なお、「わざわざ」ではパンの販売がメインですが、近年はオリジナルの洋服やキッチン用具などもおこなっているなど、事業のさらなる拡大を目指しています。
地方起業は稼げるということは確認できましたが、当然何も学んでいない状態では成功することはできません。最低でも決算書の読み取り方やマーケティング、営業戦略の作り方などは学んでおくようにしてください。
そして起業した後も学習は必要です。従業員を雇ったら人事管理の手法を学ぶなど、事業の規模によって学ぶことは変化していきますので、そのときの状況に合わせて必要なことを学習するようにしましょう。
地方で起業したときに得られるメリット
地方で起業したときに得られるメリットの1つに「起業にかかる費用を抑えられる」というのがあります。
起業をすると、オフィスの契約関連費用をはじめ、従業員の給料、収入印紙や定款認証代など様々な費用がかかります。地方で起業すると、主に土地に関する費用と人に関する費用を抑えることが可能です。
例えば土地に関する費用の場合、東京都千代田区では1坪あたり14000円ほどのオフィス家賃が発生するのに対して徳島県徳島市ならば1坪あたり4000円まで減少するなど、場所によっては半値以下に抑えられます。
人件費についても同じです。東京都の最低賃金は932円であるのに対して、徳島県の最低賃金は716円となっており、地方の方が都会よりも従業員にかかるコストが少なくて済みます。
メリットの2つ目は「助成金や補助制度がたくさんある」ことです。
地方では人が都会に流出しているなどの事情で人手不足に陥っているところがあります。そうした地方では新しい企業の誕生が求められており、結果として様々な助成金や補助制度が作られるようになりました。
例えば、和歌山県では2012年度から「移住者起業補助金制度」というのが施行され、地元に企業を作りかつ地元の人を雇うという条件があるものの、それら満たすことができれば最大100万円までの経費を補助してもらえます。
他にも「日本一創業しやすい県づくり」を目指している長野県では、資本金1000万円以下の中小企業に対して、法人事業税を3年間全額課税免除するという制度があります。
地方で起業をするときは「その土地ではどのような助成金や補助が得られるのか」を確認してから起業するようにしてください。
地方で起業したときに発生するデメリット
地方で起業することにはメリットだけでなくデメリットもあります。
そのデメリットは「人が少ない」ということです。地方では人口が減っているだけでなく、残っている人も各地に分散して住んでいることがあり、地方によっては雇えそうな人がなかなか見つからないということがあります。
特に難しいのがプログラミングスキルや労務管理スキルなど特定のスキルを持っている方を雇いたい場合。そうしたスキルを持っている人が地元にいなかったり、いたとしても高齢者あるためフルタイムで働くのが難しかったりすることがあります。
近年はリモートワークやクラウドソーシングなどにより企業以外の場所から仕事をする仕組みも整っていますので、特殊なスキルを持つ人を探す場合はそうした仕組みを活用して全国単位で探すようにしましょう。
「交通の便が悪い」というデメリットもあります。
都会では電車やバスなどの交通手段が多彩であり、本数も充実しているのに対して、地方ではバスが1時間に1本しかなかったり、駅がまったくなかったりなど交通の便が悪いところがあります。打ち合わせなどで都会に出ること多い場合はマイカーを用意したり、バスや電車などが充実している場所を拠点にするなどの対策が必要となりますので気をつけてください。
ただし地方によっては高速光ファイバーが設立されているなど、交通の便は悪いもののインターネット環境は充実しているという場合もあります。そうした地域の場合はSkypeやテレビ会議などのインターネット技術を積極的に活用すれば、交通の便の悪さをある程度解消することができます。
地方で起業するときに気をつけること
地方で起業をする場合は「自分たちはよそ者であることを自覚する」するようにしてください。
地方では都会よりも人が少ないことから人と人とのつながりが強い場合があり、他のところから来た人たちを寄せ付けない雰囲気を持っているところがあります。そうした他人を寄せ付けない雰囲気を持つところで起業をする場合は、地元の人を優先して雇ったり、イベントに積極的に参加したりなど、その地方に溶け込むための努力が必要となります。
また「地方の人たちに利益の一部を還元する」という意識も持つようにしましょう。地方で起業をした場合は生み出した利益の一部を、その地域に寄付したりイベントの出資金にしたりなどして、地域に還元してください。
地方では企業の数が少ないので、起業をすると良くも悪くもその地方の人達から注目されます。そうした状況で稼いだお金を企業内にとどめていたり、自分のためだけに使用していたりすると、地元の人から反感を招き事業に支障が出る恐れがあります。
そのため利益が得られた場合はその何割かをその地域に還元しておくようにしましょう。利益の一部を地域に還元しておくと、地元の人から農作物や畜産物を分けてもらえたリなどの利益が得られる場合があります。
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