最近よく聞くスモールM&Aとは?今日本で増加している理由

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近年、日本でもスモールM&Aが急速に増えており、その仲介ビジネス市場も拡大しています。起業や独立をしたい人にとって、資金や準備負担を軽減できる開業手段の一つです。

ここでは、より身近になったスモールM&Aがどのようなものなのか、なぜ増えているのかを解説します。スモールM&Aのメリットや仲介サービスの普及についても触れていますので、ご参考ください。

スモールM&Aとはどういうものなのか?

M&Aとは、企業の合併買収のことです。2つ以上の企業が一つになって対象企業が存続・拡大するケースと、1つの会社が他の企業を買い、売り手企業が消滅するケースがあります。

一般的なM&Aは、対象企業に年商数億円規模の大企業が含まれる合併買収を指します。 スモールM&Aとは、中小企業や個人事業主など、小さな会社同士が対象となる小規模な合併買収のことです。

譲渡や買収の額や対象企業の年商が一億円以下となるM&Aという認識が一般的となっていますが、明確な定義があるわけではありません。実際には、売買価格が数千万、数百万というケースのスモールM&Aも数多く存在しています。

比較的小規模の案件がM&Aの市場に顕在化してきたことで、日本でも有効な経営戦略として浸透し始めているようです。

日本にスモールM&Aが増えている理由

現在のM&Aの考え方はアメリカから伝わったものです。それ以前の日本では合併買収といえば、経営状況が悪化し自社を存続させることが難しくなった企業が、他の企業に自社を売ることで撤退時の損失を小さくする(利益化)する目的で行われていました。つまり、倒産などのネガティブな理由で発生し、売り手企業の消滅を意味する合併買収がほとんどだったのです。

そこに企業の合併買収を実行することの意義は、ネガティブな問題の解決だけではないという概念が認識されるようになります。企業の市場価値や自社事業のシェア拡大、新たな価値創造の可能性の拡大も実現できるものだというポジティブな考え方が加わったのです。これが、アメリカから伝わったM&Aの概念です。

経営悪化や赤字の企業だけでなく、たとえ黒字であっても、M&Aという新たなゴールが見出されたことで合併買収を視野に入れ、実際に踏み切る日本企業が増え出します。

以前の合併買収であれば、企業を買えるのは資金力のある大企業という認識しかありませんでした。しかし、スモールM&Aであれば、手が届く企業や人の範囲は広がります。その範囲には、個人事業主やこれから起業したいと考える一般の人たちも含まれることになります。

近年は、目まぐるしく変化するビジネス環境の中、企業が将来的に存続していけるかどうかが、以前にも増して不確実になっています。企業に属し企業に頼って働くより、起業というキャリアを選択する人の数も増えているようです。このこともスモールM&Aが加速している一因となっています。

中小企業が大半を占める日本ですが、小さな会社の創業者や社長の高齢化に直面していることも要因のひとつです。経営者自身の引退時期が迫り事業承継の必要性が出てきても、引き継ぐ人材が見つけられないケースが増えています。そこで、スモールM&Aがその解決策となっているわけです。

撤退により企業の事業が消滅すれば、その企業が持っていた技術やスキルも失われてしまいます。国もこの状況を深刻に受け止め、スモールM&Aの支援を強化しているようです。

WinWinが成立するスモールM&Aのメリット

スモールM&Aは、売り手にも買い手にもメリットをもたらします。

売り手は、現状の自社をキャッシュ化でき売却益を得ることができます。赤字企業の場合は損失補填も可能です。 事業を引き継ぐことのできる後継者も確保できますし、自社で働いてくれていた従業員の雇用も守ることができます。自社と取引をしていた企業も、取引先を失わずに済むのです。

もちろん、自社事業で培ってきた技術やノウハウを存続していけることも大きなポイントとなるでしょう。これらのことに関しては、スモールM&Aの該当企業同士の契約や交渉時に、ある程度の調整や変更はあるでしょう。しかしながら、自社を取り巻くすべての人たちの働く場所や収入源を維持できる可能性は確保できるのです。

買い手にとっては、売り手企業が持つ、設備や技術、ノウハウなどを時間をかけずに手に入れられる点がメリットです。すでに知識やスキルが豊富な人材がいれば、採用や育成の手間も省けます。

自社にない事業を買収した場合は、新規事業として自社戦略の中で収益を上げるための要素として取り込み、即稼働させることができます。同じような事業に携わる企業であれば、自社の市場シェアの拡大を狙うことも可能なのです。

スモールM&Aは、起業したい人が企業を買うという選択肢もあります。起業家にとっても、ゼロからの着手ではなく、すでに事業基盤やフローが確立された状態の事業を運営することができます。資金や準備期間を少なくして、早期に稼働できることがメリットとなるのです。

スモールM&Aの仲介サービスも活況

国内市場が縮小傾向にある中、企業を存続・成長させていくためには、新しい価値を生み出していかなければなりません。そのために新規事業への参入や事業拡大という戦略を取る企業が増えています。

また、中小企業の割合が大きい日本では、事業承継の課題に迫られる企業が増えていることもお伝えしました。これらのことから、スモールM&Aのニーズはますます高まっています。この状況を受け、スモールM&Aを行いたい企業を支援・サポートする仲介会社や機関も増えてきているようです。

もともと大企業のM&Aに携わっていた仲介会社も、小規模はスモールM&Aを視野に入れるようになっています。さらには、スモールM&Aに特化して仲介サービスを行っている企業もあります。 また、商工会議所や事業引継ぎ支援センターなどの公共機関でもスモールM&Aの支援を行なっています。M&A案件の紹介や案件成立までのサポートが提供されているのです。

インターネット上で売り手と買い手のマッチングを行うプラットフォームも登場しています。無料で登録でき、譲渡を希望する企業の情報を閲覧できるようになったシステムです。双方が無料で案件を進められるような仕組みになっているものもあります。

このようにスモールM&Aサービスが普及してきたことによって、企業のM&A(合併買収)は、より身近なものになってきているようです。

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