多店舗展開の失敗の原因と対策を徹底解説

ポイント
  1. 多店舗展開は地道で地味なことを繰り返す
  2. 経営者の感情的な意思決定は危険
  3. 見えていなかった盲点が致命傷に

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本記事では、多店舗展開をしていく中で、また、多店舗展開をしたいと思ったときによくある失敗についてご説明します。

店舗の場所を間違えてしまう失敗

多店舗展開の成功のためにドミナント戦略、狭いエリアにまずは出店をしていき、その中でNO1のポジションを取ることがとても効果的、貴方のビジネス自体を本質的に強くしていきます。そのためどこに店舗を出すのかということはとても重要になります。このことがわかっていたとしても、よくあることとして少し遠い場所に、

「なかなか出ないとても良い物件が出てきたり」
「店舗の譲渡の話がきたり」

ということが起きます。

経営者として何となく、感情的にカッコイイというような軸で意思決定してしまうことが人間なのであります。こんな物件、場所で店舗持てたらすごいなという感情に支配されてしまうのです。もちろんその場所が本当に勝算のある場所であれば何ら問題ないのですが、会社の状況や、多店舗展開の成功のための原則などと照らしたときに、本当にそこなのか?ということは冷静に、客観的に判断しなくてはいけません。感情的に良い話だと思って飛びついた話でうまくいったということはなかなか聞きません。

多店舗展開を成功させるポイントと仕組みの話も合わせてお読みください。

店舗のサイズを間違えてしまう失敗

こちらの失敗も店舗の場所を間違えてしまう失敗と同じです。
自らの事業モデルの勝ちパターンを無視してしまって、感情に流されてしまって(大きいお店はカッコイイ、スゴイなど)、自分の実力とはかけ離れたサイズの店舗でお店を出してしまうということがあります。

新しい業態をやりたくなってしまう失敗

多店舗展開の成功の大原則として、「決まったことをやり続ける、守り続ける」(もちろんPDCAを回し、改善していく部分は変えていくのですが)ということがあります。
勝ちパターンを徹底的に磨き上げ、その通りに実践していくことが多店舗展開には必要です。同じことを同じようにできるか?ということなのです。

つまり、多店舗展開というのは、少し見方を変えると、とても地味な地道なことなのです。
地味な地道なことだけに、経営者が我慢できなくなってしまって、新しい業態の店舗をやりたくなってしまったりするのです。もちろん新しいことをやることを否定しているわけではありません。新しいことをやっていい状況(現在の多店舗での状況全般)であれば良いわけですが、状況が悪い、または良いようにみえて肝心な部分ができていないようなときに、少しお金もあるし、ここまでうまくできたしというちょっとした油断があったりすると往々にして失敗をしてしまいます。

属人化の失敗

店舗を立ち上げて創業をしてから最初の頃というのは、経営者自身がオペレーションに入っていたり、とにかく何でもやっているということがあります。このこと自体は仕方ないことなわけですが、経営者がずっと現場仕事をしているということはよくありません。経営者だからできる、●●さんだけができるという状態=属人化状態になってしまいがちになります。属人化してしまうと、他の人はその業務の存在や、やり方を知らなかったりします。
1店舗だけで、経営者がずっと現場仕事をし続けるのであればまだしも(そのこと自体よくないのですが)、多店舗展開をしていくと、この属人化の要素が残っていればいるほど、店舗業務がうまく回らずに、属人化してしまっている人への依存が強まってしまいます。
この人がいないとできない、回らないという状況になってしまうので、とても効率が悪く失敗の大きな原因となります。

属人化を抜け出し中小企業が仕組み化で成長するポイントも合わせてお読みください。

入金、支払いサイトの失敗

多店舗になっていくことで売上、支払いなどが必然と増えていきます。そのときに、意外と盲点になっているのが、入金サイト、支払いサイトの問題があります。

入金サイトというのは、売上がいつのタイミングで入ってくるのか?ということです。
現金商売であれば商品、サービスが売れたと同時にお金が入ってきますよね。しかし、例えば、お客さんがカードで決済をした場合には、お店にお金が実際に入ってくるまでには時間がかかります。この時間のことをサイトと言っています。

支払いサイトというのも同様です。何か仕入れをしたものがあればその支払いはいつするのかということです。

理想は入金サイトは早いに越したことはなく、支払いサイトは遅いに越したことはありません。

入金サイトがとても遅く、支払いサイトがとても早いとなってしまうと、手元に現金がないとやっていけなくなってしまいます。世に言う黒字倒産というのは、まさにこの入金、支払いサイトの問題で起きています。

1店舗のときではなかなか気づかないのですが、多店舗になることでお金の出入りが大きくなるとこの入金、支払いサイトに気が付くことになります。売上あるはずなのに、なんでこんなにお金がないんだ、、、という感じです。失敗の大きな原因の1つです。

人材が集まらない失敗

多店舗展開を成功させるためには確固とした仕組みが必要なのですが、合わせて、その仕組みに基づいて働いてくれる人が集まらないと成り立ちません。その意味で、人材が安定して採用できる仕組みや働き手からみたときに働きたいと思ってもらえる会社、店舗になれているか?という観点がとても大切になります。せっかく素晴らしいビジネスの仕組みを持っていても、実際に働いてくれる人が集まらないと意味がありません。

たった1店舗の不祥事が全体を破滅させる失敗

多店舗展開の大きなリスクの1つとして1つの店舗で起きた不祥事が、他の店舗にも影響を及ぼすことがあります。実際としては何ら不祥事の影響は他の店舗にはなかったとしても、外からの見方というのは全然違います。不祥事を起こした店舗だと見られますので、その不祥事が業種的に致命的なものだったりすると、これは本当に取り返しがつきません。

最近では、アルバイトがSNSに様々な不祥事動画を投稿して炎上するケースなど頻発しています。普通に考えたらそんなことしないだろうということを平気でしてしまう人がいるわけです。このようなことを理解して、致命傷になるような不祥事は絶対に起こさないような仕組みをつくる必要があります。

そもそも商品、サービスに競争力がない失敗

商品、サービスに競争力が実はなく、簡単に誰でもできてしまうなどという場合に、競合企業の出現によって一気にビジネスが傾いてしまうことがあります。商品、サービス自体に必ず競争力があること、また、競合が現れることをしっかりとイメージしておいて、参入障壁、違いということを突き詰めていかなくてはいけません。商品、サービスがさほど強くなく、たまたま売れた、一過性の時流に乗ったことで、勘違いをして、多店舗化を急いで失敗したというケースは枚挙にいとまがありません。

多店舗展開のためには仕組み化が不可欠

多店舗展開における失敗についてご説明してきました。多店舗展開自体はうまくできると大変優れた戦略となるものです。多店舗展開を成功させるために、どういう思想、ポイントが重要になるのか

弊社の01組織クラウドをお使いいただけますとよりご理解いただけると思います。
まずは、社長がいなくても回る強い組織、仕組みの作り方について無料の動画をご用意していますので、是非合わせてご覧ください。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

1986年生まれ、横浜出身、慶應義塾大学法学部卒業。

23歳の時、病気をきっかけに、小学校親友4名、資本金5万円で株式会社ウェイビーを創業。

10年間で10,000人を超える経営者、起業家の「組織づくり」「売上アップ」に携わる。

社長がいなくても回る強い組織、仕組みをつくる「01組織クラウド

小さな会社、個人事業主のビジネス成長を実現する「01クラウド

の01シリーズを展開中。

2016年10月より、世界経済フォーラム(ダボス会議)の日本代表選抜
2018年9月より、徳島大学客員教授就任
2020年4月より、iU 情報経営イノベーション専門職大学客員教授就任

「行動の品質」「自分の力で稼ぐ力を身につける本」など著書7冊。
日経新聞、エコノミスト、NHKなどメディア掲載も多数。