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「pairs」や「freee」など話題のサービスを生み出した起業家3人が語る、マーケティング戦略の方法論

ポイント
  1. 市場獲得に向けた戦略マーケティング
  2. 起業家として生きる中で、一番辛かった敗北は?
  3. freeeやpairsの起業家が語る!集客についての具体的な方法とは

目次 [非表示]

freeeやpairsの起業家が語る!集客についての具体的な方法とは

吉岡:集客について具体的なところをお伺いしたいのですけれど、例えば「pairs」の場合ですと、検索エンジンでも出会い領域の検索回数は多いですしFacebook広告でも多くの広告をかけていたというイメージでした。
 
石橋:そうです。広告予算の大半をFacebook広告に投資しています。
 
吉岡:freeeさんの場合、市場でも新しいサービスなので、検索エンジンにおいても検索回数が多いわけでもないので、集客の流入経路はどうなっていたんですか。具体的な集客方法についてお伺いしたいです。
 
佐々木:最初は、完全にソーシャルで口コミだったので、プロダクトを頑張りましょうっていうのと、ソーシャルでの情報発信をしっかりするというところだけでしたね。
 
どっちかというと、プロダクトをしっかり頑張りましょうで、最初のきっかけっていうのは作れたのかなと思います。なんだかんだいって、世の中で会計ソフト自体は探している人が多くて、ある程度、Web上で、「これからはクラウドの会計ソフトっていうのも選択肢にいれるべき」という評判ができてくると、会計ソフトっていうのを探している人がどんどんターゲットに入ってくるようになるので、そこをやります。
 
更に、その先のタイミングでやっていたのは、僕としてはコンテンツマーケティングです。要は、経営者向けのメディアっていうのを展開していくっていうのと、あとは、そのぐらいからFacebookとかをやり始めてもいいかなという話になりました。
 
最初は本当に口コミ、検索で、コンテンツとかFacebookとかそういうことになっていきます。更に、オンラインマーケティングにある程度、投資した段階で、今度、セールスを始めましたね。
 
それまで完全にオンラインでセルフサービスでやっていたのを、サインアップした人にきちんと電話で営業する、サポートするという話です。営業なんかしなくても勝手に向こうから使ってくれる方もいらっしゃいますが、裾野を広げていくにあたってきちんと営業でフォローする体制も必要になってきます。
 
その次に、この過去1年ぐらいで必要としているのは、会計事務所系のチャネルを開拓することですね。ある程度、世の中の評判っていうのが作れるようになった段階だと、更にチャネル、パートナーっていうのがついてきやすくなるっていうふうには思っています。
 
吉岡:そういうマーケティングの順番があると思います。この段階ではこれ、この段階ではこれって。最初に全部、計画をたててやるのと、サービスが成長に応じて次に何をするのかを考えながら決めるのと、どっちなんですか。
 
佐々木:両方だと思うんですけれども、ただ、さっきの会計事務所さんの話っていうのは、Googleの経験をもとに割と最初に考えていて、Googleって日本の法人は、最初に広告代理店に営業に行ったんです。
 
でも、買わないんですよね。やっぱり、インターネット広告の黎明期とかって、大手代理店がすごく出遅れたんですね。今でこそ、キャッチアップしていっていますけれど。
 
一方で、広告主側は、すごいインターネット広告に興味津々なわけなんです。これって、中間にいる人たちよりも、エンドユーザーのほうが先に買われるし、その圧力がないと、中間にいる人たちっていうのは買わないっていうのは、鉄則なんじゃないかなと、そういうことはなんとなく考えていました。
 
あとは、いまできそうなことのなかで、ベストなことは何かって考えて積み上げていくっていうことが大きいかなと思います。
 
石橋:僕らも結構、似たような感じですね。ある程度やるべきことのあたりだけついておいて、実際にやっていくうちに、ここは違う、ここは違う、と、フェーズによって施策を変えているかなと。
 
身の丈にあったという意味で、フェーズで変えていくし、それは最初から戦略的なものもあれば、あとから思いついたものもたくさんありますね。
 
吉岡:お時間はあっという間でして、残り時間もわずかになってきました。是非、皆さんから質問を受けたいなと思っています。時間が限られていますので、お二人いらっしゃるなかで、どちらか指名してご質問いただけるとありがたいです。
 
時間的に、ご質問できるのは1人、2人になりますので、我こそはという方は、是非、挙手をお願いします。では、どうぞ。
 
質問者1:本日は貴重なお話をありがとうございます。佐々木さんにご質問なんですけれども、いま、起業した方って、だいたい5年以内に90パーセントが倒産してしまう、失敗してしまうと聞いたことがあるんですよ。
 
それでも、いま成長し続けている、それはフォーカス、どこをみているかというのもあると思うんですけれども、他の企業とfreeeさん、一番の違いって何なんでしょうか。抵抗を押し付けている、中間みたいなものがあれば教えてほしいなと思っています。
 
佐々木:難しい質問ですね。それでいうと、そこで、割と失敗を恐れないところって大事なんじゃないかなと。僕たちのプロダクトを最初にリリースするときって、それだけ評判がわるかったので、もっと、短期的に前倒しできそうな方向性にシフトしようというのもいろいろあったんですね。
 
例えば、会計ソフトを作るんじゃなくて、会計ソフトに連動したおまけツールを作ろう、みたいな感じにすると、圧倒的に規模が小さくなるんだけれども、サヴァイブするという、生き残るためのビジネスを作るというのは、やりやすかったと思うんですね。
 
でも、それって、5年後どうなんだっていうと、やっぱりより危うくなっちゃうような気がしていて、そこで、別に、ある意味、失敗を恐れずに大きいマーケットを狙っていく、それが大きな違いだったのかなと思います。
 
だから、短期的には失敗する確立が高い、上がるんですよ。だからそれを、いかに前倒しをしちゃうかというところが、重要なんじゃないかと思います。
 
質問者1:ありがとうございました。
 
吉岡:では、あともう1人。元気よく挙げていらっしゃる方。
 
質問者2:石橋さんに質問です。ユニットエコノミクスの話があったんですけど、「pairs」より「Couples」のほうがユニットエコノミクスが成り立ちにくそうだなという印象がしたのですが、わざわざリソースを割いてまで「Couples」の開発に至った経緯を教えてください。
 
石橋:「Couples」は広告収益型のビジネスモデルですので、「pairs」の月額サブスクリプション型と、単純にLTV比較はできません。
 
また「Couples」はサービス構想の段階から、ユニットエコノミクスの成り立つ、成り立たないっていうような話とは別軸で考えていました。
 
もともとは「pairs」って毎日使うアプリじゃないよね、という僕らの課題感からスタートしていたんです。なので、そこで選択肢として思い浮かんだのが、コミュニケーション分野でした。LINE、Facebook、その他SNSやメッセンジャーなど。
 
しかし、そこでいきなりLINEやFacebookと同じことをやっても勝てるわけがないので、「pairs」で出会ったふたりが交際を始めた後に使うイメージで、カップル向けのコミュニケーションアプリを開発することにしました。まずはトラフィックをしっかりと獲得し、その後、広告でマネタイズに本格的に取り組もうと考えてスタートしたというのが実際のところです。
 
吉岡:では最後に、お二人から会場に来ている皆さんに、気合が入る言葉をいただいて締めさせていただきたいと思います。佐々木さんからお願いします。
 
佐々木:会計ソフトとか、私たちがやっているような領域って、そんなに、たいして競合の数もありません。僕、最近、世界中のこういうクラウド会計ソフトの会社から相談を受けるんですけれど、そうすると、ブラジルとかって、既に30とかあるんですよね。クラウドの会計ソフトっていうのが。
 
日本はそういうのでいうと、まだまだ甘いなという気がしているので、是非、これって行けるんじゃないかと思ったら、そこは徹底的にやって、なおかつ、小さいアイデアでいくんじゃなくて、なるべく、失敗を早くするっていう、さっきの話なんですけれども、そういうふうにやっていってもらうといいなと思います。
 
ただ、その勇気がないという人は、まずfreeeで修行していただいて、勇気をつけるためにやっていただけるといいんじゃないかなと思います。
 
石橋:今回、テーマが「戦略マーケティング」でしたが、そもそも、僕は、サービスを成功させるには、もちろんマーケティングだけでは足りないと考えています。マーケティング戦略、プロダクト戦略、マネタイズ戦略、この3つが揃って初めてサービスとして成功する
 
プロダクト戦略でいうと、プロダクトのバリュープロポジションとニーズがしっかりと市場に存在していて、かつ、それが実現できている、体現できているプロダクトであること。ここがズレているというケースは少なくないと思います。
 
そして優れたマネタイズモデルが成り立つこと。月額サブスクリプション型というのもそうだし、CtoCの課金手数料というのも、優秀なビジネスモデルだと考えています。
 
しかし、結局、プロダクト戦略とマネタイズ戦略はあっても、マーケティング戦略がない事業が世の中ではまだ圧倒的に多い。最初にお話したような、競合優位性の見通し、ニッチ市場だが今後伸びていく市場であること、(企業によっては)グローバル展開の可能性。
 
あとは、これは先ほどのマネタイズ戦略にも関わるのですが、優秀なマネタイズモデルが成り立つ市場であるということ。この4つの観点をもとに選択してもらえたらと思っています。
 
もし、これら4つの観点で、そう簡単にマーケティング戦略が思いつかないよという方は、エウレカにぜひ一度来ていただいて、そこを学んでいってもらえればなと思っています。ありがとうございます。
 
吉岡:本日モデレーターをやらせていただいて、お二人のお話が本当に勉強になりました。タイムマシンがあれば、10年前の僕に今日の話を聞かせたかったなと思います。石橋さん、佐々木さん。今日は貴重なお話ありがとうございました。

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著者プロフィール

吉岡諒

吉岡諒

株式会社ウィルゲート 専務取締役 共同創業者 1986年生まれ。岡山県岡山市出身、慶應義塾大学経済学部卒業。小学校1年からの幼馴染の小島と共に高校卒業3日後から起業。2006年、19歳で株式会社ウィルゲートを設立。2012年に記事作成特化型クラウドソーシング「サグーワークス」、2014年に暮らしのアイデア投稿プラットフォーム「暮らしニスタ」をリリース。現在はコンテンツマーケティング事業部の責任者として全サービスの管掌役員を務める。

佐々木大輔

佐々木大輔

freee株式会社 代表取締役 シェアNo1のクラウド会計ソフト・給与計算ソフト freee を提供する freee株式会社代表取締役。 Google にて日本およびアジア・パシフィック地域での中小企業向けマーケティングチームの統括を務めた後、2012年にfreeeを創業。それ以前は、博報堂、投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズを経て、スタートアップALBERTにてCFO兼レコメンドエンジン開発責任者などを経験。一橋大学商学部卒。学生時代には、データサイエンスを専攻しインターネットリサーチ会社にて新しい調査手法の開発に従事。

石橋準也

石橋準也

株式会社エウレカ 代表取締役CEO 東京理科大学入学と同時に、Webシステムの受託開発会社に入社。学部2年時に当時専攻していた建築よりもITの方が面白いと考え、大学を中退。以降エンジニアリングに専念し業務を行うかたわら、個人でもWebシステムの開発案件を請け負う。2010年に転職。IT・物流・CSの統括マネージャー及び自社Webサービスの事業責任者を経験。2013年、株式会社エウレカに入社。2014年7月、執行役員CTOに就任。2016年1月、取締役COO兼CTO就任。2016年8月、代表取締役CEOに就任。