ファイナンシャル・プランナーで独立・開業するには!?

ポイント
  1. FP事務所の業務・ビジネスモデル
  2. FP事務所の設立を徹底解説
  3. FP事務所の売上と利益の仕組みを徹底解説

目次 [非表示]

FP事務所の設立を徹底解説

以前までは、「お金は銀行や郵便局に預けるもの」と相場が決まっていました。しかし、異次元の金融緩和による低金利時代に突入した現代においては、少しでも利回りの良い金融商品にお金がシフトしていくことが予想されます。
さらに言うと、日本の個人金融資産は約1700兆円あり、そのほとんどが未だに普通預金、普通貯金に眠っている状況ですので、これだけでもFPに対する潜在的ニーズは高いと考えられます。
また、将来の不安から、年金・保険・相続などの相談ニーズもますます増えてくるでしょう。

まずは資格を取ろう

FPとして独立・開業している人はどのような経歴の方々でしょうか。

代表的なのは、金融機関や不動産会社に勤めていた方が、その知識や経験を元に開業するケースです。前職からの人脈も活用できれば、スムーズに事業を展開していくこともできるからです。

一方、このような経歴の方々ばかりがFPとして活躍されているわけではありません。「親の遺産相続で苦労した」、「銀行に勧められた投資信託で損をした」など、自らの苦労や失敗がきっかけとなってFPになったという方もたくさんいらっしゃいます。そして、このような方々はほとんどがFP資格の取得を目指します。それはなぜでしょうか。

知識が無いからです。

FPというのは顧客の大切な財産を扱う仕事です。もちろん経験も大切ですが、正しい知識に基づいて業務を遂行しなければなりません。特に、税に関する法律は毎年ころころ変更されますので、「知らなかった」では済まされません。

さらに言うと、FPには出来ることと、出来ないことがあります。当たり前ですが、具体的な税金相談や法律相談はできません。これらは税理士や弁護士のお仕事になります。これは法律で決まっています。FPは一般的な税制や法律の仕組みの説明に留めなければなりません。

このようなやっていいことと、やってはいけないことの線引きも、一つの知識です。

そして、最後になりましたが、当然のことながら資格は対外的な信用・信頼の裏付けとなります。

事務所は必要??

FPとして独立・開業するにあたって、専用の事務所は必要なんでしょうか。あるいは自宅でも別にいいんでしょうか。

多くの場合は、自宅開業で問題ありません。これはFPの仕事をイメージすると分かりやすいと思います。顧客のほとんどはご主人さんお一人、もしくはご夫婦お二人です。そして書類やパソコン画面を使いながら相談に応じるわけです。パソコンとプリンターがあれば最低限の成果物も提供できます。

ただ自宅といっても、顧客を自宅に招くわけですから、それなりの空間というか、整理整頓された打合せスペースは作らないといけません。

また開業当初は、結局のところ顧客は知り合いってことになるケースが多いのではないでしょうか。以前の同僚や取引先で仲の良かった人、同級生、先輩・後輩などの方々です。相手にもよると思いますが、多少プライベートな場所の方が本音で話ができるってこともあると思います。最悪、自宅から少し離れた場所にお住まいの方であれば、相手の自宅にお邪魔することもできます。

何か似てませんか。保険の営業と。
皆さんも知り合いの保険営業マンから保険を勧められたりしませんか。あんな感じをイメージしてください。

ただし、自宅開業にも注意点はあります。それは書類の管理方法です。
FPはお金に関する相談を受ける仕事です。当然、顧客の資産状況に関する情報を知る立場になるわけです。相談内容によっては情報が記された重要資料を預かることも考えられます。いくら知人だと言っても気にする人は気にします。従って、貸金庫などの文書保管サービスの利用も想定しないといけません。

もちろん、FPとしての実績が評価され、知人の紹介を通じて多くの顧客に恵まれる状況になれば、自宅での業務にも支障が出てくると思われます。
ましてや、法人を顧客にするような段階になれば、さすがに自宅というわけにはいかないでしょう。

その時、初めて専用の事務所を構えるというスタンスで良いと思います。やはり対外的な信用面、安心感も自宅よりは高いと言えます。
さらに自ら独立・開業した仕事の成長を肌で感じることもできるでしょう。仕事とプライベートの区別がより明確となって、更なるモチベーションアップにもつながるかもしれません。

その他、必要なものは??

FP業界は知識集約型産業と言えます。コミュニケーション能力はもちろん必要ですが、知識がモノを言う仕事です。その裏付けが前述の資格ということになります。

と言うことは、自分自身が最強のツールであり、それ以外で必要なものと言えば、パソコンやプリンターといった直感的に仕事に必要な機器・備品として思いつくものになるでしょう。

このような、いわゆるハードウェア以上にFPにとって重要なものがあります。

それは情報です。

何度も申し上げますが、FPはお金に関する相談に応じる仕事です。そしてお金を取り巻く環境は短期的にも、長期的にも必ず変化をしていきます。例えば、株価や為替レートは時々刻々変化していますし、税制は毎年のように変更・修正が実施されます。

顧客の相談事、関心事も時間軸で言うと、様々です。
差し迫った住宅ローンの話もあれば、生まれてくる子供が就職するまでの話、更には顧客自身の相続の話など、時期を想定できないものまであります。

このような事態に備えるためには、常に最新の情報が入手できる体制が求められます。実はこの体制を整えないままFPとして独立・開業した結果、短期間で挫折を強いられるケースが多いのも事実です。

しかし、この体制というのは決して難しいものではありません。なぜなら、体制と言っても独立・開業時にはあなた一人しかいないわけですから、あなた自身が常に最新情報を得る意識・行動をすればいいことです。

幸い、FP(ファイナンシャル・プランナー)という言葉はここ数年で大きく認知度を上げました。それに伴い関連団体(金融財政事情研究会や日本FP協会)主催の勉強会、セミナー、交流会などが盛んに開催されています。

独立・開業当初はどうしても顧客を増やし、収益を上げることに集中しがちです。しかし、開業当初だからこそ、最新情報の入手に努め、顧客の信頼を勝ち取り、更には人脈まで構築することが求められます。

FP事務所の売上と利益の仕組みを徹底解説

FP事務所として、売上・利益を獲得するためには、どうすれば良いのでしょうか。

開業初年度にするべきこと

先程も申し上げましたが、FP事務所の売上の基本は以下の通りです。

・顧客からの相談料
・ライフプラン表などの作成料

格付けチェックでは安定性をCとしましたが、相談回数が増えればそれだけ紹介をいただける可能性も高くなり、安定性は増していくと想定できます。従って、開業初年度は特に顧客の信頼を得るため、過度な営業行為は慎み、FPの基本である「顧客利益の最優先」を最重要課題とすべきです。
結果として、新規顧客が増え、経営が安定するといった好循環が生まれてきます。

開業2年目以降にするべきこと

初年度は「顧客利益の最優先」を最重要課題としましたが、2年目以降は何が課題となるのでしょうか。

それは継続顧客をいかに作るかということです。

好循環に入ると新規顧客からの問合せや相談が増えますが、これら新規顧客をいかにして継続顧客にすることができるか、これが課題と言えます。

FPに対する相談として多い事項の一つに保険相談があります。生命保険、医療保険、所得補償保険など、様々な保険を検討していく中で最適なソリューションを提案するわけです。

しかし、この提案は一度行って終わりではありません。保険というのは、その性格上、実際に保険行為が実行されるのは何十年後ということが多いのはご理解いただけると思います。

その何十年の間には、顧客にも様々な変化が起こっているケースがあります。「双子が生まれた」、「ご主人がリストラされた」など、当初は想定していなかったことが起こるものです。

結果として、保険内容の見直しが発生することもあるわけです。このようなタイミングはFPとしてビジネスチャンスとなります。従って、一度何らかの相談に応じた顧客とは定期的にコンタクトを取ることが必要です。

さらに、相続に関する相談においては、このようなケースも想定されます。

相続税制が変更になった。

税制というのは毎年何らかの変更が行われます。変更内容は大小いろいろですが、以前提案した内容の前提条件が全く変わってしまったというケースも十分考えられます。

そのような時、顧客は誰に相談するでしょうか。初めて訪問する銀行の支店ではなく、日頃からコンタクトを取っているFPに相談するのではないでしょうか。

 

このように、FP事務所としての売上と利益は以下の2点に集約されるわけです。

・新規顧客の獲得
・新規顧客を継続顧客

そして、これら2つの実現において欠かせないことは、「顧客利益の最優先」となるのではないでしょうか。

関連記事