ファイナンシャル・プランナーで独立・開業するには!?

ポイント
  1. FP事務所の業務・ビジネスモデル
  2. FP事務所の設立を徹底解説
  3. FP事務所の売上と利益の仕組みを徹底解説

目次 [非表示]

FP事務所の現状と今後の展望

FP事務所の現状

日本FP協会によると、2016年7月現在のFP資格認定者数は175,160人、その内の7%がFP事務所、または士業事務所に所属しているとのことです。また、約70%の方々は金融機関を中心とした企業に所属している、いわゆる企業内FPです。
つまり、現在のFP事務所は強力なインフラ、リソースを持つ銀行や証券会社及び生命保険会社などとの競合関係にあるということです。

例えば、銀行は預金を集め、企業に融資するというビジネスモデルでしたが、現在はそれらに加え、投資信託などの金融商品や保険商品の販売にも大変力を入れています。いわゆる手数料収入のアップを狙っています。銀行の支店に行けば、「ライフプラン相談会」、「相続」、「事業承継」といった文字を必ず目にすると思います。

一方、このような企業内FPから独立・開業するFPも多いという事実もあることから、企業内FPと独立・開業FPとの棲み分けは十分可能と考えられます。

FP事務所の今後の展望

先程、銀行が「相続」や「事業承継」といった領域にもリソースを振り分けているという話をしました。これは銀行に限ったことではなく、証券会社や保険会社にも言えることです。

このことは、FP事務所からすると脅威と捉えることができる反面、見方を変えるとチャンスでもあります。大手企業がこぞって参入するということは、それだけビジネスになるということだからです。

更には、一度信頼を得ることができれば、かなりの確率で生涯のお付き合いができるビジネスでもあります。

また、近年はSNSを中心とした、いわゆる「クチコミ」がビジネスの成否を握っています。元々は飲食店などが中心だったこの「クチコミ」ですが、様々な業界に波及しており、FP事務所も例外ではありません。

これまでは、税理士や弁護士といった方々がFP事務所にとっての重要なパートナーでしたが、今後はSNSを活用するためのITパートナーも必須条件になってくるのではないでしょうか。

FP事務所まとめ(ランキング考察)

・安定性
金融機関などの出身者で、当時の顧客との関係性を活用できる場合を除き、開業後すぐに安定した収益を出すのは難しいと想定されます。固定費が少ないというメリットはあるものの、当初は信頼関係構築を重視しなければならないと思われます。
これらの条件により安定性はCと判定。

・成長性
今後、需要は増えることはあっても減ることはないと想定されます。だからこそ、金融機関も積極営業を行っていると言えます。
ただし、FP事務所としての作業量には自ずと限界があり、金融機関が対象としない小規模案件をコツコツとこなしていくことになります。
これらの条件により成長性はBと判定。

・収益性
一定の価格体系は必要ですが、FPの仕事は人間関係・信頼関係が重視されます。従って、利益率はその関係性の深さ・濃さに比例するとも考えられます。また、一度関係性を構築できれば、生涯に渡っての顧客となる可能性もあります。
一方、相談内容が専門性を帯びてくるとFPとして対応できる領域には限界があります。つまり、税理士や弁護士の協力を仰がなければならないため、そのコストが相応の負担となるでしょう。
あくまで一個人相手のビジネスが多いことも想定すると、小さな利益を積み重ねていくことになると考えられます。
これらの条件により収益性はBと判定。

・実現性
開業自体のハードルは非常に低いと言えます。自宅開業であれば、開業資金もかなり少なくすることが可能です。
ただし、顧客に最適なソリューションを提供しないと収益が出せませんので、一定の知識が必要です。特に第三者に対して訴求できる知識力、すなわち資格は必須とお考え下さい。
一般的なFP資格であるAFPは合格率が概ね40%、上位資格となるCFPになると合格率が7~8%となります。
これらの条件により実現性はAと判定。

・競合性
何度も申し上げますが、金融機関が積極営業を展開しているマーケットです。また個人開業の実現性も高いので、競合性は非常に高いと言わざるを得ません。士業との連携や人脈、小規模な事務所ならではのきめ細かいサービスが命運を握ります。
これらの条件により競合性はAと判定。

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