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成功の秘訣は「ストーリー・共感・リターン」~専門家が語る、クラウドファンディングの可能性とは~

ポイント
  1. ネットビジネスで起業、資金調達の成功と失敗
  2. 起業の成功に必要な「8:2の法則」
  3. 理論を学ぶことは、起業の成否にかかわる
  4. 第一人者が語る、今後クラウドファンディングを活用してほしい分野

目次 [非表示]

①ネットビジネスで起業、資金調達の成功と失敗

 

助っ人編集部

 

まずはご経歴から教えてください。

板越さん

 

高校卒業後の1988年に渡米して、アメリカの大学を卒業して、その後1年間ニューヨークの出版社で働きました。1995年、インターネットがこれから出て来るというときに、起業。いわゆるネットバブルの走りでしたね。

助っ人編集部

 

最初はインターネットビジネスでスタートされたのですね。

板越さん

 

でもその後ネットバブルが崩壊して、ちょっと雲行きが怪しくなり、2001年に起こった9.11をきっかけに会社が倒産してしまいました。

助っ人編集部

 

その後はどうしたのですか。

板越さん

 

資金調達の素晴らしさと同時に、怖さを味わって、もう自分では2度とビジネスはやるものかと思っていましたが、ニューヨークには住み続けていました。 そのうち、「アメリカに進出していきたい」という起業家やアーティストなどが質問に来るようになりました。

助っ人編集部

 

主にどんな悩みを相談されたんでしょうか。

板越さん

 

起業家の人たちの悩みは、やはり資金調達。特にアメリカに来て日本人がお金を借りられるかというと、まず無理ですので、初めの資金調達をどうしたらいいか。 ちょうどアメリカでは2009年ぐらいから「キックスターター(アメリカのクラウドファンディングサービス)」が始まって、クラウドファンディングという言葉を聞くようになりました。その仕組みを、ニューヨークに進出してくる日本の起業家に使えないかということで、研究を始めたんです。

クラウドファンディングは大きく3タイプ

 

助っ人編集部

 

それが、クラウドファンディングとの出会いだったんですね。クラウドファンディングには具体的にどういったものがあるのでしょうか。

板越さん

 

クラウドファンディングには大きくわけて3つの種類があります。1つは「購入型」。1つは投資、「金融型」。もう1つは「寄付型」です。まずこれをごっちゃにしてはいけない。 いわゆるクラウドファンディングと言われるのは、キックスターターとかキャンプファイヤーなどの行っている、「購入型」です。 「金融型」というのは、今で言うフィンテックの分野になるのかなと。 「寄付型」に関しては、今更クラウドファンディングと言わなくても、寄付というのはもともと不特定多数の人から集めるものであって、それがたまたまインターネットの出現によって、そのプラットフォームを通して、たまたま寄付型クラウドファンディングと言われていると思います。

助っ人編集部

 

特に1番目の「購入型」で起業家が意識するべきところは何ですか。

板越さん

 

いつも僕は「クラウドファンディングはあくまでも入り口であって、クラウドファンディング自体が目的ではない」と言っています。 クラウドファンディングを成功させるためには何が必要かというと、出口戦略、これがないといけない。 起業に必要なのは「8割の情熱と2割の理論」と言われます。僕は「8:2の法則」と言っていますが、情熱だけではダメで、理論が通っているかどうか。 結局クラウドファンディングが、何のためにやるのかというところをまず明確にしなければいけないということです。

 

②起業の成功に必要な「8:2の法則」

 

助っ人編集部

 

出口戦略の中身を具体的に伺いたいのですが。

板越さん

 

はじめはみんな、クラウドファンディングは資金調達の手法だと思っていたんです。例えば、ある大学のプロジェクトで「100万円が集まったらこのプロダクトができる」というものをやりまして。100万円が集まって300個の商品をリリースができて、でも、それで終わってしまったんです。 本来ビジネスは、その後継続的にその商品が売れていくことが目的です。クラウドファンディングで100万円集めて、そのものをプロダクトアウトすることが目的ではないですよね。

助っ人編集部

 

ビジネス的視点を持ち、今後の展望まで見据えたうえで実施するのが正しいやり方。

板越さん

 

「良い商品を出せば売れるだろう」「世の中の人が使ってみればわかるだろう」と日本人は思うのですがそんなことはありません。 アメリカはマーケティングの国なので、それをいかに継続的に売り続けていくのかというところまでちゃんと考えています。それで商機があったときに初めてプロダクトを出していくというのが本来の姿なのです。 これはクラウドファンディングに限ったことではなくて、ビジネスをやっていくうえでちゃんとそういうものを組み立てないとだめです。

助っ人編集部

 

プロダクトを出して終わり、ではクラウドファンディング本来的な部分を活かせていないということですね。

板越さん

 

そういった方がコンサルに来ても「あなたのクラウドファンディングを成功させるのは簡単にできます。でもやって終わりますよ」と言うんです。 「そうではなくて、その後にどういうふうにやっていくのかを計画を立ててからクラウドファンディングをどうやるかを考えましょう」ということを言っているんです。

助っ人編集部

 

深く学ばないまま行き当たりばったりでやってしまっている人が多いことについてはいかがでしょうか。

板越さん

 

僕のことを知っているのであれば、なぜ本を読んでから理論通りにやらないの?という感じですけれども。 でも、僕も起業家としてMBAをとるまで、ビジネスなんて勉強したことはありませんでした。それまでの僕は週刊SPAとかでも「MBAなんてくそくらえだ、こんなもんいらねー」なんて言っていたのですが、勉強してみて、経営に関してのほとんどのことがMBAの教科書に出ているということがわかったんです。もっと早くから知っていればよかったのにと思いました。 だからクラウドファンディングをやろうと思う人も、ちょっと勉強してもらいたいなという感じです。勢いだけでやっても成功しないよと。僕も勢いだけでやってきて、ある程度は成功しましたけれど本当の果実を掴むことはできませんでしたから。 だから、これから起業する人たちには果実を取るためには1回しっかりと本を読むなりして勉強してもらったほうがいいと思います。

③理論を学ぶことは、起業の成否にかかわる

 

助っ人編集部

 

日本の起業の歴史を見てみると、1970年が第1ベンチャーバブルと言われていて、実は50年弱の歴史しかないんですよね。最近になってようやく起業の方法論のようなものが、浸透してきつつあると思うのですが。

板越さん

 

アメリカの場合、ほとんど大卒・大学院卒の優秀な人たちが起業する。他にも韓国なども、起業している人は大学院卒が多い。 一方で、日本の起業家の人たちはほとんど高卒か、一部の大卒なんです。もともと学がないところからいくと、どうしても勢いだけで行ってしまう。そうすると、あるところで頭打ちして、それが連鎖してしまうというところだと僕は思うんですね。

助っ人編集部

 

それはご自身の経験から体感されたことだとか。

板越さん

 

はい。先ほど話を飛ばしましたけれども、中学時代はジャニーズに入っていて、勉強なんか全然しなかったので、結局大学に行けず、一浪してもどこにもいけないほど勉強ができない子でした。一念発起してアメリカに渡って一生懸命勉強するようになったんです。 だから、このクラウドファンディングに関しても、自分の経験値で語るのではなく、理論を追求して、それをみなさんに伝えていくような立場になろうと思ったわけです。

助っ人編集部

 

板越さんのご経歴から言えば、もともと高学歴ではない人でも、遅くはないということもいえるかもしれません。

板越さん

 

そうですね。僕は40過ぎてから大学行っているわけなので、今からでも遅くありません。コンプレックスをもって生きていくのは結構しんどいので「克服できることは早めに克服したほうがいいよ」といつも言っているんです。

クラウドファンディングは幅広く活用できる

 

助っ人編集部

 

私は最初、クラウドファンディングは初期のところで活用するものと思っていたのですが、起業のステージによって活用方法がいろいろあるのでしょうか。

板越さん

 

僕は起業のステージはあまり関係がないと思います。クラウドファンディングはある事業をやるときの入り口だということです。 例えば僕が手がけた案件で、岡山の旅館の新しいスイートルームをつくるというものをやりました。山奥のもともとあった旅館でしたが、そんなところでもトータルで2,000万円ぐらいお金を集めたんです。 クラウドファンディングの成功の秘訣は、「ストーリー性」と「共感性」、そして「魅力的なリターン」なんです。新しい事業じゃなくてもこの3つがあればクラウドファンディングは始められます。

助っ人編集部

 

なるほど。既に起業している方でも、ステージに関係なく、やり方次第で始められるということですね。

板越さん

 

年商何十億という売上げがある会社で、新しいプロダクトをリリースするときにクラウドファンディングをやって成功する事例もたくさんあります。

④第一人者が語る、今後クラウドファンディングを活用してほしい分野

 

助っ人編集部

 

今クラウドファンディングは少しずつ増えてきて、いろんな成功事例があると感じているのですが、今後のクラウドファンディングはどのような動きをされるか、お考えを教えてください。

板越さん

 

プロダクト系、フード系、コミュニティ系は引き続き伸びてきて大きい案件も出てくるのではないかと思います。日本でもう少し調達額や件数が上がってもいいなと思うのは、音楽とか映画づくりとかです。 例えばアメリカの場合、音楽は、去年も一昨年もグラミー賞にノミネートされたもののいくつもクラウドファンディングが始まっていますし。 今流行っている「この世界の片隅に」もクラウドファンディングが無かったら劇場化されなかったアニメだったりするので。もっと日本のメジャーなアーティストや映画とかアニメなどが出てくると、さらに裾野が広がっていくと思います。

助っ人編集部

 

本当に特殊なものでない限り、起業家はクラウドファンディングの仕組みを活用できるノウハウや経験を積んでいったほうがいいのでしょうか。

板越さん

 

そうですね。マーケティングの一環ですよね。だから、キックスターターとかはキャンペーンと言いますからね。立案のことを。

助っ人編集部

 

そこである程度社会から認知されない、支援者が集まらない、PRしても反応が無い、となると、その時点でそれはリリースしても売れないということが確認できるということですね。

板越さん

 

それは世の中に必要とされていないものであったり、プレゼンの仕方が下手ななんですね。だから、そもそもプレゼンの仕方が下手な人は上手くいかなかったりします。

助っ人編集部

 

起業家力というか経営力というか、チームとしての質の問われているような感じですね。イメージがガラッと変わりました。既に認知されている部分はあるとしても、もっともっといろんなところで使えるので、起業家が身につけておくべきスキルになりそうですね。これからクラウドファンディングを考えている人は、まずはこういった記事や本を読んでからというところで。

板越さん

 

読んで勉強してください、さらに勉強したい人がセミナーに参加されたりとかすると良いと思います。

起業家が専門家を活用できる環境を

 

助っ人編集部

 

最後に、伝えておきたいことがあればお伺いしたいのですが。

板越さん

 

アメリカでは既に存在しているのですが、僕らのようなクラウドファンディングのアドバイザー、コンサルタントというかプロデューサーのような人が今後必要になってくると思います。 結局起業家の人が細かいところまで全部できるのかというと、本を読むなどたぶん大変だと思うので、こういうのはプロに任せていくということが必要になってきます。 例えばインターネットができたとき、初めはWebサイト制作って自社で人を雇ってやっていたわけです。でも今は自社でWebを作ることはあまりないですよね。その後のメンテナンスはあっても、大体は外注するという話になる。それと一緒で、そういう人たちが全国に育っていけばいいなと思っているので、僕は本を出してから日本全国で講演をやっています。

助っ人編集部

 

専門家の指導を受けるほうが成功率は上がると。

板越さん

 

そうです。日本でもクラウドファンディングを成功させるためのコンサルタントは必要だと思います。僕はその第一人者として、養成講座というものをやり始めているので、ここでしっかりと理論を固めていきたいなと思っています。v

助っ人編集部

 

起業家を支えるクラウドファンディングの専門家を、どんどん輩出されることを心待ちにしております。貴重なお話、ありがとうございました!

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助っ人編集部

助っ人編集部

起業家を増やし、一緒に世界を楽しくするべく立ち上がった助っ人編集部。 起業家、起業を志す全ての方へ、全国の有力な起業情報をお届けします。 無料会員登録をしていただくと さらに多くのコンテンツをご覧いただけます! ホームページ: https://suke10.com/

板越ジョージ

板越ジョージ

クラウドファンディング総合研究所 ニューヨーク在住の国際経営コンサルタント、経営学者。日本におけるクラウドファンディング研究の第一人者と呼ばれている。MBA、博士(学術)。 Global Labo, Inc.(NY)CEO、(株)クラウドファンディング総合研究所所長、中央大学政策文化総合研究所客員研究員、中央大学ビジネススクール戦略アカデミーフェロー、在NY日本国総領事館海外安全対策連絡協議会委員、坂本龍馬財団理事。元ジャニーズジュニア。血液型A型。東京都葛飾区出身。 著書に「日本人のためのクラウドファンディング入門」「クラウドファンディングで夢をかなえる本」「結局、日本のアニメ・マンガは儲かっているのか?」「アニメ・グローバル競争戦略再考」等多数。