「タイミングとノリでやってきた」~初めて訪れた地方での地域創生事業~

ポイント(この記事は6分で読み終わります)
  1. 布団一枚で見知らぬ街へやってくる
  2. お試し宿、飲食店、映画館をはじめる
  3. 事業の更なる拡大へ
  4. 行動をして、知ってもらうことが大切

布団一枚で見知らぬ街へ

ー「まず、徳島へ来た経緯やきっかけを教えてください。」

西崎「出身は、栃木県の宇都宮で、前職は、東京日本橋にあるビジネスコンサルタントの会社で農業ビジネスを立ち上げるということをやっていました。そこから独立しよう思い立ち、会社をやめました。コンサルタント会社では農業ビジネスをやっていたのでそっち方面でやろうと考えていました。

もともと東京で起業をしようと思っていましたが、たまたま徳島県三好市の旧廃校活用に縁があり、地域ビジネスをやるのであれば、実際に地域に行って事業も組み立てたほうが面白そうだと考えたのがきっかけでした。とりあえず、布団だけ持ってきて、タイミングとノリで知り合いも誰もいない三好市に来きました。」

ー「タイミングとノリで来たとおっしゃっていましたが、何故そのような意思決定が出来たのですか。他の場所を見て可能性を探ったりしそうなものですが、なぜそれをしなかったのでしょう。」

西崎「日本語話せて読めれば死にはしないし、最悪東京に帰れば良いんだ、という感じで深くは考えていませんでした。他の地域っていう選択肢がそもそもなく、移住っていう選択肢も最初は無かったです。布団を積んできて、三好市にきて過ごすうちに事業を起こすたくさんの余白があるなって思うようになりました。

確かに、東京でやるのが恐らく一番可能性的には高いと思います。ただ、何も知らない地域でやってそこでうまくできた方が、後々きっと自分の力にもなると思っていました。もしすごく嫌になったりしたら帰ろうかなって思ってもいました。でも、実際は結構楽しい町だったんです(笑)。」

お試し宿の始まり

ー「どういった事業を最初に始められたのか、その経緯やきっかけを教えてください。」

西崎「人・物の往来を促進させるような事業をしたい、と、ここに来る前から考えていました。実際に来て何をしようかな、と考えたときに最初に始めたのが「heso camp(ヘソキャンプ)」というワークスペースでした。徳島県や三好市は、サテライトオフィスの誘致をやっていています。しかし、企業がいきなりここに来るのって大変で、一回短期間でもお試しでやってみて地域と合うかどうか、従業員がそこで仕事が出来るか否かを検討して作ろうかどうかの判断をすると思います。三好市は積極的に誘致しているのにもかかわらず、お試しできる場所がなかった。そこに目をつけ、始めたのが「heso camp」でした。あと、同じようにこっちに来た人がすぐに物件を探すのは難しいと思うので、シェアハウス的な形式で部屋を貸しています。お試し移住体験みたいなものです。」

ー「事業化に際して、大変だったことはありますか。」

西崎「最初の事業、heso campに関しては、来年度に県と市と組んで動かすことになったんです。実はそこが最初と言っていますが、正直、他の事業の飲食店「heso salon」、映画館の「やぎう坐」をやっていたら、ついつい後回しになってきてしまいました。実はワークスペースにはまだそこまで事業性はありません。来年から本腰を入れていく予定です。」

飲食店、映画館の開始

ー「一軒目のワークスペースをやってから、二軒目のBar、三軒目の映画館を始めていますが、これらはいつからやろうと思ったのですか。そのきっかけを教えてください。」

西崎「heso campを始めてから一ヶ月後に飲食店のheso salonを始めました。最初のheso campとかは、県外から人が来てくれればいいなって思ったんです。きっかけとしては、地方って若者が少ないっていう固定概念があったんですが、実際住んでみると意外と若者はいるんです。ただ、都会と違って、働く場所が違ったり、時間が違ったりすると、異性だけでなく同性ともが出会う場所がありません。それはもったいない気がして、普段会えない人に会える場所を作りたいなって思いました。その時、「ビールいっぱいでも飲んで、違う人と会って話せるBarが面白いんじゃないか」って思い、heso salonをはじめました。」

ー「お客さんはどのような人が来るですか。」

西崎「それが想定とは違って、地元のおじさんが沢山きます。若い人も来ますが、やっぱりおじさんのほうが多いですね。若い人が飲みに行くっていう習慣があまりないのと、おじさんは飲みに出てくるっていうのが。ある程度聞いたら、若い人は早めに結婚して家庭とか持っているので、正直飲みに出られないなって思います。あと、軽く一杯が田舎では無かった。車社会なんで、飲むならガッツリ飲んでという感じだったんです。ただ、面白かったのは、おじさんたちが来て、若者のも来て、世代間の交流ができた。そこからイベントみたいなのが生まれたりもしたので、それはそれでよかったのかな、と思います。」

ー「東京ですと、となり同士の人が話すってことはあまり起こらないと思うのですが、ここではそのようなことが起こるですか。」

西崎「何もしなければまず起こらないと思います。でも、うちの店では、僕が隣同士の交流をうながしたりして、最終的には、全員で飲んでいますね。」

ー「では、三軒目の映画館である「やぎう坐について、始めたきっかけを教えてください。」

西崎「Barの常連のお客さんの中に空き倉庫を持っている人がいたんです。その人に、「なんかやってよ」っていう話を2015年の12月ごろに持ちかけられたのがきっかけです。今、三好市では古民家をつかった飲食店やゲストハウスが増えてきています。ただ、それだけだと人の動静っていうのは起こしにくい。やっぱり娯楽がないと外からの来訪は難しいかなって思いました。そこで、娯楽系で何か使いたいなって考えていて、映画館という考えが浮かびました。

というのも、今はもうなくなってしまいましたが、池田町ってもともと映画館が2つあったんです。映画=池田町って言うストーリーが使えると思ってその空き倉庫に映画館を作りました。商売範囲は、岡山まで考えていています。今は、8〜9割レンタルでやぎう坐を貸していて、月一くらいで上映会を行っています。これからは、東京でしかやっていないような最新の映画を流したいと考えています。岡山から三好市池田町まで1時間位なんで、「東京行くくらいなら三好に行こう」って流れを作れないかなって思っています。

ー「この3年間を振り返ってみて、良かったこと、難しかったこと、そういうのはありますか。」

西崎「やっぱり、難しいことのほうが多いですね。母数が少ないですから集客が難しい。あと、事業全体として、事業で生活は出来ていますが、単発ですと難しいです。今までは個人事業主としてやっていましたが、2月から法人化して、組織的に全体で回していこうかなって思っています。収益は出ているんですが、もっと収益を伸ばしたいですね。」

事業の更なる拡大へ

ー「今のところ、3つのものを動かしていますが、これからは新しく4つめを追加していくのでしょうか。それとも今の3つを深めていくのでしょうか。」

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地方で生活したいフリーランサーのための田舎暮らしあるある 2017.08.04

プロフィール

西崎 健人(にしざき たけひと) O-rai Inc 代表取締役

早稲田大学卒業後、人材系ベンチャー企業の社長室にて、

中小ベンチャー企業向け幹部人材の採用営業、採用イベントの企画運営を多数経験。また、助成金を活用した人材育成企画の立案・運営にも従事する。

その後、新会社の人材紹介事業部立上げに参画。事業計画・営業計画策定、営業、社内インフラ整備を手掛ける。

前職ビジネスコンサルティング会社においては、

都会と地方の「ヒト」・「モノ」・「カネ」資源を循環させ、「地域活性化」を目指し、事業責任者として農業事業の新たな収益モデル作りに従事。生産・加工・販売の垂直統合を実践し、物販・飲食事業を立上げる。

2015年独立、三好市池田町に移住。

地域の空き物件を活用しheso camp(滞在&ワークスペース)、heso salon(飲食店)、やぎう坐(映画館&雑貨)を運営。

 

2017年O-rai Inc 設立

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