「地方を1から私たちと一緒に作っていきませんか?」~ 徳島県美馬市行政機関の起業支援とは~

更新日:2017.05.15

 

 

1.補助金制度について

ー「最初に自己紹介をお願いします。」

金原「美馬市役所経済建設部商工観光課の金原と申します。起業創業に関して、補助金などの支援をしています。」

石田プロジェクト推進課でサテライトオフィス誘致を担当している石田と申します。サテライトオフィスと関連して、誘致から人のつながりができ、地方で起業したい人とのつながりも生まれてきています。都市部企業や起業を目指す人などに、美馬市内をアテンドしながら、市の色々な制度や、地域の情報を伝えるというような支援をしています。」

ー「現在、美馬市における起業・創業環境の実態を教えてください。」

金原「昨年4月から2月の頭までの10か月の間に、市内で5件の創業がありました。8月に美容室が1件と、音楽関係のものが1件、地元の人が始めた髪染め製品の小売りが1件創業しました。

あとは奈良県から移住してきた方が旅館を10月に、地元の印刷会社を経営されている方が自宅の敷地内にカフェを2月にオープンしました。私どもは起業創業をされる人に補助金を出しており、この5件の内4件がその対象となりました。さらに、3月末までに新しく中古車販売をされる予定の地元の方にも、補助金を出す予定となっています。」

ー「この補助金は国が出しているものなのでしょうか?それとも美馬市が出しているものでしょうか。」

金原「これは、美馬市が独自に行っているものです。「移住創業促進事業補助金」という制度があり、それは移住してきた人を対象に、100万円を上限として資金の3分の2を補助します。

美馬市民に対しては、50万円を限度として経費の半分の補助を出しています。現在、先ほど述べた事業で市民の事業者に3件、市外から来た事業者に2件補助金を出しています。」

ー「何の費用に対して補助を出しているのでしょうか。」

金原「店舗を借りる場合は、その賃借料です。店舗を改装する場合はその改装費や備品購入費、宣伝広告費、原材料費などに補助金を出しています。」

ー「年間の起業件数に対する目標などはありますか。」

金原「はい、あります。我々は、補助金を出す場合、国に対して「創業支援事業計画」を提出しなければなりません。その計画では、年間5件を目標にしています。今年度は達成しており、来年度も同じような補助金制度を継続すると国に申請しています。」

 

2.「ワンストップ相談窓口」で創業相談

ー「市として起業をする人たちに対し補助金以外ではどのようなサポートをしているのか、具体的に教えてください。」

金原「現在市役所では、「ワンストップ相談窓口」を開いており、16件ほどの創業の相談を受けています。ワンストップといっても、すべて美馬市で解決するのは難しいので、昨年12月15日に「徳島県よろず支援拠点」と言う中小企業診断士や銀行のOBの方々が相談員になられて相談に乗って頂けると言う経営相談会を、徳島市から美馬市へ出張して頂き、月一回行っています。

現在、既に来年度補助金に向けた相談が寄せられています。あと、徳島県として「創業セミナー」を開いて、起業したい方への支援も行っています。」

石田「地方では、創業や起業に関して、どこに聞いていいかわからない方々が「とりあえず役所に聞けば分かるだろう」ということで、役所に聞いてくることが多いです。

ですから、「ワンストップ相談窓口」を経由して適切なアドバイスや相談員の紹介をすることは、特に地方において起業しようと思っている方にとっては非常に重要な位置づけといえます。

具体的には、何もわからないけど何かしたい、地方で何かできるんじゃないかという人たちに対して、民間が行っている起業塾やセミナーなどの情報も提供しています。もちろん、ただ情報を提供するだけでなく、産業振興機構など関連する人や機関の紹介といったこともしています。」

3.美馬市の魅力

ー「美馬市において、起業する魅力はなんですか。」

石田「徳島県全域に言えることですが、美馬市も隅々まで光ファイバーが張り巡らされており、山の中でも高速インターネットに接続できることが魅力の1つです。加えて、環境面では、美馬市には観光名所の1つとして「うだつの町並み」という歴史的な町並みが残っていて、古民家に触れながら観光に合わせた起業ができたり、市街地で生活環境に密着した創業、例えばカフェなどの起業も可能です。

また、山の中もインターネットが使えるので、クリエイターやエンジニアのような人たちが静かに作業を行えます。このような古民家、市街地、里山という3タイプの環境があわせて存在するのは、中々ないと思います。

加えて、美馬市ではそれぞれの環境に車で10分、15分でアクセスできるのも魅力です。物理的な受け皿としては、サテライトオフィス体験施設「創~SO~」というものがあります。サテライトオフィスとしての機能はもちろんのこと、地方から移住したい・起業したいと思う人たちが、現地で地域資源を調べたり滞在できたりするチャレンジの拠点にもなっています。」

ー「伝統工芸品や特産物など、どのような地域資源があるのでしょうか。」

金原「和傘、竹製品、絹製品、藍染めです。これからそういった伝統工芸品を広めていこうと考えています。」

ー「こんな人に来て創業してほしいといった希望はありますか。」

金原「現在人材不足ですので、和傘を作ることに興味を持っている人に来て頂きたいです。もちろん和傘だけではなく、伝統工芸に興味を持ってらっしゃる方に来て制作にあたって頂けるとありがたいです。」

石田「このような工芸品の販路を広げたいと思っているので、そういう意味では、ただECサイトに商品をのせるだけではなく、例えばアジア地域に強い販路を持っていますとか、動画を使ったPRが出来ますといった独自の販路・技術を持っていらっしゃる方に来て頂けるとありがたいですね。

地方の弱みとして、この商品がどこに売れるのかというマーケティングが出来ていません。実際にマーケティング等を、創業支援を受けながら証明してくれるような起業家さんがいらっしゃれば嬉しいです。

後、光ファイバーが美馬市には張り巡らされているのですが、それを活用した企業が少ないことを感じています。今後、VR等インターネットを活かした事業などで起業をする人に来て頂けたら、地域資源との相乗効果でさらに面白い事業が生まれるのではないかと期待しています。」

 

ー「徳島県・美馬市での起業に興味を持っている人達に対して発信したいことはありますか。」

 

石田「美馬市は歴史的町並みと市街地、田園風景といった要素やさまざまな地域資源があります。しかし、写真や紙、WEBでは伝わらない部分も多いと思います。東京にいながらでも地方と一緒に仕事ができる時代ですので、新しい可能性を模索するといったことも含めて是非一度、美馬市にいらしてください。

さらに美馬市の穴吹地区では、日本で唯一、郵便番号が777となっています。うだつがあがるラッキー7のまち、美馬市で起業・サテライトオフィス進出を図れば、縁起もよく、業績も伸び、成功するかも(笑)」

 

ー「最後に一言メッセージをお願いします。」

 

石田「これを見てくださっている皆様、地方を1から私たちと一緒に作っていきませんか?また、美馬市には都会にはないものがたくさんあります。でも、なかなか写真や記事などでは伝わらないと思うので、何度も繰り返すようですが、是非一度お越しいただき、美馬市を体感していただければと思います。」

 

プロフィール

・金原 永茂(きんばら ながしげ)

 徳島県美馬市役所商工労働課に勤務。企業誘致や起業・創業支援を担当し、美馬市創業支援計画を策定。卓球が趣味の46歳。

・石田 貴志(いしだ たかし)

 徳島県美馬市役所プロジェクト推進課に勤務。サテライトオフィス誘致や地方創生に関する企画立案を担当し、サテライトオフィス誘致からの移住や起業といった地域活性化のモデルを目指す。ギターが趣味の36歳。

 


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