クリニック開業取扱説明書【第6回】設備投資について

更新日:2017.05.19

クリニックの基本施設のポイント

ここではクリニックに必要な施設のポイントについて解説していきます。 あなたの診療科目によって必要とされるものは変化しますが、ここではクリニックに必ず存在する施設についてのみに絞り、少しでも参考にしていただければと思います。

クリニックの顔の受け付け

まずは患者がクリニックに来院した第一印象となる受付です。 建物の外観などで好印象を与えたとしても、受付で不快な印象を与えてしまっては次回の来院を期待するのは厳しくなってしまうので要注意といえます。

受付は単に清潔感があればいいというわけではなく、クリニックの入り口からすぐに把握が可能で、待合室全体が見渡せるように配置を行うことが重要となります。 患者に閉塞感を与えないために開放的な構造にすることは構いませんが、患者のカルテといった超がつくほど重要な個人情報が患者側から見ることができないようには絶対に配慮を怠らないようにしましょう。

受付は基本的には女性が担当すると思われますが、クリニックのイメージにもなるので、 あなたが髪型(髪色を含む)などの身だしなみで相手に与える印象が激変することを忘れないようにしてください。

待合室(待合スペース)はストレスフリーに

待合室は患者の心の状態までも考慮して考えるようにしなくてはいません。 患者が来院する場合に、楽しい気分で来院する患者というものは基本的には存在しないと思っていいですが、クリニックが嫌な場所と言うわけではなく、身体や心に何らかの変調を感じているからこそ来院しているということは絶対に頭に入れて待合室作りを考えるようにしましょう。

受付でも同じことが言えるが、閉塞感を感じる空間は絶対に避けるべきです。 特に待合室の場合には予約状況などによって、かなりの時間をその場所で過ごさなくてはいけないケースも考慮したうえで、空間を考えていくべきです。患者が待つ時間がゼロになるのが理想ですが、完全予約制にしたとしても、どうしても診察に予定外のことは発生するので、待合室はとにかく快適に過ごせるように考えましょう。

トイレで印象は変わる

トイレはお客様を相手にするサービス業では最重要設備だと考えていいでしょう。
他のすべてで満足させられたとしても、トイレが汚れていたり、匂ったりすれば、それだけに印象は極端に低下します。あなたが自宅以外でトイレに行ったときの事を思い返してみれば、トイレの重要性がよく わかるのではないでしょうか。 クリニックは男女が訪れるので、スペースが確保できるのであれば、男女のトイレを別にするほうが好ましいです。 車椅子を利用する患者が来院することも考えて車椅子でも利用できるトイレもあれば、さらに好印象となります。

トイレは非常にパーソナルな空間になるので、落ち着く環境を演出できるように、壁紙 や床の色にも配慮していくといいでしょう。 掃除はこまめに行い清潔さを保つことも忘れずに。

あなたの仕事場である診察室

診察室はあなたが患者さんを診察する大切な空間です。 開業当初は診察室を何室も準備しても、あなた以外の医師を雇用するのは費用的に厳しい可能性が高いので、あなた1人の診察室を充実させていくといいでしょう。

診察室に用意する机やパソコンは基本的に勤務していた時代と変更を行う必要はありません。 あなたが使いやすく、患者の診察が行いやすい環境を構築していくようにしましょう。 注意点としては、患者が診察室に入った場合に、あなたの最初に見える身体のパーツがどこかということです。

患者が入室してきたときに、あなたの背中が見えてしまうのは印象がよくありません。 診察室の入り口にあなたの目が届き、入室してきた患者と一番に目が合うように構成して いくと好印象になるでしょう。 患者は不安な気持ちで来院しているということを、どんな時でも忘れないようにしましょう。

医療機器は新品?中古?

とにかく高い

物件と並んで医療機器はクリニックには必要不可欠なものですが、とにかく高額なものが多いです。
資金面で厳しい可能性のある開業時では負担の大きさはかなりのものになるでしょう。しかし、あなたの診療科目によっては高額だとしても絶対に揃えないことには、そもそもク リニックとして価値が無くなってしまうということもあるので、頭が痛いところです。
資金には限界があるので、あなたが融通の利く資金の範囲内で最大の効果が発揮できるように準備する医療機器を考えていきましょう。


こちらもあわせてお読みください。
クリニック開業取扱説明書【第4回】資金調達や事業計画書作成について

クリニックの売りになるなら高くてもアリ

私の経験で最も行きたくなると思った例を挙げてみましょう。
私は閉所恐怖症です。 そんな私は眩暈がひどく検査をするために脳外科でMRI を撮ることになりました。このMRI  の医療機器というものがトンネル状になっており、閉所恐怖症のある人にはまさに拷問そのもの。私は初のMRI  の時にはあまりの恐怖に発作を起こし、機械をたたいていったん出してほしいと中止をしてもらいました。
それ以来私はMRIが恐怖でしかなかったのですが、新しく開業した脳外科で新型のMRI を導入しているから安心していいと医師に言われ、実際にMRI を経験しに行きました。 新型はトンネル状の閉所に閉じ込められる恐怖が非常に改善されており、今後MRI は絶対に新型でと決めたものです。

MRI を行うという行為はどのクリニックで同じです。 精度も新型と旧型で多少の進化はしているでしょうが、全く異なる結果が患者に告げられるということはないでしょう。ですが、恐怖感を薄めることが可能となった新型MRI 機器があることによって、私が来院しているクリニックは他のクリニックと完全に差別化ができています。 実際にこのクリニックは私のような閉所恐怖がある人だけでなく、小さな子供のような怖がることが予想される患者を両親が連れてきていることが多いです。

上記の例のように、あなたのクリニックにとって他のクリニックと違う患者の負担を和らげたりできる売りとなる医療機器であれば、新品で購入して導入する価値があると言えるでしょう。
特に先程の脳外科では脳の状態を見ることのできるMRI はクリニックの運営に欠かせないものです。 メインの診察で使用するからこそ、新型機器を高額で導入しても意味があるというわけです。あなたのクリニックでも診療科目を重要度の高いものと、そうでもないものに分けてみるといいでしょう。 新品を購入するのは重要度の高いものに限定すれば、医療機器の総額の資金をある程度は 圧縮することが可能になるはずです。 新品を購入するならクリニックの収入の柱となるものと覚えておいてもいいでしょう。

融資をうけて開業する場合には収入を上げて返済しないといけないので、導入しようと考えている医療機器がどの程度の収益力があるかという判断は重要になってきます。

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クリニック開業取扱説明書【第7回】設備投資についてその2

ー差別化によるマーケティングー
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