ママ起業家の特徴と変わる働き方

ポイント
  1. 女性起業家の特徴
  2. ママ起業に求められる社会的機能
  3. ママの働き方の変遷
  4. ロールモデルとしてのママ起業家

目次 [非表示]

 「ママ起業」という言葉はすっかり定着した感がありますが、まだまだその成功例は少なく、起業を志望していてもなかなか踏み切れない方がいるのも事実です。

今回取り上げる「ママ起業家」は、いわゆる「主婦のプチ起業」ではなく、社会に広く事業・サービスを広げようとしている起業家の方々です。お子さんが2人や3人いる方でも、このような形の起業を成功させている方がいます。

どのような考え方でどのような働き方をすれば、それが実現できるのでしょうか。また、ママたちを取り巻く環境はどのように変化しているのでしょうか。

女性起業家の特徴

ママ起業についてみていく前に、女性起業についてのこんなデータがあります。

起業家の開業動機は、男性では主たる家計維持者となる割合が高いため、収入が重視されますが、女性の開業動機は「自分の技術やアイデアを事業化したかった」「年齢や性別に関係なく仕事がしたかった」など、多様です。

これ以外にも、女性のほうが男性に比べて「少額、短期間で開業している」「女性消費者をターゲットとした事業を営む傾向が強い」「従業員に占める女性割合が高い」という特徴があります。業種としても、男性に比較すると、子育てや介護といった生活ニーズに根ざした「生活関連サービス業、娯楽業」分野での起業が多くなっています。

ママ起業へのハードル

開業者の家族構成について聞いたアンケートで、「配偶者あり」と答えた女性は52.5%(男性79.2%)。これは男性に比べ、独身の方の起業が多いということを表しています。

次に、「小学生以下の子どもあり」の女性は23.1%(男性35.0%)、「中学生から大学院生までの子どもあり」では22.9%(男性21.9%)となっています。小学生以下の子どもがいるママ起業家は、男性に比べて少なくなっていますが、中学生以上の子どもがいる割合に男女差はほとんど見られません。子どもが幼少期のあいだは、子育てなどの負担が大きいことがママ起業のハードルになっていることが推測できます。

また、女性が起業を意識したきっかけには、「時間的余裕(介護や子育て等が一段落)」や「家庭環境の変化(結婚・ 離婚、出産等)」といった家庭面に関する要因を挙げる方が多くなっています。特に、「時間的余裕(介護や子育て等が一段落)」は23.9%(全体平均17.3%)の方が挙げており、家庭を持った女性は時間に余裕がなくなると考えられます。これは女性起業家において「配偶者あり」の割合が低いことともリンクします。

ママ起業に求められる社会的機能

日本政策金融公庫のレポート『女性起業家の実像と意義』によれば、女性の起業には、次の4つの意義があるとされています。

1.眠れる才能の発掘手段となる

2.女性の視点によって新しい商品やサービスが生まれる可能性がある

3.起業は女性たちのキャリアアップの場となりうる

4.次なる女性起業家の苗床になる

これらはママ起業にも同様のことが言えます。家庭に入って眠ってしまっている才能を生かし、ママ独自の視点から今までにないサービスが生まれ、新しい働き方も生まれ、それが次なるママ起業家を生む。子どもを産んでも仕事を生き生きと続けられる環境が整えば、少子化問題の対策にもなりえるでしょう。

ママの働き方の変遷

ここで、日本のママがこれまでどのような働き方をしてきたのか、変遷をまとめました。

専業主婦からパートへ、パートから正社員の時短勤務へ

高度成長期には、男性は朝から晩まで仕事に没頭することが当たり前であり、それを家庭から支える専業主婦が一般的でした。いわゆる「男は仕事、女は家庭」の時代です。一部のキャリア女性は必死に「男性的な働き方」をし、周囲からは冷ややかな目線を感じてもいました。

バブルは崩壊し、夫の収入だけでは食べていけないとなると、女性も働きに出るようになります。あくまでも子どもの保育園や学校の送り迎えに合わせられる、パートタイムが主流。子育ては女性が行うものという意識は変わっていませんが、この潮流によって収入目的だけでなく、生きがいとして仕事をする方が増えてきました。

その中で企業は産休制度などの整備を進め、時短勤務を活用する女性も増えてきました。しかし実際には、産休後にそれまでのキャリアがリセットされてしまう女性も少なくありません。企業でキャリアアップするためには、男性と同じように働き続けるしかないのです。

男性的な働き方から、個人に合わせた働き方へ

専業主婦になるか、パートに出るか、会社で産休を取って復帰を目指すか。ママの選択肢はほとんどがこの3つです。しかし、徐々に働き方は多様になりつつあり、ママたちが自ら事業を始めたり、リモートワークで仕事をしたりということが珍しくなくなりました。

起業であれば、パートや会社員よりも時間の融通も効きやすく、子育てと両立させやすくなるからだと考えられます。個人の事情に合わせて働ける環境が整いつつあるということでしょう。

ロールモデルとしてのママ起業家

ママ起業の世間的なイメージ

多様な働き方が認められるようになってきたとはいえ、ママ起業は今までのイメージから「単なる趣味の延長」「子育ての片手間」と思われることが多く、取引先となる企業も、どこまで信用していいのかと懐疑的になりがちです。

近年は、今までのような「プチ起業」の形ではなく、社会的に意義のある「事業」としてのママ起業が増えていることも事実ですが、ママの働き方の一つとして起業がより一般的になるためには、数多くの成功事例が必要です。

ママの新しい働き方を提案する起業家たち

出産を経て起業した方は、ママのこれからの働き方を変えていきたいという意思を持っている方が多くいます。本特集で取材を行ったママ起業家の方々も、それぞれ子育てをしながら、さまざまな方法で働くママをサポートしていたり、新しい事業を行ってロールモデルになろうとしていらっしゃいます。

「日本ママ起業家大学」の近藤洋子さんは、さまざまなカリキュラムやシステムを構築し、まさにママ起業家をサポートされています。

「ママントレ」の須澤美佳さんは、ママの「雇われない生き方」を選択肢に加えるために、フリーランスや起業を応援されています。

文泊プロデューサーの浅枝真貴子さんは短い時間を有効活用しながら、ママスタッフとともに日本の文化を世界に発信する新しい事業を行っています。

「クリエイティブマムズリンク」の大原康子さんは、テレワークを活用しながら、10年後に困らないママのキャリア形成を考えられています。

人材紹介事業を営む高藤悠子さんは、子どものキャリア教育もかねて仕事にお子さんを仕事に巻き込むなど、発想の転換をして仕事に取り組まれています。

ママ起業で事業を確立されている方は、それぞれかなり柔軟な働き方をされています。社会的にも「働き方」が大きな話題になる中で、その事例は男女問わず多くの起業家・起業志望者にヒントを与えてくれるでしょう。

参考:「新しいママの働き方」奥田絵美(アチーブメント出版)

内閣府男女共同参画局「女性起業家を取り巻く現状について」

日本政策金融公庫「女性起業家の実像と意義」

対談記事一覧

スケールするだけがすべてではない~ママ起業という新しい生き方を文化に~

等身大のママ起業を支援し、発信する~これからの社会を支える新しい働き方をつくりたい~

“文泊”プロデューサーが語る、ママ起業の意義~ママたちでつくる新しい文化事業~

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グローバルに活躍するママ起業家の工夫とは~起業家だからこそできる、家庭と仕事のバランス設計~

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