大原康子

はたらきかたをクリエイティブする~ママたちの10年後をつくる働き方~

ポイント(この記事は6分で読み終わります)
  1. 5年間の主婦期間を経て復職
  2. メンバーの状況は常に把握する
  3. なかなか時間が取れないからこそできる、質の高い仕事
  4. 子どもが手から離れたときに、女性がより活躍できるプラットフォームを

スキルを持ったプロ集団をまとめ、ママたちの働き方を支えるクリエイティブマムズリンクの大原さん。テレワークの可能性や10年後を見据えた働き方について、詳しく伺うことができました。ママならではの強いチームワークも感じられるお話です。

①5年間の主婦期間を経て復職

― まず、簡単な経歴を教えてください。

大原 最初は小さな出版社に就職して、技術系の雑誌の編集者をやっていたんですね。その後、広告代理店に転職して、営業の仕事をしました。

結婚して出産があったので、退職して、主婦になったんですね。5年ぐらい主婦をしている間に息子を3人産みまして。けれども一昨年、夫が事故で急に亡くなってしまって。どうしようと思ったときに、やっぱり働くしかないよねということになって。

― そうだったのですね。それで働きに出ることになったと。

大原 もっときちんと働かなければならないということになって、どうしようかなと思ったときに、クリエイティブマムズリンクというところを、たまたま縁があって紹介してもらったんです。

ちょうどマムズは変革期にあって、代表として取りまとめないかということになったので、「じゃあやります」ということで、やることになったのです。

― クリエイティブマムズリンクは、もともとどんな団体だったのですか。

大原 基本的には、クリエイターママのチームという感じになっています。出産退職などで一度離職してしまうと、ママたちが復職する機会はなかなかないので、元来スキルをもって働いてきたママたちが、自宅でお仕事ができればいいなという思いから生まれています。

― 特定の場所や地域みたいなものは決めていますか。

大原 決めていません。やっぱり関東の方は多いんですけど、特に場所は限定していません。なので、ほんとに全国のママたちとお仕事をさせていただいています。

― 実際、代表になって、いかがでしたか。

「ママで、フリーランスで、クリエイター」を強みに

大原 私たちが何を持ってるかというと、今の自分たちの経験や立場による価値観なので、「ママでフリーランスでクリエイター」というそのものを強みにしていきたいと思ったんですね。

その働き方がスタンダードになって、存在が価値になるような。つまり、ママの制作会社ではなくて、新しい働き方を作るチームであると。

「ママのはたらきかたをクリエイティブする」という新しいコピーのもとで、大胆に方向を変えていって、より本来的に働くママたちが活躍できるチームをつくっていきたいとすごく思っていました。

― 立場を生かした仕事をする、というのはご自身が感じられていたことでもあったのですか。

大原 先日もニュースになっていて、今は解消されつつあるようですが、20代30代の女性の就業率が低くて、その理由の多くは、子育てなどのライフイベントによるものなんだそうです。

自分自身も主婦でしたし、今はシングルマザーになって、さあ、働かなければいけないとなったところで、復職して、普通の企業に勤めるということがあまりイメージできなくて。

この社会課題性を自分自身の生き方・働き方で解消していけないかな、と考えたときにクリエイティブマムズリンクというチームとしての活動とリンクしていきましたね。

― 今、団体に所属している方は、どれぐらいいらっしゃるんですか。

大原 今、よく稼働をしてくれてるメンバーは、20~30人ぐらい。案件によって、チームを作って解散するスタイルです。案件が来たときに、それができる人を集めて、進めていきます。

― 受注体制はどのようになっていますか。

大原 基本的には私が統括として全体をみて、その下にディレクターがついて、ディレクターがクリエイターの皆さんと案件を進めてくれるといいう感じです。私は目配りはしますがもしますけれども、案件の単位ではディレクターが進めていってくれるという感じですね。

②メンバーの状況は常に把握する

― 実際にメンバーを募るところはディレクターの方々が。

大原 ディレクターと私が相談しながらですね。引っ越しが控えているとか、旦那様の転勤の予定があるといったメンバーの細かい状況は、私が把握しているので。

あと、扶養の兼ね合いがある方もいるので、「もう働いたら駄目そうです」みたいなことを教えてもらって、仕事セーブするとか、そういうのがありますね。

― 各地にいるメンバーの状況を把握するには、密に連絡取らないといけないんじゃないですか。

大原 そうですね。でも、わざわざヒヤリングするというよりは、日常のくだらない会話のやり取りをこまめにするようにしていて。特に、離れて仕事をしているので、テレワークっていう手法を取っているんです。チャットやビデオ会議ツールを使って会議をしたりするんですけれども。

話せば済んでしまうことでも、離れていると、ニュアンスが伝わりにくいこともあるなと思っていて、その分、連絡が取れるときには、ちょっと声を掛けるとか、話を聞いたりするのは、特に気を付けてることですかね。

― 遠隔地でのチャットとかビデオ会話ツールがあったとしても、やっぱりコミュニケーションが苦労される部分ではあるんですね。

大原 そうですね。だからあまりチーム自体も、いっぱい人数増やしたいとは思っていなくて、ひとりひとりときちんと向き合いたいなと思っているんです。

今のところはそんな感じで、離れているけど信頼関係を作りながら、制作を進めていけるようなチームができればいいなと思います。

遠隔地コミュニケーションのコツ

― 遠隔地で一緒に仕事していくといったことは、これからいっぱい出てくると思うんですけど、どうやってコミュニケーションとったらいいんだろうって悩む方は多いと思います。そこのポイントやコツがあれば教えてください。

大原 やっぱり一番いいのは、会って話すことなんですね。その次は、ビデオツールで顔を見てしゃべること。その次が電話で、その次がチャットだなと思っていて。

 仕事の業務内容を伝達するときはチャットでいいと思います。でも、何か相手の意向を知りたいときは、電話のほうが速いし、できれば表情がついていると、全然違うなと思っていますね。

 そういうのも長くなくていいんだなと最近、感じます。時間は短くても、やっぱり顔見て話してるだけで、何となく気が済むんですよね。

― 5分でも10分でも顔を見てコミュニケーションとっておくといいというのは、は特に大事なことですね。

大原 ビデオツールで会議をしていると、子どもがピョコピョコ出てくるんですよね。そうすると、お互いの家庭の状況も分かるしいいですよね。

やっぱり、文字じゃなくて声を聞くということは、一つ、安心感なのかもしれないですね。顔を見るのは大事です。

― 会って話す、ビデオオンライン、電話、チャットという順番、それぞれを、状況に応じて使い分けされていると。

大原 そうですね。ママたちの稼働時間もバラバラなので、電話も案外しないですけど。「今、大丈夫?」「ごめん、今オムツを替えています」みたいなのがあるので。でも、声の様子で確認できることはありますよね。

③なかなか時間が取れないからこそできる、質の高い仕事

― 先ほどのお話にもありましたけど、出産とか結婚を機に退職すると、復職が難しいという現状についてはどのようにお考えですか。

大原 働くって、たぶん、生きていくことだと思っていて、特に女性の「働く」って、人生の中でいろんな側面があるなと思うんですね。

お金という対価を得る仕事もあれば、家事も立派な仕事ですし、子育ても大仕事です。そういうものを女性が自分のなりわいとして受け止めて、正しく生きていけるような社会になるといいなと。

今、ママのチームを持って回していて感じるのは、みんなすごく優秀なんですよね。時間がない中でも働こうという気持ちがあるので、まず根性があるんですよ。

ママが働くってやっぱり、なかなか大変です。いくら自宅でできると言っても、逆に自宅にいることでメリハリがつかないこともありますし、自分の時間をうまく作るとか、家族の理解を得るとか、そういったところに本人たちの努力をすごく感じるんですね。

― 確かに、自宅でできるからといってそれが楽なことだとは限りませんよね。

大原 その状況をみんな持っていることを、みんなが分かっているので、すごく伝達とかが丁寧で上手なんですよね。とても効率的に回っていて、納期が遅れたことないんですよ。

例えば子どもが熱を出していて、今日やろうと思った作業ができないということが、やっぱりあるんですよね。

そうすると、別の方がフォローに入って、ここは先に誰かにやってもらうとか、これは延ばしてこっちをやっとくから、みたいなことを、すごく自然に工夫してくれている。思いやりがあって、共感しながらやっていくと違うんだなと。

― ママだからこそのチームワークですね。そういった協力姿勢は、ぜひ広げていっていただきたいです。

大原 もっともっとできる女性たちはいると思っています。そういうふうに、自立した形でお仕事を女性たちがしていくことができれば、もっといろいろな業種や業態でも実現可能だと思いますし、活躍できる女性が増えていくのではないでしょうかね。

それが、自分が団体を持っている中で、今の社会に貢献したいことですかね。

ママならではの悩みも共有できる

― 起業家ならではの苦労といったものはありますか。

大原 私に限ったことではないと思いますが、3人子どもがいるので、授業参観とか、学校行事の予定がそれぞれにあって、できるだけ参加したいと思いながらも、お知らせが1週間前とかにきて、「えっ!」と驚いたりして。

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著者プロフィール

大原康子

クリエイティブマムズリンク 代表大原康子 クリエイティブマムズリンク代表・事業コーディネーター、アドバイザー、 PM、ディレクター。美術系出版社での編集業、広告代理店の営業を経て結婚・出産。専業主婦を5年間経験したのち、フリーランスとして独立。三人の男の子を育てるシングルマザー。