スケールするだけがすべてではない~ママ起業という新しい生き方を文化に~

ポイント
  1. 子を持つ女性が働く難しさを身を以て体験
  2. ママの起業をサポートする
  3. 「ママ起業」という名前をあえて使っている
  4. 「日本の母ちゃんはかっこいい」を形にしていきたい

日本ママ起業家大学・学長の近藤洋子さんは、ラジオのDJとして活躍されたのち、「ママ起業」の分野に着目し、延べ1000名以上のママ起業家をプロデュースしてきました。自身も1児の母であり、出産を経験してから起業したというバイタリティの持ち主です。設立の経緯から将来の展望まで、たっぷり伺いました。

①子を持つ女性が働く難しさ

― まずは経歴からお聞かせいただけますか。

近藤 起業前は約15年間FMラジオのDJをやっておりました。

仕事は順風満帆だったんですけども、大阪のラジオ局でお仕事をしていたときに、母親が余命宣告を受けました。私自身は、本当に自分の好きなことをやらせてもらってきて、このまま大阪にいれば、親の死に目に会えないってことも覚悟はしていたけど、いざ直面すると、いろいろ揺らぐものがあって。

それで、いったんキャリアをストップさせて、こちらに戻ってきたんです。

― いったんお仕事を辞めて、こちらに戻られてお母さまと一緒にいる時間をつくられたわけですね。

近藤 そのタイミングで娘を妊娠したこともあったので。

妊娠中から、どこかに復職しようと思い、トータル200社ぐらいエントリーをしたのですが、どこにも引っかからないんですね。どこか拾ってくれるだろうと、高をくくっていたんですけど、ダメで。

女性がある程度年齢いって、なおかつ子どもを持って仕事をしていくって、ほんとに大変なんだなっていうことをすごく感じましたね。

― 子を持つ女性が働くためには、越えなければならないハードルがまだまだ高いんですね。

近藤 そうですね。その後なんとかラジオの仕事に戻ることができ、この東急田園都市線エリアには自分の得意技を生かして仕事をしている女性(ママ)が多いことに気づきました。

昼間、お子さんがいないときに、英会話教室とかお料理教室やりつつ、家庭も大事にしているという。ぜひこの方たちをインタビューしていけるコーナーを作ろうと考えました。インタビューさせてもらっている中で、女性は非常に自分のコンテンツに磨きをかけていることを感じました。

でも、私はラジオ番組を作る中で、どうしたらおもしろそうと思ってもらえるかを常に考えてきたので、職業病なんでしょうけど、セルフプロモーションという意味でもったいないと思うところが多々あったんです。

それで、頼まれてもないのに、「このキャッチコピーはさあ」とか「もうちょっとこういうふうに進めてったほうがいいよ」っていうアドバイスをさせていただいていたら、だんだんと、コンサルだとかセミナーにお話がつながってきたんですね。

起業するなんて思ったことはなかった

― それが起業のきっかけに?

近藤 私はこぶしを挙げて「起業するぞー」なんて思ったことは一度もなく、どこも雇ってくれなかったので、消去法で、食べてくためにやっていくしかない、というところから、だんだんとつながってきたっていうことですね。それまでも個人事業主で仕事をしていたことや、父も会社を経営していたこともあったとは思いますが。

― よく若い起業家の方のお話を聞くと、近藤さんのように、家族や親戚の中に起業してる方がいることが多いんですが、幼いときからそういうことに関心はあったのですか。

近藤 いや、全然ないですね。むしろ、「私専業主婦になるんだわ」っていう、はかない思いを描いていました。

ただ、母が亡くなったことがすごく大きかった。母はほぼ専業主婦だったんですが、いろいろあって、最後の10年ぐらいは身も心も朽ちて死んでいくっていう感じでした。

このために生きたっていう何かがあって、亡くなっていくんであれば、モヤモヤしないけど、それもなくて、この人何のために生きてたんだろう、幸せだったのかなあ、と思ったんです。

そして、一度きりの人生、私はこのために生きた、っていうのを見つけることがミッションだなって、ふと下りてきて。それを体現するのに一番わかりやすいのが、お仕事、働くっていうことかなと。自分の中の軸というか、生きる意味みたいなものを知って生きるのと、そうじゃないのって、全然違うなと思って、こういう方向にきたっていう経緯があります。

崖っぷちに追い込まれて火がついた

― 20138月に「日本女性起業家支援協会」を設立した当初の状況をお伺いしたいのですが。

近藤 人生の中ではなかなか渋い時期だったんです。夫も起業していたので、いいときはいい、ダメなときはダメの繰り返しで、あるとき、一軒家を手放して、半分くらいのスペースの家に引っ越しました。

そんな状況の中で、今だと思って、社団を立ち上げました。

そこまでの細かい事情は、周りには話さなかったですけど、身近な人は、「え、今!?今やらなくてもいいんじゃない。せめて1年待てば?」みたいな反応でしたね。

― ある意味、崖っぷちの状況で立ち上げられたんですね。原動力は何だったのでしょうか。

近藤 あのときは、「今なんです」っていう。私の価値観としては、今が大事。状況が状況だったので、自分の中でも、お尻に火がついてたんだと思うんですよね。

周りの人にも、「私はこれをやりたいんだ、命を懸けてやっていくから力を貸してくれますか」みたいな。今考えると、どれだけ情熱を燃やせるかっていうところが起業にはすごく大きいかな、なんて思いますね。

ママの起業をサポートする

― 今の日本ママ起業家大学(以下、ママ大)の事業内容を教えてください。

近藤 「稼げなければ起業家ではない、でも稼げるだけではママ起業家とはいえない」ということを発信しています。いわゆる男性的な企業、スケールアウトしていくことだけがものさしではないということです。

私自身も男性的に働いてきたんですよ、夜中の生放送に出ていくとか。でも子どもを持って、そういう働き方に違和感を覚えました。

家庭やパートナーといった、自分が大事にしたいなと思っていることが満たされずにスケールしていったときに、お金はたくさんあるけど、ほんとにそれがハッピーなのかっていうのを見直して、プランニングしていくこと。それをシステムに落としこんで、みなさんにつくりあげていただいています。

― 具体的には、どのようなシステムですか。

近藤 基本的には、みなさんの中にやりたいことの種があるので、それをブラッシュアップしていきます。

特に女性が弱いところだと、「数字と目標」。その計画を立てていくところが難しかったりするので、そこはきちんとやっています。

― それぞれのやりたいことの種を育てていくようなイメージですね。

近藤 そうですね。でも、全くないところからいらっしゃる方もいます。何かやりたいんだけど、悶々としている。そういう場合は、もやもやしたものを1回棚卸しして、パーツを組み合わせたりしながら、パズルのピースをはめるように、コアを作っていくっていう作業をします。

家庭を大切にしながら目標に近づけるシステム

― ママ大独自のシステムがあれば教えてください。

近藤 数字と目標は大事なんですが、自分のビジネスのサイズと規模感を押さえることがとても大事です。

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著者プロフィール

近藤洋子

近藤洋子

日本ママ起業家大学 学長近藤洋子 FMラジオのDJ等喋りのキャリアは約15年。 各分野のカリスマへのインタビューは延べ4,000人超。TV通販では家電ナビゲーターとして1日で1億円超の売り上げを記録。 「15秒で相手の心をつかみ、1分で売れる!」セルフプロモーションの専門家として、これまでに延べ300人以上の女性起業家たちに個別レッスン、セミナーを開催。 またプロアスリート専属のメディアトレーナーとしても活躍。 プライベートでは女児の母。働くママの会員制のコミュニティ”Dear.Tomorrow Family”の副代表も務めている。