総合トップ
起業
資金調達
会社設立
副業
マーケティング
事業承継
地方起業
フランチャイズ
シニア起業
税・会計・法律
士業
ビジネス
失敗

移動に付加価値をつける“相乗り”マッチングサービスnottecoが目指す社会とは

ポイント
  1. 「相乗り」をマッチングするサービス
  2. シェアリングエコノミー普及への課題
  3. 普及促進への幅広い活動も
  4. CtoCモデルは正しく戦えば勝てる

目次 [非表示]

インターネットの可能性を追求して

― まずは、経歴を教えてください。

東:2013年にnottecoの親会社であるガイアックスに入社しました。入社後は、ネット選挙に関する事業、たとえば政治家向けのWebサービスの立ち上げやその運営、SNSの運用代行等の業務に従事しました。その後、2016年の5月にnottecoの代表に就任しています。もともとnottecoは個人の方が創業したもので、企業への売却を経て、2015年9月にガイアックスグループに営業譲渡されています。

僕自身の経歴としては、幼い頃からプログラムが好きで、中学生からアプリや動画などをリリースしていました。ガイアックスでの経験を経て、「そろそろ独立しようかな」と考えていたとき、nottecoの話をいただいたのでお受けしました。

1からビジネスを立ち上げるのも魅力的でしたが、すでにある事業でまだ収益化ができていないものを、ビジネスとして確立させるのもおもしろそうだと思ったのが決断したきっかけです。もちろん、ライドシェア、いわゆるシェアリングエコノミーのビジネスモデルにも将来性を感じていましたので。

「相乗り」をマッチングするサービス

― 次に、事業内容について教えてください。

東:一言で言うと、「日本最大級の相乗り相手を探すためのプラットフォーム」です。

まず、クルマを運転する予定の人が、ドライブ予定を登録します。いつ、どこからどこへ行く予定で、○席は空いています、というように。その登録情報に対し、相乗りしたい人が名乗り出るイメージですね。利用者としては、「安く移動したい」「移動手段がほしい」など、移動の悩みが解決できる仕組みです。現在は、乗せたい人と乗りたい人をマッチングするプラットフォームとしてサービスを提供しています。

― 「クルマ離れ」という言葉もあるように、若い人を中心に自動車を所有しない人が増えていますね。

東:そうですね。「東京-大阪」などの区間であれば夜行バス、新幹線、飛行機などの手段があるのですが、東京から軽井沢に行く場合や、新潟や茨木の奥地に行く場合ですと、どうしても自動車が必要になります。そこでnottecoを使えば、ユーザー同士で相乗りできますので、よりエコに移動することができるのです。まさに、CtoCならではのサービスですね。

とくに地方における移動の問題は深刻です。移動手段を提供する事業者に関しても、ビジネスにならなければ参入できません。その点、ライドシェアのモデルであれば、無理なく問題を解消することができます。すでに会員数は34,000人以上おりまして、年間のドライブ数は4000超となっています(2017年 4月時点)。

シェアリングエコノミー普及への課題

― シェアリングエコノミーの普及にあたり、課題は何でしょうか?

東:大きくは2つあります。

ひとつはシェアそのものの体験が一般化していないこと。とくにオフラインの部分で他人と何かをシェアするという体験は、まだ一般的ではありません。他人のクルマに乗ることもそうですよね。民泊も同様です。しかし海外では、個人間評価の仕組みが普及していることもあり、安心・安全なシェア環境が実現しています。日本にも同様のムーブメントが起きていますので、今後もさらに周知されるよう、活動を続けてまいります。

2つ目は、法律の問題です。人を乗せてお金をとるビジネスには「道路運送法」による制限があります。いわゆる“白タク”の問題ですね。移動手段を提供し、勝手にドライバーが利益をあげてはいけないというものです。

nottecoは現在、高速道路代やガソリン代といった移動にかかる交通費を実費の範囲内で同乗者が費用負担しています。ドライバーの利益にならないようなサービスモデルとなっているので、これには当たりません。ただ一方で、「お金を払ってでも乗せてほしい」と希望する人は少なくありません。とくにタクシーがカバーできていないエリアではなおさらです。今後、現状の問題に対処できる法改正も見越して活動しているところです。

― 具体的にはどのような活動をされていますか?

東:シェア文化の醸成ということで言えば、親会社であるガイアックスが「一般社団法人シェアリングエコノミー協会」の理事を務めています。そこで、政治の部分からも、シェアリングエコノミーへの理解を促進しています。具体的には、内閣府の「シェアリングエコノミー検討会議」や「規制改革推進会議」に参加し、サービスの内容やその利便性をご理解いただく活動をしています。やはり、まずは知ってもらうこと、理解してもらうことが大切ですよね。

もちろん、一般ユーザーへの周知活動にも力を入れています。たとえば、スキー場を運営する業者と連携してイベントを行うなど、相乗りと親和性の高い活用方法を伝える工夫をしています。

その他にも、利用シーンを提案したり、あるいは実際に利用した方の声を掲載したりするなど、nottecoというサービスをより理解してもらえるコンテンツの配信にも力を入れていく予定です。

普及促進への幅広い活動も

― 自治体との連携なども行っているのでしょうか?

東:はい。2017年3月からは、北海道の天塩(てしお)町で隣町の稚内市までの移動手段としてnottecoを利用してもらえるように、サポート体制を充実させています。具体的には、現地での説明会や使い方のレクチャー、電話窓口の設置などですね。

もともと天塩町は稚内までの直通の公共交通機関がなく、バスや電車を乗り継ぐのも大変な土地です。そのような土地柄ということもあり、地域全体でライドシェアの文化が広まれば、より暮らしが豊かになるのではと考えています。

― 利用者の方はどのような感想をお持ちですか?

東:現状としては、夜行バスと比較される方が多いですね。比較しつつも、「席が広くて楽だった」「週末なのに安く移動できた」など、ポジティブなレスポンスをいただいています。とくにライドシェアは、時間や場所を柔軟に設定できるのが強みです。「目黒まで来てもらえませんか?」「◯時集合でも大丈夫ですか?」など、ドライバーとの交渉次第で個別に設定できるのです。夜行バスや電車ではあり得ないことですよね。

とくにイベント時など、特定の会場に移動するとき、みなさん目的が一緒なので相乗りした方が効率的です。何より車内が盛り上がる。「交友関係が広がった」「いつもより楽しめた」などの声も聞かれます。リピートも多いですね。

助け合いが自然にできる社会へ

― シェアリングエコノミーによって社会はどう変わるとお考えですか?

東:BtoCモデルが基本の社会では、自ずとお金を持っている人が幸せになりやすい。一方で、「個人間での助け合い」「相互による協力関係」などが主流の社会では、別のロジックで物事が進んでいくと思います。

これまでに放置されがちであった社会問題についても、シェアリングエコノミーによって解決できる可能性があります。その背景にあるのは、お金ではなく“助け合いの精神”なのではないでしょうか。そして、社会はもっとエコになると思います。所有する必要がなくなれば、維持費や消費のための資金も不要になりますよね。海外では、すでにシェアリングエコノミーが普及しているところも少なくありません。

僕自身、ヨーロッパでシェアリングエコノミーが根付いている社会を体験しています。nottecoのような相乗りがもっと自然に行われているのです。そのような社会が日本でも実現できるといいですね。

CtoCモデルは正しく戦えば勝てる

― 今後の目標について教えてください。

東:地方の自治体との連携など、さまざまな活動を通してモデルケースをつくりたいと考えています。会員登録数としては、2015年9月時点で1万6,000人ほどでしたが、この1年半で2倍以上に増加しています。今後は、2017年中に5万人をひとつの目安にしています。

たとえば音楽フェスやスキー場など、駐車場に限りがある会場であれば、nottecoを利用することで渋滞の緩和につながります。そのような部分で「相乗りキャンペーン」などを実施し、ユーザー数の拡大につなげています。

notteco

 

 

この記事には続きがあります

続きを読むにはメルマガ登録(無料)が必要です。
入力はメールアドレスだけ!10秒で登録完了!

メルマガ登録がお済みの方はこちらからログイン

メルマガ登録

登録することで、利用規約・プライバシーポリシーに同意したものと見なされます。

登録することで、 利用規約・プライバシーポリシーに 同意したものと見なされます。

関連記事

著者プロフィール

東祐太朗

東祐太朗

1989年愛知県名古屋市出身。愛知県立大学大学院情報システム専攻卒業。2013年4月株式会社ガイアックス入社。公職選挙法の改正による「ネット選挙」の解禁に伴い、政治家向けのIT支援事業の立ち上げを担当。2016年5月より現職。