廃棄物処理業、有料職業紹介、派遣業等あらゆる許認可方法を徹底解説!
- 一般廃棄物処理業許可
- 産業廃棄物処理業許可 (特別管理産業廃棄物処理業許可を含む)
- 自動車分解整備事業認証
- 有料職業紹介事業許可
- 一般労働者派遣事業許可
- 家畜商免許
一般廃棄物とは、
・家庭で出される「燃えるゴミ」や「燃えないゴミ」等の「家庭系一般廃棄物」
・事務所・飲食店・商店等で出される「事業系一般廃棄物」
・人の排泄物である「し尿」
以上の3種類に加え、
・PCB(ポリ塩化ビフェニール)という化合物が使用されている電化製品等や、病院や診療所等で出される感染症の危険のあるもの(感染性一般廃棄物)等の「特別管理一般廃棄物」を含めた、計4種類を指します。
原則として、一般廃棄物の収集・運搬・処分は市区町村に処理責任があります。家庭系一般廃棄物であれば「○曜日は燃えるゴミ」、「○曜日は燃えないゴミ」等、各自治体等で決められていているかと思います。
しかし、各市区町村の処理施設の能力によっては処理することが困難な場合があります。引っ越しの際に出る大量の家庭の一般廃棄物や、たくさんの人が働く事務所や従業員の入れ替わりの激しい飲食店等で出る大量の事業系一般廃棄物、専門の知識や施設でないと処理できない特別管理一般廃棄物です。このような一般廃棄物の処理を市区町村に代わって行う場合に必要なものが、「一般廃棄物処理業許可」になります。
この許可は、収集・運搬や処理施設の設備が各市区町村の定めた基準を満たしていなければ取得することができません。
申請の際の手続きの方法や基準は、あなたの住んでいる各市区町村によって異なります。
ここでは東京都目黒区を例にあげて、見ていくことにしましょう。
①能力認定試験
東京都の23区内(特別区)で新しく事業を行う際、特別区の許可をもっていない場合は区長の定めた試験を受けなければなりません。
そして一般廃棄物処理業は、収集して運搬を行う「収集運搬業」と、処分を行う「処分業」の2種類に分かれているため、能力認定試験もそれぞれ区別されています。
②清掃協議会に相談と申請の予約
東京都では一般廃棄物処理業許可の申請は「清掃協議会」で行います。
そして申請には予約制を導入しているため、事前に一度、清掃協議会に連絡する必要があります。
③申請と手数料
ここで以下のものを清掃協議会に提出・納付します。
・許可申請書、運搬車両や処理施設の設備についての書類と写真、その他書類等
・新規許可申請手数料 15.000円(1区につき)
④書類審査と立入検査
定められた基準に達しているか、
上記③の項目で提出した書類等の審査、そして運搬車両や処理施設へ立入検査を行います。
⑤許可(許可証の交付)
書類審査と立入検査を行い、それぞれ基準に達していると判断された場合、一般廃棄物処理業の許可がおり、許可証が交付されます。
一般廃棄物処理業許可に関しては、注意していただきたい点がいくつかあります。
まず、許可には2年間という有効期間があり、その都度更新が必要です。そして、一般廃棄物処理業者の数が十分であると判断された市区町村では、新規での申請を受け付けていない場合もありますので注意してください。そのため、新規で事業を始めようとされる方は、各市区町村への確認が必須となります
産業廃棄物とは、化学工場から排出される化学物質や廃水、工事の際に出るコンクリートやアスファルトの破片等、「事業活動に伴って排出される廃棄物」のことです。
廃棄物処理法という法律では20種類の廃棄物を産業廃棄物と定めています。
①燃え殻 (焼却炉の残灰、灰かす等)
②汚泥 (工場の廃水等の処理や、製造の際に排出される泥状のもの)
③廃油 (鉱物性油、動植物性油、洗浄油、溶剤等)
④廃酸 (写真定着廃液、廃硫酸等の酸性の廃液)
⑤廃アルカリ (写真現像廃液、廃ソーダ液等のアルカリ性の廃液)
⑥廃プラスチック類 (合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず等の合成高分子系化合物)
⑦紙くず (建設業、製紙業、出版業等の業務の際に生じる紙くず)
⑧木くず (建設業、木材・木製品製造業等の業務の際に生じる紙くず)
⑨繊維くず (建設業、衣服などの繊維業等の業務の際に生じる繊維くず)
⑩ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず (ガラスくず、陶磁器くず等)
⑪鉱さい (高炉等の製鉄の際に除去される不純物等)
⑫がれき類 (コンクリート片、レンガの破片等)
⑬ゴムくず (天然のゴムくず)
⑭金属くず (鉄や銅等の破片、研磨くず、切削くず等)
⑮動植物性残さ (食品製造の工程で生じる不要なもの、加工不良のもの)
⑯動物系固形不要物 (と畜場等で生じる骨や皮等の固形不要物)
⑰動物のふん尿 (畜産農業で生じる動物のふん尿)
⑱動物の死体 (畜産農業で生じる動物の死体)
⑲ばいじん (物を燃やした際に発生する微細な物質を集めたもの)
⑳産業廃棄物の処理後のもので、上記のものに該当しないもの)
さらにその中から爆発性・毒性・感染性が高いものを「特別管理産業廃棄物」として区別されています。
例として、基準値を超える濃度の廃酸や廃アルカリ、病院等の医療機関から排出される血液や使用済みの注射針等の感染性病原体を含む、また含んでいる可能性のあるもの、その他有害物質が付着しているもの産業廃棄物等があげられます。以降は、この「特別管理産業廃棄物」も産業廃棄物として説明していきます。
産業廃棄物の処理責任は、その産業廃棄物を排出した事業者にあることが、廃棄物処理法で定められています。産業廃棄物は、一般廃棄物用の処理施設での処理・処分をすることはできないため、種類に応じた専用の施設で処理・処分をしなければなりません。事業者は処理・処分を外部の業者に委託する場合がほとんどのようです。
その処理・処分の他に、収集と運搬を行う事業を始める際は、各都道府県及び市区町村の許可が必要です。これが「産業廃棄物処理業許可」になります。
産業廃棄物処理業と言っても、
・産業廃棄物収集運搬業 (特別管理産業廃棄物収集運搬業)
・産業廃棄物処分業 (特別管理産業廃棄物処分業)
上記の2種類に区別されます。
そして、その2種類の事業を行う許可の取得には、処理施設の設備・構造等の「施設の要件」、申請者の能力等の「申請者の要件」が、廃棄物処理法の基準を満たしていなければなりません。
収集・運搬の際に以下の様な要件を満たしていなければなりません。
・産業廃棄物が飛散、流出しないようにすること
・悪臭や振動等の支障が出ないよう措置を取ること
・運搬車両や密閉容器にも上記2件が当てはまること
・施設を設置する場合、まわりの生活環境に支障が生じないよう措置を取ること
・運搬車両にはステッカー等で、定められた項目(会社名、許可証番号等)を表示すること
・運搬車両内には、運搬中の産業廃棄物に関する書類を備え付けておくこと
・産業廃棄物が混合しないように区分して収集運搬すること
処分の方法は、「中間処理」と「最終処分」の2段階に分かれています。段階ごとの要件をいくつか見ていきましょう。
①中間処理 (焼却・脱水・乾燥・中和・粉砕、再利用・再資源)
中間処理とは、産業廃棄物を安全化・安定化・減量化・再利用・再資源化する処理のことです。
中間処理の要件は以下のものになります。
・法律で定められた構造基準を満たした施設であること
・一日の処理量が基準以上行えるだけの設備・規模であること。
・施設の設置地域が設置禁止ではないこと
②埋め立て処分 (最終処分)
産業廃棄物を中間処理で再利用・再資源化ができないものを処分することです。
最終処分の要件は以下のものになります。
・産業廃棄物が飛散・流出しないようにすること
・悪臭や振動や騒音等、生活環境に支障が出ないよう措置を取ること
・埋立地の周辺には囲いをし、産業廃棄物の処分場であることがわかる表示をすること
・埋立地にネズミや蚊等の害獣・害虫が発生しないようにすること。
収集運搬業、処分業の要件をいくつかあげましたが、どれも人の健康被害や、周辺の生活環境に支障が出ないようにするための要件がほとんどだということがお分かり頂けたと思います。
申請者の要件は、収集・運搬・処分が的確に行えるだけの知識と技能の他に、継続して行うことのできる経理的基礎があるか等になります。
また、破産者や暴力団員等ではないことも要件になります。
申請の手続きと流れを見ていきましょう。
ここでは東京都を例にあげています。
①講習会の受講
許可の申請をするには、「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会」を受講しなければなりません。
この講習の修了証の有効期限は、新規の場合は5年、更新の場合は2年になります。
この講習会は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施しています。
②申請書等の作成
申請の際に提出する申請書等の書類を準備・作成します。
・産業廃棄物処分業許可申請書、誓約書等の「申請書類(様式)」
・定款の写しや住民票抄本等の「申請者に関する書類」
・納税証明書等の「財政能力に関する書類」
・認定講習会修了証の写し 「技術的能力に関する書類」
以上の書類が必要になります。
③申請の予約
申請は電話での予約制になっています。
東京都23区内は、東京都 環境局 資源循環推進部 産業廃棄物対策課 審査係。
多摩区域は、東京都 多摩環境事務所 廃棄物対策課 審査係への予約・申請になります。
④申請
作成した書類の提出と、申請手数料を支払います。
⑤審査
提出した書類の審査、施設の構造や設備等の検査を行います。
⑥許可
書類の審査、施設の検査を行い、要件を全て満たしていると判断された場合、許可がおり、許可証が発行されます。