学校法人とは?設立方法について徹底解説。学校から幼稚園、保育園許可まで教えます

ポイント
  1. 学校法人の設立について
  2. 日本語学校の設立について
  3. 保育所の許認可について

目次 [非表示]

2.日本語学校の設立について

皆さんは、日本語学校というものを聞いたことがあるでしょうか?近年では、外国から様々な外国人が入国していますよね。その方達が、日本に興味を持ち、日本語を学びたいと、日本語の勉強を目的に来日するケースも増えてきています。

ここでは、そんな外国人の皆さんが学ぶ場所となる日本語学校の設立について解説をさせて頂きたいと思います。最初に伝えておきますが、日本語学校の設立には多くの要件があり、設立までには様々な要件をクリアする必要がありますので、容易ではないとだけ伝えておきます。

2-1.日本語学校設立の要件などについて

まずは、学校の校舎に使う敷地についてですが、面積が115平方メートル以上である事が求められ、その敷地については自分で所有している事が要件となります。更に、授業を受ける側の生徒の1名当たり2.13平方メートル以上である事が求められます。ですので、この計算からすると、115平方メートルの敷地の場合については、53名までとなります。

また、斡旋している機関などから生徒の紹介を受けた場合、紹介料が発生します。相場としては、1名につき7万円~20万円程度だと思って下さい。ですので、斡旋機関などを利用する場合は、その事を考慮して学費の決定をする必要があると言えます。

次に、学校の規模が大きい小さいに関わらず、校長先生、主任教員、専属教師の3名以上の常勤しているスタッフが必要とされております。常勤しているスタッフと言うのは、正社員などが多く該当しますが、つまり、社保などに加入している人です。ですでの、自分を合わせなかったとしても、最低2名の社会保険の金額を負担する事になる事だけは頭に入れておきましょう。

また、申請を行った際に、その時から実際に学校が開講するまでの期間は、およそ1年程かかると言われています。ですので、その間の雇っている先生についても、その期間払える給料分を予め用意しておく必要があると言うことになります。

また、入国管理に申請を行う際には、これらの財務的な内容についても申請の要件となっている為、かなりの準備金が必要であると言う事がわかります。更に、許可が無事におりるまでには、生徒を募集する事はできない為、それなりの資金を用意しておく必要があります。

2-2.優良校の認定は必要か?

日本語学校には、優良校の認定がある学校と、ない学校があります。ここで違いが出て来るのが、ビザの関係です。

優良校の認定がない日本語学校の場合は、ビザの期間が6か月となります。また、更なるデメリットとしては、入国管理へ出す資料についても、多くなってしまいます。ですので、優良校の認定については、取得しておくべき項目と言う事ができるでしょう。

2-3.日本語学校の設立の流れ

新規で日本語学校を設立される方の場合、開校は年2回となっています。

4月期に開校を予定している場合においては、開校する1年前の3月末日までに、各地方の入国管理局に申請を行う事になります。
10月期に開校を予定している場合においては、開校する1年前の9月末日までに、各地方の入国管理局に申請を行う事になります


どちらの場合においても、学校の場所、校舎の部屋割や設備などの完備、校長、主任教員等が募集の生徒の数に見合っている教員を確保する必要があり、規定の申請書の一式と、立証の一式等、書類に不足がないように用意して申請しなければなりません。

地方入国管理局に相談に行く前に、まずは、法務省入国管理局が規定している、日本語教育機関の運営に関する基準と、日本語教育機関審査基準、そして、提出資料記載要領を十分に確認しておきましょう。

2-4.まとめ

このように、日本語学校を設立する上でも、様々な申請や、要件がある事がわかって頂けたかと思います。また、そもそも、学校で日本語を学ぶ事を目的としていない外国人や、失踪、帰化申請目的などの問題もかなり発生しているのは事実です。

また、かなりの資金を用意しておく必要がある事から、様々なリスクがあると言えますが、もし、設立を希望されている場合については、わからない事に必ず事前に入国管理局に確認を取る事をオススメします。

3.保育所の許認可について

3-1.認可保育所と認証保育所の違いについて

まずは、認可保育所と認証保育所の違いについて解説させて頂きます。まず、認可保育所は、国が基準となっており、認証保育所と言うのは、東京都の独自の基準となっています

認可保育所は、児童福祉法と言う法律に基づいた自動福祉施設です
設置の基準については、国が定めている基準が適用され、それをクリアしてから都道府県知事に認可される事によって開設する事ができます。預かる子供の保護者が、仕事であったり、病気などの理由で子供をみられない場合、0歳から、小学校に上がる前までの子供を預かって保育する施設です。また、社会福祉法人等が運営している民間の私立保育所と、市区町村が運営している公立の保育所等がありますが、認可を受ける事によって認可保育所の運営は公費となります。

一方、認証保育所については、東京都の独自の制度となっています
これまで、国が定めている認可保育所の基準では、東京などの大都市の場合、設置が困難なケースが多くあり、問題点となっていました。そこで、東京都が、独自の基準を設定する事により、より多くの新しい方式である保育所や認証保育所の制度を設立したと言う事になります。

3-2.認可保育所の新設

認可保育所は、国が基準を設けていますが、それぞれの認可については、各都道府県知事によって認可される事になります。各都道府県知事によっては、申請の方法などが若干違う可能性がある為、ここでは神奈川県の例を参考に解説を行っていきたいと思います。

神奈川県の保育所認可等の手続きに関し、新設する場合によりますと、児童福祉法に基づく保育所の設置認可については、神奈川県自動福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例と、同施行規則に基づき手続きを参考にする事になります。

3-2-1.開所までの流れ

まず、国、都道府県、市町村以外の者が保育所を設置しようとする場合については、児童福祉審議会の意見を聴いた上で、都道府県知事の認可を受ける必要があるとされています。

流れについては、まず、市町村への事前相談を行います。次に、施設設備の方向性等について、市町村と協議します。そして、県への事前協議を行い、事前協議の受理が行われます。施設設備の補助金を受ける場合は、この時に補助金の交付申請を行い、交付が決定した場合は、次の流れとなる、施設設備の入札、契約、着工の時に交付を受ける事になります。

次に、県へ設置認可申請をし、完成前に検査の依頼を行い、完成前検査の受検と完了届の提出を行った後、設置認可(認可指令書の交付)となり、無事に開所すると言う事になります。また、事前協議所に添付する必要がある書類は以下の通りです。

①    建設用地の用途地域、所有又は貸借等の状況及び契約に関する資料
②    建物の配置図、平面図、立面図及び付近の見取り図
③    施設設備に係る見積書
④    資金計画
⑤    工事工程計画書
⑥    保育所の施設設備に関する周辺住民等の説明の状況が分かるもの
⑦    保育所を経営するために必要な経済的基礎、社会的信望等に関する書類
⑧    その他知事が必要と認める書類

以上の8項目に関する書類などが必要とされています。
学校法人の設立の時にも出てきましたが、認可保育所を設立する場合においても、事前にこのような書類の提出や確認が必要となっています。

3-3.認可保育所に必要とされる主な設備について

【必ず守らなければならない基準】
①    乳児室・ほふく室(0.1歳児を保育する部屋。乳児室とほふく室どちらかだけでも良い。また、1人あたり3.3平方メートルの有効面積が必要とされています)
②    保育室・遊戯室(2~5歳児を保育する部屋。保育室と遊戯室どちらかだけでも良い。また、1人あたり1.98平方メートルの有効面接が必要とされています)
③    医務室(事務室内に設ける事も可能だが、カーテンなどで仕切る事)
④    調理室(国が定める「大量調理施設衛生管理マニュアル」に準じて設備する。また、三階以上にある場合は、上乗せの条件がある)
⑤    2歳未満の幼児専用、2歳以上の男女専用ベンキョ、また、2歳以上児は、男子20名につき大小便器1以上、女子20名につき大便器1以上、また、2歳未満の幼児の男    女専用便所、また、調理員専用便所)
⑥    屋外遊技場(2歳以上児1人あたり3.3平方メートルが必要、また、近隣の公園等で代替することができる、また一定の条件のもと、屋上の遊技場を設ける事ができる)
⑦    二階以上に保育室等がある場合の常用:避難用階段(保育室がある階に応じ、必要な施設・設備が備わっている事、また保育室からの歩行距離が30メートル以内である事)
⑧    二階以上に保育室等がある場合の耐火性能(建築基準法に定める耐火または準耐火建築物であること)


【守る事が望ましい基準】
①    事務室(職員が事務を行う部屋、医務コーナーを設置できる)
②    職員休憩室(保育士等が休憩する部屋)
③    調乳室(乳児のミルクを作る部屋、乳児室内に設ける場合は独立区画とする、調理室内で調乳する場合は不要)
④    乳幼児が沐浴・シャワーを使用する部屋、幼児用便所内に設ける事も可能)

以上のものが認可保育所に必要とされる主な設備です。かなり細かい規定がある事がわかって頂けると思います。
このように、認可保育所について設立を行う際にも、細かな規定がありますので、参考にしてみて下さい。

4.幼稚園の許認可について

保育所等の管轄が厚生労働省なのに対し、幼稚園は文部科学省が管轄を行っています。
幼稚園についても、少し触れておきたいと思います。

4-1.幼稚園の認可の基準

文部科学省によると、私立学校法の施行について示されている通り、学校法人の認可基準としては、基本財産は原則として借用できない事を求めています。
しかし、すでにある幼稚園(昭和50年8月1日現在)については、特にその円滑な学校法人化に資する為に、園舎と敷地、及び、運動場の借用部分については基準面積の1/2以下である場合、認可しても差し支えないものである事とされております。

また次の3つに上げられている場合、学校法人が所有権を取得できない事について、合理的な理由があって、尚且つ、教育の上で支障がないと認める場合については、前記にかかわらず、各都道府県において幼稚園教育の実情等の状況を勘案する事により、借用部分が通常の場合を超えていたとしても、認可して良いと言う事になっています。

①    国、または地方公共団体からの借用であって、所有権を移転する事が困難な場合
②    借用している部分が旧設置社である宗教法人等の境内地その他であって、所有権を移転する事が宗教法人等の目的等に照らし、困難である場合
③    借用部分が旧設置者当時からの借用地であり、学校法人が所有権を取得できない事について合理的な理由があると認められる時

以上の3点に該当した場合、認可しても良いと言う事になります。

また、学校法人の目的にかんがみて、基本の財産が借用である場合は、園舎、敷地、運動場等として長期に渡って安定して使う事ができる条件を学校法人側が取得している事が求められております。更に、役員の選任についても、宗教法人立幼稚園の学校法人化については、寄附行為で旧設置者である宗教法人の指名する人一名が理事となる旨の規定を設ける事ができることとするとされています。

このように、幼稚園の設立に関してもですが、かなり細かな規定がある事がわかって頂けるかと思われます。ですので、設立を行う場合については、事前に文部科学省に確認を取るべきだと言う事ができるでしょう。

5.認定こども園について

認定こども園というのを皆さんはご存知でしょうか。
そもそも認定こども園と言うのは、保育園と幼稚園の施設の機能を持ち合わせている施設となります。
形態としては以下の4つに分離されます。

①    幼保連携型(保育園と幼稚園の両方の認可を持っています)
②    幼稚園型(長時間保育も行っている)
③    保育所型(3歳以上の子供に対し、保育所の施設で幼稚園教育を行う)
④    地方裁量型(保育園、幼稚園両方の認可を持っていない認可外の保育施設)

以上の4つに分けられています。
また、認定こども園を管轄しているのは、内閣府となります。ですので、今までの解説で出てきた、厚生労働省や、文部科学省の管轄ではなく、内閣府が管轄していると言う事になります。内閣府の内部に子ども・子育て本部と言う組織があり、そこが子育て新制度の窓口となっています。

また、認可保育所などとは違い、認可を受けるのではなく、認定を受けていると言う事ですので、間違いがないようにして下さい。
無認可の保育園や、幼稚園であったとしても、基準をクリアする事ができれば、認定されるケースがあります。この認定こども園に関しても、申請に必要な書類や、設備要件には様々な規定があります。

以上、学校や、保育所、幼稚園などの許認可についてお話をさせて頂きましたが、これらの許認可には、かなり複雑な要件が求められている事がわかって頂けたかと思います。
これから、これらの許可を得て、設立などを検討されている方につきましては、それぞれに合わせた事前の調査を徹底的に行い、不明点は必ず確認の上、設立に向けて行動して頂けたらと思います

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