江成道子

保険外交員から起業家へ。シングルマザーを支援する江成道子氏インタビュー

ポイント(この記事は4分で読み終わります)
  1. シングルマザーを支援するために
  2. 「経済」と「孤独」という二つの課題
  3. 100%寄り添うことの大切さ
  4. シングルマザーが活躍できる社会の実現へ

シングルマザーを支援するために

― 簡単なご経歴を教えてください。

江成:友人に勧められて保険会社に勤めたのが、私のキャリアのスタートです。すでに二十歳で子どもがいた私は、子育ての大変さも感じつつ、結果を出せば稼げる生命保険の世界に魅力を感じて営業の世界に飛び込んだのです。それからはずっと営業を経験してきました。何度か転職をするなかで、再婚や出産というライフイベントを経ながらではありましたが、やればやるだけ評価される営業の世界ということもあり、就職に困ったことはありません。

「一般社団法人日本シングルマザー支援協会」を立ち上げたのは、今から4年前の2013年7月になります。子どもが5人いるシングルマザーとして、子育てや仕事との両立など、シングルマザーのために何かしたいという想いから立ち上げました。現在は会員数が約2000名。パートナー企業も150社ほどにまで成長しました。そのうちの一社からお声掛けいただき、「シングルマザーサポート株式会社」を創業したのが2016年10月のことになります。役割としては、会員さん向けのサポートを日本シングルマザー支援協会で行いつつ、企業さまからのご要望にお応えする部分においてはシングルマザーサポート株式会社の方で対応しているかたちです。

― 独立の経緯についてはいかがでしょうか?

江成:30代の頃はとにかくがむしゃらに働いていました。そのとき、自分がどれだけ社会に貢献できるかによって、やりたいことが実現できるようになる、ということを学んだのです。学歴や年齢、家庭環境は関係ありません。もともと起業への関心はありました。ただ、自分の中で足りていないと感じるスキルを補うために、企業で評価されるという体験を経てから独立しています。やはり誰しも、必死になって働く時期は必要ですよね。

日本シングルマザー支援協会を立ち上げる1年ほど前からは、新宿でランチ会を開始。シングルマザーを集めて、いろいろな相談にのっていたのです。集客はブログで行っていました。毎月5~10人ほど集まっていましたね。当時、シングルマザーとして支援を受けたいと思っても、必要な情報が網羅されているところは見当たりませんでした。たとえば児童扶養手当の受け方や手続き、その存在そのものなど。自立するまでの手順が見えてこないのです。そこで、ランチ会のメンバーから話を聞きつつ、必要な情報をまとめてきちんと伝えていくために設立したのが日本シングルマザー支援協会です。協会を立ち上げてから2ヶ月後には仕事も辞めて、こちらに専念しています。

「経済」と「孤独」という二つの課題

― 御社の活動内容について教えてください。

江成:日本シングルマザー支援協会の方では、シングルマザーへのサポートをメインに行なっています。「お金を稼ぐ力を養う」「共感しあえるコミュニティ」「再婚という幸せ」という3つの柱を掲げ、女性が子どもを育てながらも働きやすい社会の実現を目指しています。具体的な活動内容としては、無料のメルマガや有料講座、起業塾、個別相談会などでお金を稼ぐ力を養ってもらいつつ、ランチ会やイベントなどでコミュニティとしての活動を行っています。また、再婚のためのパーティーも開催しています。

人材紹介、派遣、企画、イベント運営、セミナーや講演など、企業さまからの依頼については、シングルマザーサポート株式会社の方で対応しています。メインは人材紹介になりますが、お客さまのご要望に対し、さまざまな部分で事業化を進めています。

― シングルマザーが抱えている悩みに、傾向などはあるのでしょうか?

江成:シングルマザーの課題は大きく2つあります。「経済」と「孤独」です。収入があがらなければ経済的に自立することができず、結果的に、低所得者になってしまう可能性があります。ただその前提として、孤独である

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― やはり、親身になって相談を受けることが大事なのですね。

江成:うちへ相談に来た方は、見違えるように変わっていきます。たとえばある個別相談をした方は、当時、かなりのネガティブ思考でした。それが今では、「できないという感覚がわからない」と言うぐらいまで自信をつけています。また別の女性は、シングルマザーということもあり、それまで安定した仕事を選んでいました。派遣期間が終了し、次の仕事を探していたときにうちへ来たのです。

そのとき、彼女のスキルや思考を深掘りすることで、本当にやりたい仕事が見えてきました。その結果、これまでとは異なる新しい仕事にチャレンジすることができるようになったのです。年収も100万円ほどアップしています。残念ながら、シングルマザーをサポートしている企業や団体のすべてが、100%、シングルマザーの側に立っていないのが現実です。だからこそ、シングルマザーに100%寄り添っている私たちが選ばれているのかもしれません。

シングルマザーが活躍できる社会の実現へ

― 今後の目標について教えてください。

江成:まずはいち早く全国に支部をつくりたいと考えています。電話やメールでの相談ももちろん可能ですが、やはり、フェイス・トゥ・フェイスでの相談は大切です。孤独を解決するためには距離感が欠かせませんので。だからこそ、一定の範囲ごとにひとつの支部を設ける必要があると考えています。最初の大きな恐怖感と孤独感さえ解消できれば、女性が活躍できる社会も自然と実現できるはずです。キャリアの悩みも少なくなるでしょう。

そのような機会をもっとたくさんつくるためにも、全国支部は必要ですよね。各都道府県にひとつずつというイメージでしょうか。そういった環境をなるべく早く実現できればと考えています。

― 最後に、読者へのメッセージをお願いします。

江成:私自身、それこそお金もコネもなく、さらに5人の子どもがいるシングルマザーという状況からスタートしてここまで来ています。当初は事業計画もありませんでした。それでも、最初の一歩を踏み出せば道は開けものです。

とくに、これから起業される方については、社会課題を意識していただきたいと思います。株式会社でもNPOでも、社会に存在する課題を深掘りすることによって、社会や周囲の人から共感を得やすくなると思います。そのうえで、自分がやりたいことを見つめつつ、ビジネスにしていくこと。ボランティアだけでなく、きちんとビジネスにしていくこと。それが大事ですよね。ぜひ、そのような感覚をもって挑戦してもらいたいと思います。

― ありがとうございました。

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著者プロフィール

江成道子

1968年8月生まれ。東京都出身。保険外交員として勤務、リーダーとして新人の育成にも関わる。その後、子育てをしながらいくつかの営業を経験し、起業前にはメーカーにてMD業務の傍ら新人育成、取引先研修等を兼務する。2013年7月に一般社団法人日本シングルマザー支援協会を設立し独立。シングルマザーの支援を通して、企業や行政との連携の中で、支援とビジネスの融合を目指し活動。2016年10月にはシングルマザーサポート株式会社を設立し、ビジネス面での強化をはかる。現在、会員数2000名を超え、パートナー企業は160社におよぶ。2度の結婚・離婚を経験し、5人の娘と4人の孫がいる。