保険外交員から起業家へ。シングルマザーを支援する江成道子氏インタビュー

更新日:2017.08.01

対談の内容

働く女性が増えている昨今。シングルマザーは子育ても同時にこなさなければならないことが多く、働きやすい環境とは言えない状況にあります。そのような方の悩みを解決するために、日本シングルマザー支援協会を設立された江成氏。女性のキャリアからみる社会課題についてお話を伺いました。

シングルマザーを支援するために

― 簡単なご経歴を教えてください。

江成:友人に勧められて保険会社に勤めたのが、私のキャリアのスタートです。すでに二十歳で子どもがいた私は、子育ての大変さも感じつつ、結果を出せば稼げる生命保険の世界に魅力を感じて営業の世界に飛び込んだのです。それからはずっと営業を経験してきました。何度か転職をするなかで、再婚や出産というライフイベントを経ながらではありましたが、やればやるだけ評価される営業の世界ということもあり、就職に困ったことはありません。

「一般社団法人日本シングルマザー支援協会」を立ち上げたのは、今から4年前の2013年7月になります。子どもが5人いるシングルマザーとして、子育てや仕事との両立など、シングルマザーのために何かしたいという想いから立ち上げました。現在は会員数が約2000名。パートナー企業も150社ほどにまで成長しました。そのうちの一社からお声掛けいただき、「シングルマザーサポート株式会社」を創業したのが2016年10月のことになります。役割としては、会員さん向けのサポートを日本シングルマザー支援協会で行いつつ、企業さまからのご要望にお応えする部分においてはシングルマザーサポート株式会社の方で対応しているかたちです。

― 独立の経緯についてはいかがでしょうか?

江成:30代の頃はとにかくがむしゃらに働いていました。そのとき、自分がどれだけ社会に貢献できるかによって、やりたいことが実現できるようになる、ということを学んだのです。学歴や年齢、家庭環境は関係ありません。もともと起業への関心はありました。ただ、自分の中で足りていないと感じるスキルを補うために、企業で評価されるという体験を経てから独立しています。やはり誰しも、必死になって働く時期は必要ですよね。

日本シングルマザー支援協会を立ち上げる1年ほど前からは、新宿でランチ会を開始。シングルマザーを集めて、いろいろな相談にのっていたのです。集客はブログで行っていました。毎月5~10人ほど集まっていましたね。当時、シングルマザーとして支援を受けたいと思っても、必要な情報が網羅されているところは見当たりませんでした。たとえば児童扶養手当の受け方や手続き、その存在そのものなど。自立するまでの手順が見えてこないのです。そこで、ランチ会のメンバーから話を聞きつつ、必要な情報をまとめてきちんと伝えていくために設立したのが日本シングルマザー支援協会です。協会を立ち上げてから2ヶ月後には仕事も辞めて、こちらに専念しています。

「経済」と「孤独」という二つの課題

― 御社の活動内容について教えてください。

江成:日本シングルマザー支援協会の方では、シングルマザーへのサポートをメインに行なっています。「お金を稼ぐ力を養う」「共感しあえるコミュニティ」「再婚という幸せ」という3つの柱を掲げ、女性が子どもを育てながらも働きやすい社会の実現を目指しています。具体的な活動内容としては、無料のメルマガや有料講座、起業塾、個別相談会などでお金を稼ぐ力を養ってもらいつつ、ランチ会やイベントなどでコミュニティとしての活動を行っています。また、再婚のためのパーティーも開催しています。

人材紹介、派遣、企画、イベント運営、セミナーや講演など、企業さまからの依頼については、シングルマザーサポート株式会社の方で対応しています。メインは人材紹介になりますが、お客さまのご要望に対し、さまざまな部分で事業化を進めています。

― シングルマザーが抱えている悩みに、傾向などはあるのでしょうか?

江成:シングルマザーの課題は大きく2つあります。「経済」と「孤独」です。収入があがらなければ経済的に自立することができず、結果的に、低所得者になってしまう可能性があります。ただその前提として、孤独であることが、最初の一歩を踏み出す壁になっているのです。「何をしていいのか分からない」「何かしたいけど1人では不安」。そのような恐怖心を解消しなければ、就職することも難しいですよね。

とくに日本シングルマザー支援協会では、この部分を解消するためにシングルマザーをサポートしています。また、専業主婦の方やブランクがある方、あるいは東京にでてきたばかりの方も、似たような悩みを抱えていますね。その恐怖心を解消しないかぎり、どんなスキルを身につけても、資格を取得しても自立するのは難しいと思います。セミナーや講座に参加しても身につかないのです。その点、私たちは相談者に寄り添いながら活動しています。

100%寄り添うことの大切さ

― 社会の側からみて、シングルマザーのキャリアを阻害している要因にはどのようなものがありますか?

江成:そもそも女性は感情的な生き物です。他人に評価されたり、あるいは批判されたりすることを極度に恐れる傾向があります。だからこそ、相談を受けた側がきちんと対応しないと、次の一歩が踏み出せません。もし、相談窓口で対応した人が、そのような女性を傷つけてしまうとどうなるでしょうか。せっかく勇気を出した行動が台無しになってしまいます。保育の相談でもそうですが、「それは無理ですね」などと簡単に言ってしまうのは本当に良くないですね。

だからこそ徹底的に相談者へ寄り添うこと。それが私たちの、もっとも重視しているポイントです。相手の思考に100%寄り添わなければ、キャリアの問題は絶対に解決しません。最初の一歩が重要なのです。どんな家を建てるにしても、土台がしっかりしていないと建ちません。「女性活躍」と声高に宣言しても、その土台にある感情が整っていなければ、活躍することは難しいはずです。そこに、私たちの存在意義があると思います。

一般社団法人日本シングルマザー支援協会
http://xn--qckmb1noc2bzdv147ah7h.com/

シングルマザーサポート
https://singlemother-support.co.jp/

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プロフィール

江成道子

1968年8月生まれ。東京都出身。保険外交員として勤務、リーダーとして新人の育成にも関わる。その後、子育てをしながらいくつかの営業を経験し、起業前にはメーカーにてMD業務の傍ら新人育成、取引先研修等を兼務する。2013年7月に一般社団法人日本シングルマザー支援協会を設立し独立。シングルマザーの支援を通して、企業や行政との連携の中で、支援とビジネスの融合を目指し活動。2016年10月にはシングルマザーサポート株式会社を設立し、ビジネス面での強化をはかる。現在、会員数2000名を超え、パートナー企業は160社におよぶ。2度の結婚・離婚を経験し、5人の娘と4人の孫がいる。


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