奥谷京子

設立から25年超。WWB代表・奥谷京子氏に見る女性起業家のキャリア

ポイント(この記事は3分で読み終わります)
  1. 設立25年を超えるWWBジャパンとは
  2. 社会を良くするために活動する
  3. 女性起業家がより活躍する未来へ

学生時代から精力的に活動

WWBジャパン(女性のための世界銀行日本支部)の代表を務める奥谷京子さんは、大学時代の課外活動で、ボランティアをやりたい学生と企業や福祉施設などのマッチングを行う活動に携わっています。

大学を卒業後、WWBジャパンに入社。2000年に事務局長となり、2005年に代表に就任。山口大学と産業能率大学の非常勤講師も務めるという、幅広いキャリアをおもちの方です。
さらに現在では、インドネシアのカカオやミャンマーのロンジー(織物)など、現地の伝統を活かした事業を経営しています。多くの時間を海外で過ごしつつ、日本とアジアの女性起業家をつなげるプロジェクトを展開するなど、起業家としても活躍しています。

設立25年を超えるWWBジャパン

1990年に設立されたWWBジャパンは、すでに25年を超えて運営されています。当時はまだ社会起業家という言葉が一般的ではありませんでした。それでも「生きがいをもってできる事業を起こしたい」という人たちに向けて、起業スクールをスタートしています。

これまでに、起業スクールに参加した6000人の卒業生のうち、すでに1000人以上の起業家が誕生。とくに、地域の素材や土地を活かしたコミュニティ・ビジネスに特化した起業サポートが主流となります。

「初期の構想としては、銀行からお金を借りられない女性を支援するという目的がありました。いわゆる「市民バンク」としての活動です。障害者支援など、身近な問題にチャレンジする女性の支援が中心となります」(担当者)

その後、行政による起業支援融資が一般になり、市民バンクとしての役割を果たしたとの思いから、起業スクールへと転換していきます。

リターンは市民活動が育つこと

WWBジャパンが求めているものは、一般的なファンドとは異なります。一般的なファンドはお金でのリターンを求めますが、WWBジャパンは“市民活動が育つこと”をリターンとして考えていたのです。

単純にお金を出資するだけでは、人材育成につながりません。応援者に留まってしまい、どうしても主体としての活動まで至らないのです。そこで、既存のネットワークを活かし、活動を再定義することになります。

「東日本大震災により、多くの加工場が津波で流されました。そこで職人を支援しようと考えたのです。全国から毛糸を集め、お金を出してくれる人に対して編み物を送る仕組みを構築しました。その後、この仕組みは協同組合にまで発展しています。(2016年に解散)」(担当者)

被災した職人を支援することによって、社会との接点や生きがいをつくり出す。WWBジャパンの活動は、被災後の5年間、現場の職人を支え続けていたのです。

「社会を良くするために

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「キャリアが断絶してしまったから」「必要なお金が用意できないから」。起業する際、そのような悩みを抱えている人も少なくありません。しかし、見方を変えることによって、起業することは可能かもしれません。

「大切なのは多様な価値観を身につけることです。あるいは柔軟に考えると言い換えてもいいでしょう。本書に書かれていることはまさに、お金がなくてもできることはたくさんある、ということなのです。」(担当者)

無いものに着目するのではなく、あるものに着目すること。そのうえで、ひろう・もらう・つくるという発想をもつことこそ、起業を実現する一歩になるのかもしれません。

女性起業家がより活躍する未来へ

「奥谷がよく言っているのは、「自分で工夫することが大事」ということです。女性ならではの多様なものの見方や人々との関係性を活かせれば、広く社会から応援してもらうこともできるはずです。」(担当者)

近年、WWBジャパンでは旅行業の資格も取得されたとのこと。育成した起業家を海外に連れていき、現地とつなげるためだそうです。また、日本の女性起業家のこだわりの素材選び、技術を生かした商品などを海外の人にも紹介したい、という想いも持っています。そのようにして、幅広い視点から女性起業家を支援する姿からは、女性が活躍する未来が垣間見えます。

ご自身も女性起業家として活躍する奥谷さんのチャレンジは、これから先、さらに加速していきそうです。その活動からは今後も目が離せません。月1回のペースで東京で勉強会を行っているので、海外、田舎で働き、起業したい人たちは一度参加してみてはどうでしょうか?

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著者プロフィール

奥谷京子

神奈川県に生まれる。慶應義塾大学総合政策学部を卒業。大学時代に人事・組織設計を専攻し、 課外活動でボランティアをやりたい学生と企業や福祉施設などのマッチングを行う活動に携わる。その経験を活かして、卒業後にWWBジャパン(女性のための世界銀行日本支部)に入社。2000年には事務局長となり、2005年より代表に就任。また、山口大学と産業能率大学の非常勤講師も務めている。現在はインドネシアのカカオ、ミャンマーのロンジー(織物)など、現地の伝統を活かした事業を経営。年の半分以上を海外で過ごしながら、全国各地の女性起業家の知恵や技術、働くことに希望を持っている若者の想いを国内だけではなく海外、特にアジアにつなげるプロジェクトなど、自身も一人の起業家として常に新しい試みにチャレンジしている。 著書 「奥谷京子の夢起業塾 いざというときは女だ」(日本評論社)、「ひろう・もらう・つくる お金をかけない起業法」(アドア出版)