設立から25年超。WWB代表・奥谷京子氏に見る女性起業家のキャリア

更新日:2017.08.01

対談の内容

1990年から活動を行っているWWBジャパン(女性のための世界銀行日本支部)。代表を務める奥谷京子氏は、学生時代から積極的に課外活動に取り組んでいます。現在は国内だけでなく、海外も視野に入れて幅広い活動に従事されている奥谷氏。その活動内容や女性起業家のキャリアについて探ります。

学生時代から精力的に活動

WWBジャパン(女性のための世界銀行日本支部)の代表を務める奥谷京子さんは、大学時代の課外活動で、ボランティアをやりたい学生と企業や福祉施設などのマッチングを行う活動に携わっています。

大学を卒業後、WWBジャパンに入社。2000年に事務局長となり、2005年に代表に就任。山口大学と産業能率大学の非常勤講師も務めるという、幅広いキャリアをおもちの方です。
さらに現在では、インドネシアのカカオやミャンマーのロンジー(織物)など、現地の伝統を活かした事業を経営しています。多くの時間を海外で過ごしつつ、日本とアジアの女性起業家をつなげるプロジェクトを展開するなど、起業家としても活躍しています。

設立25年を超えるWWBジャパン

1990年に設立されたWWBジャパンは、すでに25年を超えて運営されています。当時はまだ社会起業家という言葉が一般的ではありませんでした。それでも「生きがいをもってできる事業を起こしたい」という人たちに向けて、起業スクールをスタートしています。

これまでに、起業スクールに参加した6000人の卒業生のうち、すでに1000人以上の起業家が誕生。とくに、地域の素材や土地を活かしたコミュニティ・ビジネスに特化した起業サポートが主流となります。

「初期の構想としては、銀行からお金を借りられない女性を支援するという目的がありました。いわゆる「市民バンク」としての活動です。障害者支援など、身近な問題にチャレンジする女性の支援が中心となります」(担当者)

その後、行政による起業支援融資が一般になり、市民バンクとしての役割を果たしたとの思いから、起業スクールへと転換していきます。

リターンは市民活動が育つこと

WWBジャパンが求めているものは、一般的なファンドとは異なります。一般的なファンドはお金でのリターンを求めますが、WWBジャパンは“市民活動が育つこと”をリターンとして考えていたのです。

単純にお金を出資するだけでは、人材育成につながりません。応援者に留まってしまい、どうしても主体としての活動まで至らないのです。そこで、既存のネットワークを活かし、活動を再定義することになります。

「東日本大震災により、多くの加工場が津波で流されました。そこで職人を支援しようと考えたのです。全国から毛糸を集め、お金を出してくれる人に対して編み物を送る仕組みを構築しました。その後、この仕組みは協同組合にまで発展しています。(2016年に解散)」(担当者)

被災した職人を支援することによって、社会との接点や生きがいをつくり出す。WWBジャパンの活動は、被災後の5年間、現場の職人を支え続けていたのです。

「社会を良くするために活動する」

「私たちが考えている起業は、あくまでも手段です。目的はそれぞれ異なります。ただ、「社会の問題を解決する」「社会を良くするために活動する」という点では皆さん共通しています。」(担当者)

起業することが目的ではなく、手段として起業をとらえることによって、それぞれが実現したい社会を目指していく。それが個々人の生きがいを創造することにつながります。

「代表の奥谷は、海外、とくにアジア圏にいることが多いですね。新しいチャレンジをつねに追い求め、卒業生の起業家とアジアをつなぐプロジェクトを展開しています。海外での名称はWWBではなく「CWB(Community network Without Border)」です。」(担当者)

CWBは、国境を越えて課題解決に取り組む人々のネットワークとのこと。時代の転換点を、個々人の判断と実践で選び直すのが活動の狙いです。世界10カ国での展開を目指して活動しています。

「不安定な社会のなかで安心して生きていくには、それぞれが助け合わなければなりません。自分たちの課題に向き合い、リスクを認識し、お互いが応援しあえる社会を若い人たちと一緒に実現してまいります。」(担当者)

起業家に必要な「ひろう・もらう・つくる」

とくに女性のキャリアを考えるとき、選択肢としての起業があったとしても、行動に移すことはなかなかできないのが現状です。スキルやノウハウはもちろんのこと、ネックになるのはお金です。

そのようなお金の悩みを抱えた女性起業家の方にとって、ヒントになるのは、奥谷代表が書かれた著書『ひろう・もらう・つくる お金をかけない起業法』(アドア出版)です。

「誰かが価値がないと判断して捨てたものでも、人によっては価値がある場合があります。人が着目しない部分に着目し、そこに価値を見出すことができれば、お金がなくても起業することは可能だと思います。」(担当者)

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プロフィール

奥谷京子

神奈川県に生まれる。慶應義塾大学総合政策学部を卒業。大学時代に人事・組織設計を専攻し、 課外活動でボランティアをやりたい学生と企業や福祉施設などのマッチングを行う活動に携わる。その経験を活かして、卒業後にWWBジャパン(女性のための世界銀行日本支部)に入社。2000年には事務局長となり、2005年より代表に就任。また、山口大学と産業能率大学の非常勤講師も務めている。現在はインドネシアのカカオ、ミャンマーのロンジー(織物)など、現地の伝統を活かした事業を経営。年の半分以上を海外で過ごしながら、全国各地の女性起業家の知恵や技術、働くことに希望を持っている若者の想いを国内だけではなく海外、特にアジアにつなげるプロジェクトなど、自身も一人の起業家として常に新しい試みにチャレンジしている。

著書 「奥谷京子の夢起業塾 いざというときは女だ」(日本評論社)、「ひろう・もらう・つくる お金をかけない起業法」(アドア出版)


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