編集後記―キャリア形成をふまえたさらなる選択肢へ

更新日:2017.08.01

「出口のない迷路へ人々を誘い込むことは、本当に正しいことなのだろうか?」。国や行政が起業を支援している現状をみて、時々、そのように思うことがあります。とくに、多くの人が失敗する起業の現場であればなおさらです。

日本はまだまだ、キャリアの多様性に乏しいのが現状です。転職ひとつとってみても、「履歴書に傷がつく」と考えている人が少なくありません。ましてや、起業や独立ともなると、崖から飛び降りるかのような決断が必要だと考えられている向きがあります。

キャリアのあり方は一定ではない

しかし、現状の社会を考えみるとどうでしょうか。とくに女性の場合、「出産」や「育児」など、ライフイベントそのものにキャリア断絶の可能性が含まれています。その点、男性のような一定のキャリアを歩みにくいのが現状です。

一方で、男性側にしてみても、ひとつの会社に所属して仕事人生を終えるのではなく、スキルやノウハウ、人脈を活かして独立・起業しようと考える人が増えています。VCなどの投資環境も活況です。

ただ、キャリア形成の全体像を考えてみると、あらゆる環境が整備されているとは言えそうにありません。起業して成功すればいいものの、失敗してしまえば、もとの会社、もとの役職に戻れるとは限らないのです。

キャリアとしての独立起業

日本よりもはるかに起業が受け入れられているアメリカでは、起業した経験そのものを評価する企業も多いようです。同じ会社で従来のような経験を積むのではなく、起業という挑戦に価値を見出している証拠でしょう。

日本もまた、そのぐらい柔軟なとらえ方をするべきなのかもしれません。事実、一部のベンチャー企業では、起業した経験と手腕を評価しているところもあるようです。まだまだ一般的ではありませんが、そのような変化が水面下でおきています。

終身雇用、年功序列、新卒一括採用

終身雇用、年功序列、新卒一括採用。そのよう旧来型のモデルは、高度経済成長期だからこそ通用したものです。現在のように、不安定で変化の激しい社会においては馴染みません。企業そして個人が、いかに変われるかにかかっています。

起業という選択肢をより一般的にするために。そして、女性起業家がキャリアの断絶をきっかけにするのではなく、よりポジティブな理由でチャレンジできるようにするために。起業を取り巻く環境は、今後も変化していくと予想されます。

各企業が多様性を受け入れる社会へ

企業としても個人としても、無視できないのは「多様性を受け入れること」に他なりません。画一的な方法論を踏襲するのではなく、時代の変化を受け入れ、柔軟に対応していくこと。それが、これからの社会を生き抜くために欠かせないことではないでしょうか。

人口減少、超高齢化社会の到来、地方の過疎化など、日本には深刻な問題が山積みです。そのような状況においても、日本に活力をもたらすものはやはり、幅広いビジョンや志をもった起業家の存在なのですから。

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