安易に参入すると法律に触れる!?副業で民泊を行うリスクについて

ポイント
  1. 民泊と法律の問題
  2. 民泊に伴うトラブルとは?
  3. 副業で民泊を行うためには

目次 [非表示]

はじめに

副業で民泊を始める人が増える中、違法民泊の摘発や近隣住民とのトラブルなども急増しています。現実問題として、民泊は自分の家に人を泊めるだけです。そのため、簡単に始められる副業として紹介されることもあります。しかし、無許可で民泊を始めると確実に法に触れることになります。気軽に始めると前科がついてしまう恐れがあることを忘れてはいけません。副業で民泊を経営する場合の問題点や注意点について考えていきます。

民泊とは

民泊とは読んで字のごとく「民家に泊まる」以上の意味はなく、本来は自分の家を宿として無償で提供する場合がほとんどでした。しかし、現在では民泊は「個人宅の一部やマンションの空き部屋を宿として有料で提供する」ことと考えられています。外国人旅行者が急激に増加し、従来の宿泊施設は不足しています。東京オリンピックでさらに外国人旅行者が増加する中、民泊が注目されているわけです。副業として民泊が稼げるという声も増えています。

個人宅の部屋を貸すと聞くと簡単にできそうに思えるかもしれません。しかし、現在はほとんどの地域で民泊は旅館業法で規制されるだけでなく、様々なトラブルも考えられるため民泊を行うことは簡単ではありません。現在、民泊を行っている場合は違法であることが非常に多く、副業で民泊を始めても閉業に追い込まれるケースも多いようです

参考)厚生労働省 全国民泊実態調査の結果について

民泊が注目される理由

2005年には673万人ほどだった外国人旅行者が2015年には2000万人近くにまで増加しました。10年の間で3倍近くになっているわけですが、2016年にはさらに400万人以上増加しています。特にここ数年は外国人旅行者は急激に増加していて、東京オリンピックがあることを考えると更に増加することは間違いないでしょう。既に宿泊施設の客室稼働率が限界に近くなっている地域もあります。これ以上外国人旅行者が増加してしまうと宿泊施設の不足が深刻になってくることが考えられます。

しかし、大型のホテル等は建築にかかる時間も長く、条件も厳しい上に必要な資金も相当高額になってきます。従来の宿泊施設を増やすことは簡単ではありません。そのため、宿泊用に民家の部屋等を提供する民泊に注目が集まっているわけです。

民泊ビジネスの世界的流行

世界中の宿泊施設と利用客の仲介をするサイトAirbnbの影響で、世界中で民泊ビジネスが行われています。日本では、まだまだ法整備が行われていない段階ですがAirbnbを利用した民泊が増えています。国家戦略特区の民泊条例や民泊新法、旅館業法の規制緩和などの法整備が行われる中、大手も含めて民泊ビジネスの準備を進める企業が増加しています。

法整備が済んだ段階で各企業は本格的に民泊ビジネスを始めるでしょう。このように民泊に追い風が吹く中、副業で民泊を勧める声は多く実際に始めている人もいます。しかし、企業が準備の段階であるように法整備はこれからであり、民泊は条件の厳しい旅館業法で規制されることがほとんどです。まだまだ始めるのは難しい段階であり、個人が副業で民泊を行うのは非常に厳しいといえます。

民泊と法律の問題

民泊を経営する場合、法律の問題は必要不可欠です。民泊に関わってくるのは、民泊新法や国家戦略特別区域法の民泊条例、旅館業法があります。しかし、民泊新法は施工されるのは早くても2018年の1月以降ですし、民泊条例で民泊ができるのは特区の中の一部の地域にすぎません。現状、民泊は旅館業法に則って行うことになります。

旅館業法

旅館業法上は宿泊業は4種類の形態に分けられることになります。ホテル営業、旅館営業、簡易宿泊所、下宿営業の4種類になります。民泊という概念は旅館業法には存在しませんから、このどれに当てはまるかは個々のケースによって変わってくるでしょう。しかし、旅館業法上、ほとんどの場合民泊は簡易宿泊所に分類されることになります。旅館業法の基準を満たして民泊を行う基準はかなり厳しく、許可を取って民泊をするためには自宅等をかなり改装する必要があります。

民泊条例

国家戦略特区で、民泊条例に則って営業する民泊を特区民泊と呼びます。特区民泊は一部の地域のみですが、旅館業法の制限を受けずに営業できるわけです。旅館業法に比べると設備に関する制限が厳しくなく、気軽に始めることができるといわれています。

しかし、最低宿泊日数が6泊7日と長いことが問題視されていました。海外旅行客は短期の宿泊が多いでしょうから、6泊7日では海外旅行客を泊めるのは難しくなってきます。最低宿泊日数は2泊3日に改正されましたが、各地域の条例は最終的に自治体が決めることになります。現在、2泊3日の地域が多くなってきましたが、6泊7日の地域も残っています。

民泊新法

旅館業法の4つの営業形態や特区民泊のすべてに当てはまらない「住宅宿泊事業」という新しい営業形態が民泊のために考えられました。住宅宿泊事業法、通称「民泊新法」とは、この住宅宿泊事業を規定するための法律です。民泊新法に則った民泊は旅館業法の対象外となります。

ただし、民泊新法の条件として年間の営業日数が180日以下でなければならないという条件があります。これを超えて営業をするためには、旅館業法に則った民泊にするか特区民泊にするしかありません。海外でも民泊の営業日数の制限がありますが、守られていないケースが非常に多いようです。海外と比べる180日は長いようですが、日本でも違法民泊が増える可能性はないかと心配する声もあります

民泊の規制と違法民泊への罰則について

旅館業法では民泊を経営することは難しいため、民泊条例や民泊新法ができたわけです。しかし、現状ではどちらの規制緩和も中途半端であり合法的に民泊を行う事はなかなか厳しいといわれています。これは民泊の需要から規制緩和が求められる一方で、違法民泊などを規制しようという動きもあり、方向性が定まっていないためともいわれています。そして、規制を守らずに営業した場合の罰則は、より厳しくなっているため注意が必要です。

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