安易に参入すると法律に触れる!?副業で民泊を行うリスクについて

更新日:2017.09.02

はじめに

副業で民泊を始める人が増える中、違法民泊の摘発や近隣住民とのトラブルなども急増しています。

現実問題として、民泊は自分の家に人を泊めるだけです。
そのため、簡単に始められる副業として紹介されることもあります。

しかし、無許可で民泊を始めると確実に法に触れることになります
気軽に始めると前科がついてしまう恐れがあることを忘れてはいけません。

副業で民泊を経営する場合の問題点や注意点について考えていきます。

民泊とは

民泊とは読んで字のごとく「民家に泊まる」以上の意味はなく、本来は自分の家を宿として
無償で提供する場合がほとんどでした

しかし、現在では民泊は「個人宅の一部やマンションの空き部屋を宿として有料で提供する」
ことと考えられています。
外国人旅行者が急激に増加し、従来の宿泊施設は不足しています

東京オリンピックでさらに外国人旅行者が増加する中、民泊が注目されているわけです。
副業として民泊が稼げるという声も増えています。

個人宅の部屋を貸すと聞くと簡単にできそうに思えるかもしれません。
しかし、現在はほとんどの地域で民泊は旅館業法で規制されるだけでなく、様々なトラブルも
考えられるため民泊を行うことは簡単ではありません。

現在、民泊を行っている場合は違法であることが非常に多く、
副業で民泊を始めても閉業に追い込まれるケースも多いようです


参考)厚生労働省 全国民泊実態調査の結果について

民泊が注目される理由

2005年には673万人ほどだった外国人旅行者が2015年には2000万人近くにまで増加しました。10年の間で3倍近くになっているわけですが、2016年にはさらに400万人以上増加しています。特にここ数年は外国人旅行者は急激に増加していて、東京オリンピックがあることを考えると更に増加することは間違いないでしょう。

既に宿泊施設の客室稼働率が限界に近くなっている地域もあります。これ以上外国人旅行者が増加してしまうと宿泊施設の不足が深刻になってくることが考えられます。

しかし、大型のホテル等は建築にかかる時間も長く、条件も厳しい上に必要な資金も相当高額になってきます。従来の宿泊施設を増やすことは簡単ではありません。

そのため、宿泊用に民家の部屋等を提供する民泊に注目が集まっているわけです。

民泊ビジネスの世界的流行

世界中の宿泊施設と利用客の仲介をするサイトAirbnbの影響で、世界中で民泊ビジネスが行われています。

日本では、まだまだ法整備が行われていない段階ですがAirbnbを利用した民泊が増えています。国家戦略特区の民泊条例や民泊新法、旅館業法の規制緩和などの法整備が行われる中、大手も含めて民泊ビジネスの準備を進める企業が増加しています。

法整備が済んだ段階で各企業は本格的に民泊ビジネスを始めるでしょう。このように民泊に追い風が吹く中、副業で民泊を勧める声は多く実際に始めている人もいます。

しかし、企業が準備の段階であるように法整備はこれからであり、民泊は条件の厳しい旅館業法で規制されることがほとんどです。

まだまだ始めるのは難しい段階であり、個人が副業で民泊を行うのは非常に厳しいといえます。

民泊と法律の問題

民泊を経営する場合、法律の問題は必要不可欠です。民泊に関わってくるのは、民泊新法や国家戦略特別区域法の民泊条例、旅館業法があります。

しかし、民泊新法は施工されるのは早くても2018年の1月以降ですし、民泊条例で民泊ができるのは特区の中の一部の地域にすぎません。

現状、民泊は旅館業法に則って行うことになります。

旅館業法

旅館業法上は宿泊業は4種類の形態に分けられることになります。ホテル営業、旅館営業、簡易宿泊所、下宿営業の4種類になります。民泊という概念は旅館業法には存在しませんから、このどれに当てはまるかは個々のケースによって変わってくるでしょう。

しかし、旅館業法上、ほとんどの場合民泊は簡易宿泊所に分類されることになります。旅館業法の基準を満たして民泊を行う基準はかなり厳しく、許可を取って民泊をするためには自宅等をかなり改装する必要があります。

民泊条例

国家戦略特区で、民泊条例に則って営業する民泊を特区民泊と呼びます。特区民泊は一部の地域のみですが、旅館業法の制限を受けずに営業できるわけです。旅館業法に比べると設備に関する制限が厳しくなく、気軽に始めることができるといわれています。

しかし、最低宿泊日数が6泊7日と長いことが問題視されていました。海外旅行客は短期の宿泊が多いでしょうから、6泊7日では海外旅行客を泊めるのは難しくなってきます。

最低宿泊日数は2泊3日に改正されましたが、各地域の条例は最終的に自治体が決めることになります。現在、2泊3日の地域が多くなってきましたが、6泊7日の地域も残っています。

民泊新法

旅館業法の4つの営業形態や特区民泊のすべてに当てはまらない「住宅宿泊事業」という新しい営業形態が民泊のために考えられました。住宅宿泊事業法、通称「民泊新法」とは、この住宅宿泊事業を規定するための法律です。民泊新法に則った民泊は旅館業法の対象外となります。

ただし、民泊新法の条件として年間の営業日数が180日以下でなければならないという条件があります。これを超えて営業をするためには、旅館業法に則った民泊にするか特区民泊にするしかありません。海外でも民泊の営業日数の制限がありますが、守られていないケースが非常に多いようです。

海外と比べる180日は長いようですが、日本でも違法民泊が増える可能性はないかと心配する声もあります

民泊の規制と違法民泊への罰則について

旅館業法では民泊を経営することは難しいため、民泊条例や民泊新法ができたわけです。

しかし、現状ではどちらの規制緩和も中途半端であり合法的に民泊を行う事はなかなか厳しいといわれています。

これは民泊の需要から規制緩和が求められる一方で、違法民泊などを規制しようという動きもあり、方向性が定まっていないためともいわれています。そして、規制を守らずに営業した場合の罰則は、より厳しくなっているため注意が必要です。

民泊に伴うトラブルとは?

民泊の需要が増える一方で、決して民泊が歓迎されているわけではないという問題があります。民泊に関する意識調査では、近所で民泊を行なって欲しくないという意見は半数を超え、民泊が犯罪に利用される心配はないかと考える意見も7割近いというデータがあります。

民泊を始めたら近所に迷惑がかかると考える人も、6割を超えており民泊を嫌がる人や民泊は迷惑になると考えている人は非常に多いのが現状です。

地域によっては民泊を全面的に認めない場所もあります。住民の理解を得ることが出来なければ民泊を行っていくのは非常に難しいでしょう。

民泊を始めたものの近隣とのトラブルで、閉業せざるをえなかったというケースは非常に多いようです。

違法民泊のトラブル

民泊を法的に許可を取って経営するのはかなり難しいです。

しかし、それは合法的に行うのが難しいという話であって、ただ民泊を始めるだけならAirbnb等に登録して宿泊客を募集するだけで簡単にできてしまいます。雑誌などで民泊が気軽にできる副業であるかのように宣伝されてしまうのは、人を泊めるだけならば簡単にできてしまうからでしょう。

実際、自分の家に無償で人を泊めるだけなら法律上も問題は無いわけです。

しかし、副業として行うという事は当然有料ですし、仮に基準を満たしていたとしても許可を取っていなければ法律にも触れます。こういった民泊は通報されたら、すぐに閉業に追い込まれます。

また、借家やマンションで民泊を行う場合は物件の所有者と賃貸借契約を結んでいるわけです。家主に許可を取っている場合を除き、他人に賃貸物件を転貸することは民法で禁止されています。家主に許可を取らずに民泊を行っている場合が多く、二重の意味で違法のケースが多いのが現状です。

現在では、民泊禁止を掲げている物件も増えてきているようです。

住民とのトラブル

実際問題、違法性がなかったとしても民泊を行うとトラブルはとても多いといわれています。

民泊の宿泊客は外国人観光客が多いわけですが、生活習慣の異なる外国人を泊めるとなると様々な問題があるわけです。宿泊客がパーティーを開いて夜中まで騒ぐ等の騒音問題や、大量のゴミが出る問題などがあります。

マンションの場合はセキュリティーの問題もあります。オートロックのマンションであっても、不特定多数の人間が出入りすることになるため、不安を感じるマンションの住人は多くなります。

他にも様々なトラブルが考えられるわけですが、こういった問題が考えられる以上民泊に抵抗を覚える人が多いのは当然といえます。民泊ビジネスが日本に定着するためには、こういった問題を解決し近隣住民に理解を求めることが必要になってくるでしょう。

副業で民泊を行うためには

民泊を行うためには法に則って経営する必要があります。

旅館業法で許可を得るのはかなり厳しいといえるでしょう。民泊新法が有効になってくるのはまだ先のことですし、特区で規制のゆるい地域を狙っていくのが一番良いのではないでしょうか?

旅館業法で許可を取る場合は簡易宿泊所として届けることになるでしょうが、簡易と名前についていても条件は決して簡単ではありません。自宅で行う場合はかなり改修する必要があるでしょう。

本業で行うなら良いでしょうが、副業だとかなり厳しいといえます。民泊ができる物件を購入するにしても、そういった物件自体が少なくなってきました。また、近隣住民に理解を求める必要もあります。

軽井沢では町内全域で民泊禁止の方針を打ち出しています。この方針には法的な強制力はありませんが、このような地域では理解を得ることは不可能でしょう。ある程度理解のある土地でないと、民泊を経営することは難しいといえるでしょう。

現状副業で民泊を行うための地域はかなり限られているといえるでしょう。また、民泊といっても宿泊客を泊めることに変わりはありません。

結局、管理にかなり手間がかかることになりますから、代行会社に頼むことになるでしょう。民泊は利益率が高いとよく言われるわけですが、代行会社への費用は正直馬鹿になりません。代行会社の費用はピンキリですが、当然費用によってどこまで代行してくれるかも違ってきます。

どこまで自分で管理するかの線引きも難しい問題でしょう。

まとめ

手軽に行える副業とも言われる民泊ですが、法規制や住民との関係なども考えると決して簡単に行えるような事業ではありません。

簡易宿泊所として許可を取ったものが、そもそも民泊と言えるのかも疑問です。現段階では本来の意味で民泊を行えるのは一部の地域に限られているといえます。

ただし、民泊新法など規制緩和も徐々に進んできていますから、少しずつ民泊を行いやすい環境が整ってきていることは事実です。

副業で民泊を考えているのなら、もう少し時期を待った方が良いのではないでしょうか?

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