この10年間で起業家の年収がどう変わったのか(あすへのヒント)

更新日:2017.12.15

変化のスピードが激しい時代、起業家は、経営者は、何をみつめてビジネスの種を探せばいいのか。「助っ人」編集部員らが普段の仕事や暮らしから探し出した起業家へのワン・テーマを、コラム「あすへのヒント」としてお届けします。
 


 日本政策金融公庫のレポートを読み解いてみると、起業家の年収がこの10年間で大きく様変わりしていることが分かる。「新規開業実態調査」という調査リポートによると、2016年に年収が100万円未満だった起業家の割合は、全体の39.3%となり、06年に比べて11.6%増となっている。 

 これには大きく3つの要因があるのではないかと考える。

  第一に、起業コストの低下だ。いわゆる物理的な起業コストは、IT系サービスの進化やコワーキングオフィス増加などにより、初期にかかる起業コストは大幅に下がった。起業にお金がかからなくなったということは相対的に、過去に比べて起業するまでの準備期間が短い起業家の数が増えたことを意味する。結果として、事業モデルの検討などが浅く、売り上げが立たない起業家を生み出したのではないか。

 第二が、フリーランスや副業といった働き方の急激なパラダイムシフトによって、起業という本来は「圧倒的に弱肉強食な世界」が、何となく身近で、自分でも手の届く、簡単なものという誤解を、良くも悪くも起業家に与えてしまったのではないか。

 第三に、起業の目的やゴールをどこに設定しているのか、大きく変わってきたのではないだろうか。この増加した100万円未満の年収の起業家は、増加した人、全てが不幸だと思っていないとも考える。この数字には表れていない収入を持っているかもしれない。

 

 最近の出来事で印象的だったのが、若い起業家と話をしている時に、「少やってみてダメだったら、やめて、また働いたらよいと思っています」と言われたことだ。昔のように起業の世界は、一度踏み込んだら戻れない世界から、引き返せる世界に変わったということもいえるのかもしれない。いろいろな起業家がいていいと思う。しかし、やはり起業家というのは、大きな志を持ち、社会を変える一番の原動力だと思っている。何においても簡単にできる時代だからこそ、あえて青臭くとてつもなく難しいことに挑む起業家に尊敬を表したい。

 どんな起業が、起業家を幸せにするのか。ずっと考えていきたいと思う。

 

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プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

中卒ながらもとても頭の良い父と、
少しグレていたけど人の王道を教えてくれた母親のもと、1986年11月21日生まれ。

慶應義塾大学3年時にリクルート主催のビジネスコンテストで優勝し、
23歳の時に病気をきっかけに小学校親友4名、資本金5万円で起業。

起業当初お金がなさすぎて、カードで借金生活を送る。
お金がなかったため、知恵を絞った伊藤独自のマーケティング手法を多数考案。

8年間で、累計10,000件を超える起業、起業家のアクセラレーションに関わるようになり、
日本屈指の起業支援の会社と言われるまでに成長。

月間20万人以上の商売人をお助けしているポータルサイト「助っ人」や
全国500人以上の商売人が参加している、世界で一番お客様を喜ばす商売人輩出のアクセラレーションコミュニティー「チャレンジャーズ」を主宰

2016年末に、世界経済フォーラム(ダボス会議)の若手リーダーとして日本代表に選抜。
全国の小中高校への出前授業や、次世代の教育の在り方を問うシンポジウムなどを開催。

最近では、地方自治体の首長からご指名をいただき、
起業家の力で地方にイノベーションを起こすべく、徳島県美馬市、熊本県人吉市、三重県伊勢市、千葉県銚子市などと取組を開始。


元LINE社長の森川亮氏推薦の「起業家のためのマーケティングバイブル」など著書5冊
NHK、日経新聞、エコノミスト、夕刊フジ、日刊工業新聞、CCTVなどメディア出演多数。


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