フランチャイズで成功するなら 「日本一」クールなクレーマーになろう!

ポイント
  1. 加盟店からのクレームは瞬時に他の加盟店に伝わり強い動揺を与えてしまうため、クレームやクレーマーを出さないことがフランチャイズ本部内の至上必達事項。
  2. フランチャイズ起業家として成功したいのであれば、加盟後に積極的に(サイレントクレーマーではなく)もの言うクレーマーになるようにする。

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鬼より怖いサイレントクレーマー

消費者が商品やサービスを購入し、その内容に不満があった場合、購入先の企業やスタッフにクレームを伝える人はわずか数パーセントで、それ以外の90数パーセントの人達はクレームを直接言わないと言われています。

このクレームを直接言わない人達の事をサイレントクレーマーといい、実は購入元の企業やスタッフにとっては誠に恐ろしい存在なのです。なぜかというと、直接言うクレーマーは、その結果はどうであろうと伝えたことによって、溜飲を下げて、怒りの矛先を現場時点で収めることが大半ですが、サイレントクレーマーはSNS等で悪い口コミをアクティブに拡げるからです。

当然サイレントクレーマーはリピーターにはなりませんから、悪い口コミの拡大防止策とともに、このサイレントクレーマーに対するマーケティング活動が今や企業の死活問題になっています。

フランチャイズとクレーマー

フランチャイズ本部はクレームをとても嫌がる傾向にあります。その嫌がり方は一般の企業よりもかなり顕著で、クレームやクレーマーを出さないことがフランチャイズ本部内の至上必達事項になっています。その理由は、フランチャイズ・ビジネスにおけるクレーマーとは加盟店の事を指しますから、加盟店からクレームを言われると、そのクレームは瞬時に他の加盟店に伝わってしまい、加盟店達に強い動揺を与えてしまうからです。

動揺くらいで……と思われるかもしれませんが、加盟店達は日々、フランチャイズ本部の掲げている方針や行っている経営指導が“絶対”であるという思いの元で仕事をしています。しかし、そこに同じ思いであるに違いないと考えていた同胞の加盟店から疑義が発信されると、そこを突破口に様々な不安が駆け巡るのです。ですから、このようなことを理解しているフランチャイズ本部は、全力でクレームを阻止するようにしています。


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フランチャイズとサイレントクレーマー

クレームやクレーマーを出さないことが、フランチャイズ・ビジネスの“いろは”のようになっていますので、フランチャイズ内では思いのほかクレームが少ないのが現状です。しかし実はここに大きな落とし穴があります。それは顕在化するクレームの出現を防ぐことに躍起になったため、潜在的なクレームを抱えてしまっているフランチャイズが多いということです。

そうです、サイレントクレーマーのことです。フランチャイズにおけるサイレントクレーマーは、一般のビジネスのようにインターネット等を通じて悪い口コミを広げることはしません。フランチャイズ本部の良くない噂を流すこと、イコール、自らが行っているビジネスに多大なる影響を与えるからです。

しかしサイレントクレーマーの存在は、当の加盟店にとっても、フランチャイズ本部にとっても全く好ましいものではありません。加盟店は、サイレントクレーマーであり続ける限り大きなメンタルストレスを持ち続けますし、フランチャイズ本部は、顧客である加盟店の意見を取り入れることがないため、ビジネスの改善につなげることが出来ません。ですからクレーマーのいないフランチャイズは良くないのです。サイレントクレーマーのいないフランチャイズが良いフランチャイズなのです。

フランチャイズ起業家として成功したいのであれば、加盟後に積極的に(サイレントクレーマーではなく)もの言うクレーマーになるようにしてください。そのようなアクティブクレーマーにならなければフランチャイズ・ビジネスにおいて勝者になることは出来ないのです。以下に正しいアクティブクレーマーになるためのポイントを列挙します。

アクティブクレーマーの3つのポイント

・個人の見解としてクレームを発信すること
・スケジュール管理を徹底すること
・クールなクレームを論理的におこなうこと

周りを巻き込むな!周りに巻き込まれるな!

よくあるケースが、近くの加盟店に「一緒に訴えましょう!」と同調させてクレーマー仲間を作ること、あるいは「一緒に訴えましょう!」と他の加盟店のクレームに巻き込まれてクレーマーになることです。

フランチャイズ本部は倒すべき敵ではなく、ともに(競合と闘う)パートナーなのですから、数の論理で攻めるようなことを絶対にしてはいけません。加盟店もれっきとした一起業家なのですから、必ず個人の見解としてフランチャイズ本部に対して意見を言うクレーマーになりましょう。

クレームは時系列で整理しよう!

クレームの対象となることがいつ起こったのか?クレームをいつ言うのか?言ったクレームをいつまでに返答してもらうのか?

そのようなスケジュール管理(時間管理)をきちんと行えないと正しいアクティブクレーマーにはなれません。数で攻めることはいけませんが、日時や期限等の時間記録で攻めることは正攻法で、フランチャイズ起業家にとって誠に正しいことなのです。起業家としてマネジメントノート等を常に携帯し、記録をとることを習慣にしていきましょう。

勝者はいつもクールでいよう!

感情をむき出してクレームを言ってはいけません。感情が高ぶれば必ず支離滅裂になりロジカルな話し合いが出来ないからです。

また感情をぶつければぶつけるほど、ぶつけられた相手(フランチャイズ本部)も感情的になるため、モンスタークレーマーとして認識されてしまいます。一度ついたレッテルをはがすことは容易ではないため、その後どのような正しいクレームを訴えても、フランチャイズ本部内において“また言っている”と無下に扱われてしまいます。いつも冷静に、そして論理的なクレームを発信することで、一言一言に重みのあるアクティブクレーマーになりましょう。

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著者プロフィール

中川 強

中川 強

大谷大学哲学科卒、そごう百貨店に入社。大手フランチャイズチェーン(FC)本部を経て、起業家を育成するコンサルタントとして独立。FC本部出身のコンサルタントにはない経験を磨くため、自ら飲食店系FC本部を立ち上げ計22店舗展開。自らも教育系FCに加盟し計17教室を展開した。現場に強いコンサルティング相談を打ち出し計52フランチャイズチェーンの各種FC企業の全国展開に寄与した。著書に「こうすれば成功するフランチャイズ起業」(自由国民社刊、2007年)など。