西田 隆行

銀行との付き合い方 ~はじめての銀行コンタクト~

ポイント(この記事は3分で読み終わります)
  1. 起業家、経営者がはじめて銀行に融資の相談に行くときのストレスは大変なもの。
  2. 今回はそのストレスを最小にする方法は、

これまで、皆さんが銀行との取引を始められるにあたって、銀行のドアをノックする前に持っている(持たされている?)銀行のイメージ、銀行のタイプとカラー、銀行員に特有の考え方などについてお話してきました。 このシリーズも6回目となり、いよいよあなたは銀行のドアの前に立っている、というシチュエーションからお話しします。

あなたの心境やいかに?

たぶん、プレゼンテーションをする前の緊張感で、いっぱいでしょうね。

でも銀行は、あなたをいきなり取って食おうとしているわけではありません。初回ですべてが決まるわけではありません。
あなたも銀行を品定めする立場なのですから対等な関係です。ですから、そう肩を張らずリラックスな気分で自動ドアを開けましょう・・・

事前に用意すること

自動ドアがスーッと開き、中からお客様の行き交う雰囲気と「いらっしゃいませ!」という銀行員の声があなたを迎えます。
最初の『バリア』を飲み込んで、今からあなたは「銀行との付き合い」という世界に一歩踏み入れました。

ここであなたに質問です。

「今日、今、あなたはどうしてその銀行のロビーに立っているのですか?」

ーー「え~? 何をいまさら!銀行からお金を借りる相談に来たに決まってるだろう!」

はい、そうですね。でもそこが肝心なんです。 銀行に行く、それも「お金を借りる」。そこでは、銀行に対してあなたを信用してもらいに売り込みに行くという『目的』をしっかり持って銀行の自動ドアを開けることが必要です。これが最初の「バリア」を突破する道具となります。目的が明確でないと、最初のバリアであなたの心は跳ね返されるか、融資の窓口にたどり着いたときには傷ついて、とても戦える状態ではなくなります。

 

続いての質問です。

「では、あなたがお金を借りる目的で銀行に行くと決めてから、実際銀行の自動ドアの前に立ったときに『何を準備して』きましたか?  カバンの中には何が入っていますか?」

  ーー「きょうは融資の相談に来たのだから、特に何にも持っていないよ。申し込みに必要な書類を書き留めるためのノートと筆記用具くらいかな」

残念ながら、それではあなた自らを銀行のバリアから守ることはできません。銀行からお金を借りる相談は大切なビジネス活動です。例え、あなたが起業前であったとしても、銀行にとっては「ビジネス」です。あなたのことを売り込むというアクションを、あなたは「これからのこと」「今回は事前の相談」くらいに思っているかもしれませんが、相手は「ビジネスのステージ」に立って聞こうとしているのです。

あなたが相撲で言う初土俵入りする前の“新弟子”であっても、横綱を相手に土俵に立っているようなものなのです。
ビジネスというステージでは、いつチャンスが訪れるかわかりません。

 そのタイミングがいつであっても、あなたは相手に最高なプレゼンテーションをしなければならないのです。 プレゼンに必要なツールは常にカバンに入れておきましょう。例えば、あなたの事業内容がわかるパンフレットや事業計画書など、これから起業される方なら創業計画書などがあればいいでしょう。

相手があなたのことを新弟子と認識したら、あなたにとってはラッキーです。相手の構えに隙ができます。その相手に、あなたが洗練されたプレゼンテーションをすれば、きっとあなたに対する印象がグーンとアップするでしょう。この意外性がその後のあなたの交渉を有利に導くことにつながります。

さらに、初めて銀行に行くのなら、普通預金口座を開設するために必要な書類くらいは、最低限でも用意していきましょう。銀行に「あなたの銀行とぜひ取引したい!」という意思表示となるのです。 具体的には、個人事業ならあなたの身分証明書類と取引印鑑を。そして、法人の取引なら法人の履歴証明書、印鑑証明、実印、銀行取引印鑑を用意しておけばいいと思います。

 あなたの「本気度」を銀行にアピールできることになります。
 これって、銀行担当者の心理に効きますよ。

これだけ用意すれば、あなたは完全武装です。安心して相談窓口にたどり着けます。

銀行担当者と心理的な立場で互角に立つことができます。
でも「あ~これで一安心!」と一服するのはまだ早いですよ。

ここで最初のツールが出番です。「銀行に来た目的」です。あなたは、この目的を簡潔に相手に伝わるように準備しておかなければなりません。これが正確に伝わらなければ、今までの努力が水泡に帰してしまいます。「ビジネスに精通した銀行員」の情報理解力はアテになりません。かえって我田引水的に理解してしまうリスクが多い、といった方が正しいでしょう。

 あなたのニーズ、あなたが聞きたいことを、誰が聞いてもわかるよう整理しておく(できれば書いておく)のをオススメします。それから銀行員の説明は、必ずメモにとる。理解できないことは理解できるまで念入りにたずねることが必要です。これをするために、さきほどお話ししました「完全武装」が必要なんです。

以上が、銀行の融資窓口にたどり着くまでの心構えと準備です。「面倒だなぁー!」と思われるでしょうが、あなたのこれからのビジネスの将来がかかっています。 それを考えれば、今の「面倒」は取るに足らない作業です。労を惜しまず取り組まれることを、ぜひともオススメします。
 

  次回は「あなたにとって有益な交渉となるために」という視点でお話しします。

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著者プロフィール

西田 隆行

中小企業診断士。1980年大学卒業後信用金庫に勤務。中小企業や小規模事業者へ資金繰りや財務のコンサルティングを行っている。また地域の中核企業、老舗企業の再生に深く関与。「事業を継続するための財務戦略」をメインテーマに活動している。2017年12月から、日本最大の起業・開業・独立者向けポータルサイト「助っ人」(www.suke10.com)の編集チームで、主に「銀行とのつきあい方、資金調達、事業承継」をテーマとしたコラムを担当している。