妊婦の心強い味方!!助産所の開設手続きを理解しよう 助産師

更新日:2018.03.08

 

助産師が独立開業して開設する施設が助産所ということになります。そもそも産科の病院がたくさんあるなかで、助産所が本当に必要なのか?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、昨今では産み方も多様化しており、全ての妊婦(夫婦)が産院での出産を希望しているわけではありませんので、助産所と助産師は現在も十分に出産のために必要とされている存在なのです。

ここでは妊婦の心強い味方である助産所の開設手続きについて解説していきます。

1.そもそも助産師ってどんな人なの?

まず初めに、助産師は保健師助産師看護師法が根拠となっている国家資格です。また看護系の資格の中で助産師が唯一の独立開業が可能な資格ともなっています。
昔は助産師のことを産婆さんなどと呼んでいた時代もありましたので、近所の世話を焼く人がやっているイメージもあるかもしれませんが、現代は難関の国家試験をクリアした人が助産師を名乗れますので、安心して任せることができる点は妊婦の方にとっては出産時の不安がかなり薄れるのではないでしょうか。ちなみに助産師は日本では受験資格のなかに女性のみといった制限が存在しています。

欧米の国家の中(アメリカ・イギリス・オーストラリアなど)には男性の助産師を認めている国家も存在していますが、日本では現在のところは女性しか助産師になることはできません。
助産師と同じく出産をサポートする産科の医師には男性が多いのに助産師に男性を認めないことには男女平等の考えの基からも賛否があるようですが、出産という繊細な問題ですので、いずれは男性にも解放されるかもしれませんが、現在は女性のみとなっていることを覚えておきましょう。

2助産所開設に必要な申請書類を理解しよう

助産所は法人でも個人事業でも開設することは可能です。しかし法人と個人事業では必要となる書類に違いがでてきますので、ここでは法人と個人事業のそれぞれで助産所を開設する場合の必要書類について紹介していくことにします。助産所開設の申請書類を提出する先は助産所の所在地のある都道府県知事になっています。助産所は驚くことに助産師資格を有する人だけが開設できるわけではなく、助産師資格のない方も開設することは可能ですが、ここでは助産師資格を有する方が助産所を開設することを前提として考えていくことにします。

2-1.法人が助産所を開設する場合の必要書類を確認しよう

☆助産所開設許可申請書(様式第2号)
まず最初に助産所の開設の許可を得るためは助産所開設許可申請書が必要となります。この書類の提出は助産所を開設しようと考えている時期の2週間前までに提出をしないといけませんので、忘れないように提出するようにしましょう。さらに助産所開設許可申請書以外にも必要となる添付書類も準備しないといけませんので、以下に必要な添付書類を挙げていきますので、確認して準備をするようにしてください。

・敷地周辺の見取り図
・敷地の平面図(求積図・建物配置図)
・建物平面図
・建物立面図
・定款・寄付行為または条例
・土地及び建物の登記事項証明書の原本
・土地及び建物の賃貸借契約書の写し
・公図の写し
・建築確認済証などの写し

☆助産所開設後届(様式第5号)
助産所を開設した後10日以内に提出しなければいけないのが、助産所開設後届になります。この届にも多くの添付書類が必要となりますので、準備を忘れないようにしてください。
以下に添付書類を挙げますので確認してください。

・管理者の免許証の写し
・嘱託医師に関する書類(嘱託した旨の書類)または嘱託医師の勤務する医療機関に関する書類(嘱託した旨の書類及び当該医療機関が診療科名中に産科または産婦人科を有する旨の書類)
・嘱託医療機関に関する書類(嘱託した旨の書類及び当該医療機関が診療科名中に産科または産婦人科及び小児科を有し、かつ新生児への診察を行うことができる病院または有床診療所である旨の書類)
・有資格者(助産師)の免許証の写し

2-2.個人事業で助産所を開設する場合の必要書類を確認しよう

助産所を個人事業で行う場合には、法人のところで紹介した助産所開設許可申請書が不要となり、助産所開設届だけを提出すればいいことになります。
ただ助産所開設届といっても法人と個人事業では申請書類の様式が異なりますので(法人は様式第5号で個人事業は様式第7号になります)、記載内容が異なることを十分に理解して記入するようにしましょう。

☆助産所開設届(様式第7号)
法人と同じく助産所開設届は個人事業の場合でも助産所を開設してから10日以内に提出をしなければいけません。個人事業の場合には代表者であるあなたが忙しいことで忘れる可能性もありますので、十分に提出期日を確認して絶対に忘れることのないように提出をするようにしてください。
以下に助産所開設届とともに提出する必要がある添付書類を挙げていますので確認しての準備を忘れないようにしてください。

・敷地周辺の見取り図
・敷地平面図(求積図・建物配置図)
・建物平面図
・建物立面図
・土地及び建物の賃貸借契約書の写し
・建築確認済証などの写し
・管理者の免許証の写し
・嘱託医師に関する書類(嘱託した旨の書類及び当該医療機関が診療科名中に産科または産婦人科及び小児科を有し、かつ新生児への診察を行うことができる病院または有床診療所である旨の書類)
・嘱託医療機関に関する書類(嘱託した旨の書類及び当該医療機関が診療科名中に産科または産婦人科及び小児科を有し、かつ新生児への診察を行うことができる病院または有床診療所である旨の書類)
・有資格者の免許証の写し
法人と個人事業の添付書類を比較してみるとわかると思いますが、申請書類は法人が多くなっていますが、添付書類に関しては実質的には同じであることが理解できると思います。
このことからも助産所を開設する際に法人と個人事業のどちらが楽だということはないということが言えるでしょう。あなたが始めようとする形態で助産所開設のための申請書類を準備して提出していただければと思います。

2-3.法人でも個人事業でも共通の事項を理解しよう

助産所の開設の際に法人でも個人事業でも同じ手続きを取らなければいけないことも存在しています。それは新設される助産所の中に入所施設(産院で言えば入院施設があるという意味です)を設置しようと考えている場合です。入所施設を設ける場合には事前に「施設使用許可」が必要になります。

上記で説明している申請書類を準備して提出する前に、まずは入所施設として使用しようと考えている建物が基準を満たしているかどうかの確認の許可を得た後で、助産所開設許可申請書と助産所開設届を提出することになります。

2-4.助産所開設の申請書類を提出する際の忘れてはいけない注意点

助産所に限らないことですが、行政機関に申請書類を提出する際には、事前にどのような書類が必要なのかを確認するようにしてください。

不思議な事ですが、日本では同じことを行う場合にでも地域によって必要な書類が多少変わったり、部数が増減したりと、国内ですべてが統一されているわけではありませんので、あなたが助産所を開設しようと考えている地域の行政機関に事前に助産所を開設したいことを伝えたうえで、事前に相談に行っておくことで足りない書類を防ぐことができますので最初の手間はかかりますが結果的には早く助産所の開設にこぎつけられると思いますので、最寄りの行政機関に相談にいくことをおススメします。

3助産所を開設するための権利や経験について理解しよう

3-1.助産院開業権利とはどのようなもの?

「助産院開業権利」というのは、豊富な経験を積んだ助産師が、独立して助産院や助産所を開業することができるという権利のことです。最初の方でも説明しましたが看護師・保健師・助産師などを含むいわゆる看護職の中では、唯一医療法という法律によって独立開業することを助産師は認められているのです。医療法では助産師が助産院や助産所を開設することを「開業」とみなしており、その権利を「開業権」として保障すると規定をしています。

3-2.助産所開業までに必要と考えられている経験を満たしているか?

ここでは公益社団法人・日本助産師会が発表している開業するための経験など助産所を開設するために必要な情報をお伝えします。現在の日本の助産師教育の中では、約10例の直接分娩介助を必須としているようですが、日本助産師会ではそれだけでは独立開業して妊婦を見るには圧倒的に経験が不足していると考えているようで、独自の厳しめの最低基準を設けているようです。

妊婦を含めて家族も不安ななかで助産所を頼るわけですから、経験が豊富な人しか助産所を開業していないということは、助産所に来る人を安心させるためにも必要な事だといえるのではないでしょうか。

☆日本助産師会が定める独立する際の最低限の経験
・経験年数が5年以上であること。
・分娩件数が200件以上であること。
・妊婦健康診査を200例以上行っていること。
・新生児健診を200例以上行っていること。
・家庭訪問を30例以上行っていること。
・母乳相談を200例以上行っていること。
・産後4週までの健康診査を200例以上行っていること。

以上の最低経験に加えて、助産所での研修や助産所での実際の勤務経験があること、または院内助産での勤務経験があることも独立開業するための経験としては必要であると推奨されているようです。やはり命を預かる大変な職業ですから、開業するまでのハードルはかなり高めにしているということが経験年数や症例の経験数を見てみるとよくわかりますね。

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4まとめ

出産のスタイルの多様化に伴って、今後も助産師の需要は増えていくことになるでしょう。厚生労働省が発表した最新のデータによると助産師の数は平成28年で35774人となっており、前回の調査である平成26年と比較しても1818人ほど増加しているようです。助産師の増加傾向は厚生労働省が発表している平成18年の調査から毎回増加していますので、データからも需要が増えていることは明らかなようです。

全ての助産師が独立開業するわけではありませんが、独立開業する助産師の方はあなたの経営する施設で命を預かることになるわけですから、しっかりとした手続きを行って助産所を始めていただければと思います。

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