質屋に関する開業から、その資格や許可等について総合的に解説!

 

皆さんは質屋ってご存知ですか?中には、利用された事もある方もいらっしゃると思います。
しかし、利用した事もないし「質屋」と言うワードとしては知っていても、一体どんな事業をしているの?と思われている方もいらっしゃる事でしょう!今回は、そんな「質屋」について総合的な解説と共に、質屋として開業する為には、どのような事が必要となるかも含めてお話させて頂きたいと思います!

1.そもそも、質屋ってどういうもの?

一昔前までは、表看板等に「質屋」と掲げているお店が多かったと思うので、そこが質屋なんだなと解釈されていたと言う方も結構いらっしゃると思います。勿論の事ながら、質屋と看板が出ていますから、そこが質屋で間違いはありません。しかし、現在では、質屋として事業を行っていても「質屋」と言う看板を出していないお店も沢山あります。それは一体どういう事なのでしょうか?

昨今、「ブランドの買取」と謳っている業者等があるのを、皆さんもテレビCMなどでご存知ですよね?昔の質屋として看板を掲げていた事業者と、現在よくあるブランド買取と言う業者も、実は同じ質屋さんなのです。ただ、単純に表記の仕方等を変えていると言う意味合いであり、例えば「どこよりも高くブランド品を買取します!」等としているお店も、質屋さんです。まずは、ここを理解しておきましょう。

1-2.質屋の具体的な事業内容

では次に、質屋さんが、どのようなサービスや事業内容を行っているかについて解説しておきたいと思います。まず、質屋さんで、質に預かる物の事を、「質物」と言います。この質物を質屋が一旦預かる事によって、その物の価値に基いて、お金を貸してくれる行為、つまり、自分の物を質屋に預け、その預けた品物の価値によってお金を融資して貰うと言う事が可能なのです。

ですから、通常、融資を金融機関や消費者金融等で借りる場合、審査をされたり、返済の能力があるかどうか等を検討された上でお金を融資して貰う事になるわけですが、その信用を品物を預けると言う行為によって、融資を受ける形態となります。
ですから、品物を預けたら、すぐに融資を受ける事が可能ですし、融資を受ける側の人の収入に対する証明等も必要とされておりません。誰でも気軽に利用できると言う事になりますね。

また、融資を受ける側の人(お客様)が、いくら年収が良かったとしても、あくまでも預けた品の価値によって、融資される金額が決まると言う事になります。年齢に関しては、18歳以上の方であれば、誰でも質屋を利用する事が可能となっております。更に、融資を受けた金額を返済しなければならない期日までに、元金と共に質料を返済してしまえば、預けた品物は手元に戻ってくる事になります。

ちなみに、返済期限としては、一般的に3か月となっております。ただし、期日を過ぎても返済が出来なかった場合には、取り立てをされたり、催促をされる事はないけれど、預けていた品物も戻って来ないと言う事になります。その返って来なかった品物については、質流れとして販売されるか、他の買取業者等によって買取が行われ、精算される仕組みとなっています。

このような背景から、現在の若い年齢層の方々の多くは、質屋としてではなく、買取業者としての認識が高いとされているのが現状です。また、品物を預ける質物としてだけではなく、実際に最初から買い取って貰う為に来店され、品物と引き換えに買取代金を貰うと言う方法もあります。おそらく、こちらの後者の方が、今の方には認識として強いのではないでしょうか?

1-3.質屋と買取専門店の違いとは?

まず、質屋と言うのは、質物と、買取の両方を取扱っております。一方、買取専門店は、質物を取り扱いませんので、買取をして買取金額をお客様に支払えばそこで終了となります。ただし、質屋での質物を預けると言う場合には、買取とは違い、少し融資として受ける金額が下がるのが通常です。その理由としては、一定期間預かりますから、その預かった品物の価値に変動が起きる可能性を予測し、なるべく低めの金額設定を行うからです。そこの違いについても、知っておくと良いでしょう。

2.質屋の開業に資格は必要なのか?

次に、質屋として開業する為には、何かの資格が必要なのか?と言う点についてです。これは答えから申し上げると「質屋に資格は必要ありません」。資格がなくても、開業の許可を受ける事が出来れば、特別な資格を保有している必要がないと言う事になります。ただし、持っていても良いと思われる資格としては、「米国宝石学協会の鑑別資格」通称GI.A G.G.と言うものがあります。

これは、ダイヤモンド等の宝石を鑑定したりするプロの事を言い、質屋での買取については、持っていて損をすることはないと言えるでしょう。これは、持っていなければならない資格ではありませんが、どうしても買取の際等に、持ち込まれる宝石等が、どのくらいの価値があるのかどうかの目利きは最低限必要だと思われます。そう言った意味では、持って置かなければならないと言う資格ではないものの、持っていた方が、都合が良いと言うのは言うまでもないでしょう。

3.質屋開業の許認可を受ける方法について

では次に、実際に質屋として開業する為に必要となる許認可について見ていきたいと思います。
質屋開業の許認可は、許認可の分類の中でも「許可」に該当しており、その許可が下りなければ開業する事はできません。許可を受ける先は、「公安委員会」となっております。各営業所の所在地を管轄している警察署の「生活安全課」にて許可申請を出す事となります。(管轄によって、多少の違いがある可能性がありますから、ここでは一例で解説をさせて頂きたいと思います)

3-1.質屋の許可に必要な手数料と期間について

許可申請をする際に必要となる書類や手数料について解説しておきます。
① 新規許可申請 25,000円
② 営業所移転許可申請 12,000円
③ 管理者新設・変更許可申請 5,700円
④ 許可証の書換え申請 1,500円
⑤ 許可証の再交付申請 1,300円
質屋の許認可の際に関わる手数料は以上の通りです。その時々に合わせた金額を支払う事になります。

3-2.交付までの期限

申請が終わりましたら、実際に許可証の交付を受けるまでには、およそ50日程の期間がかかるとされております。開業の準備と合わせて、この期間も頭に入れてスケジュールを立てる必要がありますが、こちらも管轄によって違いがある可能性がある為、許可申請を行う前に、事前に確認しておくと安心でしょう。

3-3.法人・個人・管理者別必要書類

◆全ての区分で必要とされる書類
・本籍記載の住民票の写し(外国籍の方の場合、国籍等記載の住民票の写し)
・履歴書
・登記されていない事の証明書
・市区町村長の証明書(身分証)

◆法人・個人に共通して必要な書類(上記は、省いて掲載します)
・申請書
・保管設備(構造概要書・平面図・立体図及び営業所との関連略図)

◆法人のみに必要とされる書類(上記は省いて掲載します)
・登記事項証明書(登記簿謄本)
・定款
以上のような書類が、許可申請をする際には求められますので、それぞれで合わせてご参照下さい。

3-4.質屋の営業許可を受けられない方

一部の例として解説をさせて頂きます。
・自己破産をしており、その状態を元に戻す「復権」を得ない方
・禁固以上の刑に処されたり、一定の犯罪によって罰金刑に処せられて、その執行を終了、又は執行を受ける事がなくなった日から起算して3年を経過していない方
・住居の定まらない方
以上のような方々が例として上げられており、これに該当する場合は質屋としての営業許可を受ける事はできませんので、ご注意下さい。

4.質屋許可の手続きの流れについ

上記までの解説のあった書類が揃ったら、管轄の警察署へ書類の提出を行います。結果が出るまでには、管轄によって違いがあるとは思われますが、50日程度の期間を予め、見込んでおいて下さい。警察署の生活安全課へ申請をし、その後調査を受けて許可・不許可の判断がなされます。無事に許可が降りた場合は、許可証の交付が行われ、不許可の場合には不許可の通知が届くと言う流れになっております。

5.質屋にも代理店募集というものがある

よくフランチャイズチェーンと言って、元々質屋事業を行っている会社の加盟店になって開業をする方法があります。この場合、個人等にて開業をする場合よりも、低い資金で開業にこぎ付けられるケースが多いようです。

更に、真贋判定(しんがんはんてい)と言って、品物が本物であるか?偽物であるかどうかについて判定する事を言うのですが、この真贋判定も加盟店に提供してもらう事が可能とされているフランチャイズチェーンも多くあり、始めて開業されると言う方にとっては、知識的にもまだ乏しい状態が多いでしょうから、このような加盟店としての開業を考えると言うのも1つの手だと言えるのではないでしょうか?

6.質屋にも古物商許可が必要なのか?

こちらは、結論から申し上げますが、必要であるケースと必要ではないケースが存在します。ここまでの解説でもお分かり頂けているかと思いますが、質屋には大きく分けて2つの事業内容があります。

① 品物(質物)を一旦預かると言う方法で融資を行う
② 品物を買取して販売をする

すでにお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、①の場合は、質屋特有の、質に入れて、その価値によってお金を貸すと言う事になりますから、法律としての規制は「質屋営業法」に該当します。

一方、②の品物を買い取って販売等を行う行為については、古物の取り扱いに当たりますから、古物商の許可に対する法律の規制を受けなければなりません。ですので、①だけを事業内容にする場合には、古物商許可は必要ではありませんが、②を事業として取り入れる場合には、古物商許可を受ける必要があると言う事になります。

こちらもあわせてお読みください。
古物商許可について知っておくべきこと!!

7.まとめ

いかがでしたでしょうか?質屋を始めると言っても、まずは許可を受けなければならないと言う事がご理解頂けたのではないかと思います。しかし、社会的な状況を見ると、まだまだ競争相手としてのライバル会社が多いとは言い切れない業種でもあり、今から開業して成功する確率は高い分野だと言う事もできます。

これらの許可申請については、ご自身で行う事も可能ですが、あまりに難しいと思われる場合には、迷う事なく専門家に依頼をかけて、スムーズに許可が下りるようにしましょう。また、許可がおりたから安心すると言うのではなく、開業してからが重要です。そこから事業のスタートが始まりますから、あらゆる施策を講じて、事業が上手く行くように考えておく必要があると言えるでしょう。

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