日本の物流の要!!運送業の許可の4つの要件を理解しよう!

更新日:2018.03.14

ここ数年間のネット通販の荷物の爆発的な増加により、日本では物流業界の要である運送業は需要が高くなっていくばかりです。営業所やドライバーの数を圧倒的に確保している大手の物流業者ですら、依頼されるすべての荷物を完全にさばくことができずに、荷物の遅配なども多く発生してきています。

今後も運送業の需要は減ることはないでしょうから、これから運送業を始めようと考えている方のために運送業を始めるまでの手続きについて解説していきます。

1.そもそも運送業許可ってどんなもの?

一般的には運送業許可と呼ばれているものは、法律上は正確には、「一般貨物自動車運送事業経営許可」と言われるものになります。

一般貨物自動車運送事業というのは、他人の依頼(需要)に応じて、有償(無償の場合には入りません)で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車はこの自動車の分類からは除かれます。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものを言います。※貨物自動車運送事業法第2条第1項より

簡単に言えば、トラックやトレーラーを使用して他人から運送の依頼を受け、荷物を運送し、運賃を受ける事業の場合のことを言い、一般貨物自動車運送事業を始めようとする場合には、国土交通大臣または事業所を管轄する地方運輸局長の許可が必要となっています。

ここで上記に登場した特定貨物自動車運送事業というものがどういうものかも紹介しておきます。
特定貨物自動車運送事業とは、特定貨物自動車運送事業は、1つの特定された依頼主の需要に応じて、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業のことです。

基本的に運送業を新たに開業する方で1社だけと契約する特定貨物自動車運送事業を営む方はほぼいないものと考えられますので、ここでは複数の業者の荷物を運搬する一般貨物自動車運送事業営業許可について解説していくことにします。

2.運送業許可に必要な4つの要件を把握しよう

運送業許可を受けるためには、資金の要件・人の要件・場所の要件・車両の要件を満たさなくてはいけませんので、ここでは4つの要件について解説していきます。

2-1.資金の要件

運送業は事業を営むために必要な当面の資金が準備できていることが必要となってきます。トラックの購入などで必要な資金に変動はありますが、おおよそ800万円~2000万円程度はかかる可能性があることを理解して資金の準備を行うようにしましょう。
ここでは必要となる費用の費目を挙げていますので参考にしてみてください。

☆人件費
・給与・手当・役員報酬の2か月分
・社会保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・労災保険料の会社が負担する金額の2か月分
・福利厚生費

☆燃料費
・1リッター当たりの平均価格×1か月にかかった燃料費の2か月分

☆油脂費
・必要費用の2か月分

☆修繕費
・外注した修繕費×保有車両台数の2か月分
・タイヤなどの消費本数×1本あたりの価格の2か月分

☆車両費
・事業開始に車両を購入する場合には購入費用の全額
・リースを行う場合にはリース費用の6か月分
・分割払いの場合には頭金と毎月の支払いの6か月分

☆車両の税金関係
・自動車税、自動車重量税、自動車取得税の1年分

☆保険料
・自賠責保険、任意保険の保険料の金額の1年分

☆事務所と駐車場の費用
・事業開始に土地建物を購入する場合には購入費用の全額
・賃貸物件を利用する場合には賃貸費用の6か月分
・分割払いの場合には頭金と毎月の支払いの6か月分

☆什器・備品
・運送業を始めるにあたって購入した備品や設備などの購入金額の全額

☆登録免許税
・運送業許可取得時に収める税金で12万円が必要になります。

☆その他の費用
水道光熱費・通信費・広告費など経費の2か月分

2-2.人の要件

ここでは運送業許可に必要となる人の要件について解説していきます。

☆申請者が欠格事由に該当しないことが必要
あなたが申請する場合にはご自分が以下に示します欠格事由に当たらないかどうかを確認するようにしてください。
・1年以上の懲役または禁固刑に処せられ、その執行が終わり、または執行を受けなくなってから2年以上経過していない者
・運送業の許可取り消し処分を受け、取り消しの日から2年を経過していない者

☆トラックを保有している台数に応じた、ドライバーを既に確保されているか、確保予定であることが必要
・最低でも確保しなければいけない人員は5人になります。
・会社の直接雇用の従業員でなく長期雇用の派遣社員であっても問題はありません。
・確保予定のドライバーが申請をするときに他の会社で勤務していても問題はありません。

☆トラックの台数に応じた運行管理者を確保又は確保予定であることが必要
・トラックの台数は29台まで運行管理者が1人で問題ありませんが、以後1台以上29台まで増えるごとに1人ずつ運行管理者を増やさなければいけません。

☆運行管理補助者を確保又は確保予定であることが必要

☆整備管理者を確保又は確保予定であることが必要

☆整備管理補助者を確保又は確保予定であることが必要

2-2-1.運行管理者と運行管理補助者とは?

☆運行管理者とは?
トラックの安全運行等の確保や運転者の指導監督を行うのが運行管理者となります。運行管理者は運送業を運営していくなかで最も重要なポジションと言えるでしょう。

☆運行管理補助者とは?
運行管理者が不在の時に運行管理業務を行うのが運行管理補助者になります。補助者となっていますが、運行管理補助者は絶対に選任する必要があるので忘れないように選任しましょう。

・運行管理者になるための要件
運行管理者となるには、運行管理者試験に合格するか、一定の実務経験等が必要です。以下で運行管理者となるための要件を確認してください。

①試験を受けて運行管理者となる場合
運行管理者試験を受験するには、以下のいずれかに該当してなければなりません。

ア.事業用自動車の運行管理の実務経験が1年以上ある者
イ.自動車事故対策機構等が行う基礎講習を修了していること

②運送業許可等を有する運送事業者のもとで、運行管理補助者に選任された期間が 5年以上あり、かつ、その期間の間に自動車事故対策機構等が行う基礎講習1回以上、一般講習4回以上を受講していること。

①または②のどちらかを満たしていれば良い。

・運行管理者の欠格要件
地方運輸局長による解任命令により解任され、その解任の日から2年を経過しない者ではないことが必要です。
・運行管理補助者の要件
自動車事故対策機構等の行う運行管理者基礎講習を修了していることが必要です。

2-2-2.整備管理者と整備管理補助者とは?

☆整備管理者とは?
整備管理者は事業用トラックの点検整備の実施や点検整備記録簿の管理、車庫の管理等を行います。

☆整備管理補助者とは?
整備管理者が不在の場合に整備管理業務を行うのが整備管理補助者になります。
・整備管理者になるための要件
整備管理者は、資格で選任する場合と、実務経験で選任する場合の2つに分かれます。

①資格で整備管理者になる場合 以下のいずれかの資格を有していること。
ア.一級自動車整備士
イ.二級自動車整備士
ウ.三級自動車整備士

② 実務経験で整備管理者となる場合 運送業許可を取得している運送事業者のもとで整備管理補助者として選任された期間、または整備工場やガソリンスタンドで点検整備業務を行った期間が2年以上ある者が、整備管理者選任前研修の受講を修了していること。

①又は②のいずれか満たしていれば問題ありません。

・整備管理者の欠格要件
地方運輸局長による解任命令により解任されて、その解任の日から2年を経過しない者ではないこと。

・整備管理補助者の欠格要件
整備管理補助者になるための欠格要件は特にはありません。

2-3.場所の要件

運送業で求められる場所の要件には、営業所の要件・休憩室の要件・睡眠施設の要件・車庫の要件が求められます。
ここでは必要とされる4つの要件について解説していきます。

☆営業所の要件
①都市計画法上の区域区分が原則として市街化調整区域でないこと
②建築基準法、消防法等に抵触していないこと
③農地法等に抵触していないこと →地目が「田・畑」の場合は、農地転用が必須になりますので注意してください。
④建物に対して適切な使用権限があること →自己所有の証明、賃貸借契約書の内容で確認
※賃貸の場合、1年以上の契約期間と期間終了後は契約が自動更新であること
※建物の使用目的に「事務所使用」との記載がされていること
⑤適切な広さがあること
⑥車庫から直線距離で10㎞以内にあること

☆休憩室の要件
休憩室は営業所の要件と同様になります。ただし、広さの規定はありません。広さは決められていないとはいうものの、ドライバーが休憩することを考えれば、少なくとも普通にくつろげる程度の広さは欲しいところではないでしょうか。

☆睡眠施設の要件
①営業所の要件と同様です
②睡眠施設の場合は広さ制限のない休憩施設とは異なり、一人当たり2.5㎡以上の広さを確保しなければいけません

Question:プレハブ等を営業所等にすることは可能なのか?
Answer:・プレハブでも営業所として使用することは可能です。
ただし、市街化調整区域内は基本的に不可になっていますので注意をしてください。

・プレハブの場合でも建築確認申請が必要な場合があるので事前に確認することは大切だと言えるでしょう。

☆車庫の要件
市街化調整区域でも有蓋車庫(屋根のある車庫と言う意味です)でなければ問題なし
①営業所から直線距離で10㎞以内にあること
②使用する車両を容易に収容できる面積があること。
具体的な基準としては以下になります。
・車両と車両の間に50㎝以上の隙間が確保できること
・車庫と車両の間に50㎝以上の隙間が確保できること
③出入口前面道路の幅員が使用する車両に対して適切であること(車両制限令の取得)
④出入口前面道路が通学路などの交通規制がないこと
⑤5m以内に交差点、曲がり角、急な坂がないこと
⑥10m以内に、バス停留所、横断歩道、横断陸橋、踏切がないこと
⑦200m以内に幼稚園、保育園、学校、公園など児童の行き来する施設がないこと
⑧駐車場出入口の幅が基本的に6m以上、8m以下であること
⑨道路幅員証明書または車両制限令に抵触していない旨の証明書が取得できること

2-4.車両の要件

車両の保有台数が5台以上あること(トレーラーとトラクターは2つ合わせて1台と計算されます)
※軽自動車の使用はできませんので、くれぐれもお間違いのないようにしてください。
②適切な使用権限あること
→申請車両を許可取得後に使用することを証明するための売買契約書等が必要になります。

3.運送業許可に関するまとめ

今回は運送業許可の基本的な事項について説明をさせていただきました。
実際にはまだまだやることはありますが、今回説明した4つの要件である資金の要件・人の要件・場所の要件・車両の要件を満たしていなければ、運送業許可を最終的に得ることは不可能と言えるでしょう。

そのためにも、あなたが運送業の開業を考えているならば、まずは4つの要件を満たすことからスタートをしてみてください。

こちらもあわせてお読みください。
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